2020年8月20日(木)

■久之浜一小で校歌作曲・古関裕而の直筆譜見つかる 朝ドラ「エール」で注目

三森山の 緑をあおぎ 太平洋の 波の音聞いて♪ NHK連続テレビ小説「エール」で主人公のモデルとなった作曲家・古関裕而が、大御所の作詞家・西條八十とタッグを組み、昭和27年の久之浜一小創立80周年を記念して作った校歌の歌い出しだ。翌28年8月に発表され、今年で67年。大切に歌い継がれてきた校歌の古関直筆の楽譜がこのほど、テレビドラマの放映を機に“発掘”された。

創作には卒業生で、地元を代表する当時の国民的歌手・霧島昇(現在の大久町出身)の姿が。古関の直筆譜を“地域の宝”として生かせないか、静かにまちおこしへの機運が高まっている。

古関裕而は県内で101校、全国で300を超える校歌、応援歌を創作したとされ、本市では久之浜一小のほか、汐見が丘小、小名浜一、植田両中、平工業高などの校歌に携わった。時代とともに作曲家の存在は薄れていったが、NHK連続テレビ小説「エール」で古関に再び脚光が浴びると、全国各地で古関が生んだ校歌、応援歌が注目されるように。

今回の直筆譜も、テレビ放映がきっかけで“発掘”されたという。水沼栄寿校長(55)が4月下旬ごろ、校長室の耐火金庫を整理していたところ、資料の中に埋もれているのを偶然発見。当時の大御所の作詞家で、北原白秋、野口雨情と並び大正期を代表する童謡詩人と称された、西條八十の直筆とみられる歌詞の原稿も見つかった。

校歌は昭和28年8月2日、同校を会場に、霧島と妻の松原操、「リンゴの唄」の並木路子、童謡歌手の伴久美子など、当時の歌謡界を彩るそうそうたる歌手を招待した発表会でお披露目された。

発表会当時2年生で、今も鮮明に記憶に残っているという久之浜・大久地域づくり協議会長の阿部忠直さん(74)は、直筆譜を何らかの手法で一般公開できないか、そしてまちおこしにつなげるため、仲間とともに現在検討を進めているところだ。

写真は、古関裕而の手で書かれた楽譜=19日(クリックで拡大)

■400年以上続く平沼ノ内の獅子舞 練習は大詰め

平沼ノ内の諏訪神社(山名隆弘宮司)に400年以上伝わる、五穀豊穣や子孫繁栄などを願う「獅子舞(三匹獅子舞)奉納」の祭典が22日午前10時から、同神社の境内で開かれる。獅子の奉納は、同地区では例年9月1日の底引き網漁業の解禁を前に行われ、海洋安全や五穀豊穣、子孫繁栄、疫病退散を祈願する祭りで、同地区の中学1年生が大獅子(おじし)、小学6年生が中獅子(なかじし)、5年生が雌獅子(めじじ)を演じるのが習わしとなっている。

今年は新型コロナウイルスの影響で、獅子舞は同神社で奉納のみ行い、新型コロナの“疫病退散”の願いを込める。獅子舞に使用する「獅子頭」は、これまで60年以上の長きに渡り使用されてきたが、激しい舞で痛みが進んできたことから、このほど新調された。今回の祭典が新調後の初お披露目となり、沼之内公民館では獅子舞稽古が大詰めを迎えた。

写真は、本番に向けて稽古に励む獅子児たち(クリックで拡大)

■平で起きた路上強盗 犯人の行方追う いわき中央署

市内に住む20歳代の看護師女性が18日午後10時20分ごろ、同市平市街地の路上で背後からバッグを強奪された事件で、いわき中央署は現場周辺で聞き込みや検問を行うなどし、引き続き逃走した犯人の行方を追っている。

これまでの調べで、女性は一人で帰宅途中に背後から近づいてきた何者かに首を絞められ、ショルダーバッグを奪われた。捜査関係者などによると、一時気を失ったが幸い怪我はなく、バッグには現金数千円などが入っていた。

犯人は現在も逃走中で、同署では事件の発生時間に近い19日夜に、同市平字大工町などで検問を実施。通行車両の運転手などに目撃情報の有無などを聞くなどし、慎重に捜査を進めている。

写真は、現場近くで検問をする署員=19日午後9時6分(クリックで拡大)

■エブリアに女神降臨 25周年記念で比佐さんの作品展示

鹿島町の鹿島ショッピングセンター「エブリア」は現在、2階フロアの2カ所で、市内在住のイラストレーター比佐健太郎さん(43)が手がけた作品を展示している。作品はエブリアの25周年記念で企画され、店舗の印象から着想を得たという。

作品は「エブリアの女神たち」と題し、エブリアのロゴマークをモチーフに、「水・大地・山」の3人の女神たちが、大型タペストリーに描かれている。自然豊かな環境・いわきを守る女神たちとともに、この地で暮らす人々を支え、生活をより豊かにするエブリアをイメージしている。展示期間は10月31日までの予定。

写真は、比佐さんが描いたイラストの大型タペストリー(クリックで拡大)