2020年8月13日(木)

■きょう盆の入り 故人弔う「じゃんがら」 コロナ禍でも響く太鼓と鉦の音

盆の入りとなった13日は朝から、祖先を供養する墓参りをし、花や線香を供え、静かに手を合わせる市民の姿が多くみられた。新盆を迎えた各家庭では、故人を弔うじゃんがら念仏踊りが奉納され、好間町川中子の民家でも、地元の保存会「小谷作(おやざく)青年会」(大河原茂晃代表)が哀調を帯びた太鼓と鉦(かね)の音を響かせた。

同青年会では、新型コロナウイルスの影響で、今年の依頼は昨年に比べ減ったと話すが、朝の検温、会員同士の距離を取ることなど注意を払いながら、力強い踊りをみせた。

写真は、じゃんがら念仏踊り奉納する小谷作青年会=13日(クリックで拡大)

■9月から分校跡で給食イベント 田人・磐城高箸

磐城高箸(本社・田人町南大平、高橋正行代表取締役)は9月から、地元住民と一般参加者を交えた「給食イベント」を同社でスタートさせる。同社では廃校となった旧田人二小南大平分校を工場として活用しており、「実際の校舎で給食が食べられたら面白い」と、さらなる地域振興に役立てるために今回の企画を発案。開始に先立ち、6日には来場者が楽しめる空間を演出するため、勿来工業高の美術部の生徒たちが訪れて「黒板アート」を会場の学習室に描いた。

給食イベントの開催のきっかけとなったのは、平成29年6月に市文化センター地下カフェ食堂で開催された、一般市民に給食メニューを提供する事業「学校給食フェア」だった。

高橋社長は構想をあたためる中、昨年の東日本台風や新型コロナウイルス感染症によって、田人の宿泊施設「田人おふくろの宿」をはじめ、国道289号線沿いの飲食店が深刻な影響を受けていることを知り、地域を少しでも活気づける一役を担うため、今回の企画を始動させた。

給食イベントは来年3月まで、10回ほど予定しているが、新型コロナウイルス感染症に伴う3密を考慮し、地元住民10人と一般参加者10人の合わせて20人を毎回の定員とする。申し込み方法は近く、旧南大平分校のフェイスブック<こちら>に掲載する。

写真は、来場者をもてなす黒板アートを描いた勿来工業高の生徒ら(クリックで拡大)

■今年はオンライン帰省も 古里を感じられる動画配信中

いわき観光まちづくりビューローは、新型コロナウイルス感染症の影響で帰省を控えている人向けの動画を配信している。タイトルは「今年の夏休みはおうちからいわきに帰ろう! #オンライン帰省」。

“久しぶりに田舎に帰ってきた”感を出すためにJR勿来、植田、泉、湯本、内郷、いわき、草野、四ツ倉、久ノ浜各駅から降り立つ主観映像を主に、勿来の関やアクアマリンパーク、平中神谷のいわき回廊美術館、波立薬師など観光スポットを紹介する。

今季は新型感染症の影響で相次いで中止となったいわき花火大会、いわき回転やぐら、いわきおどりなどといった郷愁あふれる夏まつりの情景も収録した。アドレスは<こちら>。

写真は、配信動画から勿来駅を降り立った場面(クリックで拡大)

■展示場・無料キッチンに防災設備も 常磐共同ガス 広野に新拠点

常磐共同ガス(本社・常磐湯本町)の新拠点「エナジーパークひろの」が、双葉郡広野町上北迫の広野工業団地に整備された。「相双地区のエネルギー拠点」「災害時防災拠点として開放」「地域コミュニティーの場」「最新機器の情報発信」をコンセプトに掲げ、6100平方メートルの敷地内には社屋と倉庫、LPガスボンベ置き場が立つ。

社屋内にはショールームに加え、料理サークルやカルチャー教室など向けに、キッチンスタジオ「sol(ソル)」を完備。最大30人が収容可能な会議室もあり、いずれも地域住民に無料で開放する。隣接する倉庫には、災害に備えた非常食3000食のほか、蓄電設備、非常用ライトも備えてある。

猪狩謙二代表取締役社長は「広野町をはじめとする相双地区の復興、発展のため微力ながら貢献したい。地域の人々に寄り添いながら、業務を進めていきたい」と話している。

写真は、見学会に合わせて行ったテープカット(クリックで拡大)