2020年8月5日(水)

■<新型コロナ>いわき市で約3カ月ぶり感染確認 30歳代・60歳代男性2人

市は5日夕方、いわき市で新型コロナウイルスの感染者が2人確認されたと明らかにした。市内では5月3日以来の感染確認で、16、17例目となる。清水市長が午後7時から記者会見を実施し、詳細について公表した。県内全体では90、91例目となる。

市によると、感染が分かったのは、いずれも市内の30歳代の会社員男性、60歳代の無職男性。どちらも軽症で、市保健所は行動歴・濃厚接触者に関して調査を行っている。2人に関係性はないという。

30歳代男性は7月31日、自家用車で県外の職場に通勤している中、同僚に陽性者1人が判明。この男性は濃厚接触者ではなかったが、同日夜に寒気、8月1、2日に倦怠感やのどの違和感などを感じた。2日の体温は36・9度だった。4日に帰国者・接触者外来を受診(体温は36・4度)。5日にPCR検査の結果、陽性となった。同日午後3時ごろの体温は35・9度にとどまっている。6日に県内の医療機関に入院予定。家族の妻と子ども1人が濃厚接触者になっており、検査を進めていく。

60歳代男性は7月29日から発熱があり、翌30日に市内の医療機関を受診したが、風邪とみられると診断された。8月2日には体温が39度台となったほか、咳や頭痛も生じた。5日に同じ市内医療機関に赴き、紹介された帰国者・接触者外来(体温は38・3度)で、抗原検査によって陽性と示された。同日午後3時ごろの体温は38・3度。すでに県内の医療機関に入院している。

記者会見に当たって、清水市長は「不安な方もいると思うが、人権やプライバシーに配慮するとともに、臆測やうわさに惑わされないよう冷静な行動を取ってほしい」と呼びかけた。

写真は、市役所で記者会見に臨む清水市長=5日午後7時2分

■水石山で母子4人殺害 交際相手の男に懲役8年判決

今年1月、いわき市三和町合戸の水石山公園駐車場で普通乗用車内から母子4人の遺体が見つかった事件で、承諾殺人と嘱託殺人の罪に問われた、同市小名浜愛宕町、住宅リフォーム業の男(51)の判決公判が5日、地裁いわき支部(名島亨卓裁判長)で開かれた。名島裁判長は「被害者らが感じた身体的苦痛、精神的苦痛は大きく、刑事責任は重い」とし、懲役8年(求刑同10年)の実刑判決を言い渡した。

判決によると、男は1月21日夜から翌22日未明にかけて、同公園内の駐車場で止めていた乗用車内で、交際相手の母親=当時(43)=から嘱託、その子供の中学3年の男子生徒=当時(15)、双子の中学2年の女子生徒=いずれも当時(13)=の計3人を承諾の上で、順次包丁で突き刺すなどして殺害した。

■平下平窪の団体・Teco 元気届けるラジオ風CD作成 あすから住民に無料配布

一般社団法人Teco(てこ=事務局・平下平窪、小沼満貴代表理事)はこのほど、東日本台風で大きな被害を受け、コロナ禍で困っている平窪地区の住民に少しでも元気になってもらおうと、ラジオ風CD「てこてこラジオ通信『おごご くってけ!』」を作成した。小沼さんやアマチュア落語家の山椒家小粒さんらが収録に参加し、笑いを交えながら軽快なトークを繰り広げるなど、肩ひじ張らない手作り感満載の内容に。CDは6日から、被災した平窪の住民に無料で配布する。

Tecoは東日本台風の発生後、平下平窪に「下平窪支援ベース」を設けて炊き出しを行い、その後も「てこてこ」と名を変えて地元向け交流サロンやカフェを開設。“てこてこ通信”を創刊して現地の情報を発信するなど、被災者の心に寄り添った支援を続けている。

ラジオ収録後、小沼さんは「アットホームな雰囲気で収録した。皆さんとつながるきっかけになればと思う」と語り、小粒さんは「良いところや楽しかった日々を思い出して、前向きになれる手伝いかできればと思う」と熱心に話し、度重なる災難と向き合いながらも頑張って生活する平窪の人たちを思いやった。

配布は被災した地元住民が対象で、希望者は同法人事務局「てこてこサロン」=平下平窪一丁目2=で受け取れる。今後もゲストを変えながら収録、作成していく予定だ。問い合わせは、小沼さん=080(9639)2525=まで。

写真は、写真は、収録に臨む小沼さん(右)ら(クリックで拡大)

■遠野和紙に触れる機会を 伝承郷で体験会開催

400年以上の歴史を誇る「遠野和紙」の技術伝承に力を注いでいる遠野町地域おこし協力隊主催の紙すき体験がこのほど、市暮らしの伝承郷(県立いわき公園内、夏井芳徳館長)で行われた。同体験は新型コロナウイルス感染症の影響で休止していたが、緊急事態宣言解除に伴い再開した。

講師を務めたのは、同協力隊の平山祐(37)、綾子(33)さん夫婦とギャラハー・シルビア・エティーさん(26)。平山さんたちは和紙が出来上がるまでの工程を知ってもらうため、同館で栽培している和紙の原料となる楮(こうぞ)やトロロアオイを紹介した後、参加した15人にポストカードサイズの和紙のすき方を教えた。

遠野和紙づくりは、23日に同館で行われる「キッズミュージアム2020 in 伝承郷」でも体験できる。材料費は無料で、定員50人(無くなり次第終了)。開催時間は午前10時〜正午、午後1〜2時半。問い合わせは、同館=電話(29)2230=まで。

写真は、伝承郷で行われた和紙すきの体験(クリックで拡大)

■いわき市 防災ラジオの貸与対象広げる

市は、在宅生活する中で自力での情報収集が難しく、高齢者や体が不自由など、災害避難時に支援が必要な市民を対象にした「いわき市防災ラジオ」の無償貸与を行う。9月以降に引き渡す予定で、東日本台風などの教訓を踏まえ、避難行動時に支援が必要な市民に、災害の現状を知らせるとともに、いち早い避難を呼び掛けるため、無償貸与の対象を広げた。

対象者は、1.介護保険制度の要介護度3から5の認定者のいる世帯 2.おおむね75歳以上の高齢者のみの世帯で、自宅にインターネットの接続環境が整っていない、または携帯電話を持っていないなどの理由から、市からの防災情報などを得にくい世帯に住む。

希望者は市危機管理課、各支所に備え付けの申請書(市のホームページからも入手可能)に必要事項を記入し、同課か最寄りの各支所に提出するか、同課=〒970―8686 平字梅本21=に郵送する。