2020年7月27日(月)

■「勿来の関トレイル実行委」設立 遊歩道整備で新名所に 来春に記念イベントも

自然豊かな勿来の関跡から勿来海水浴場まで続く遊歩道を整備し、利用者の健康増進やトレッキングなどのスポーツに役立てようと、地元の有志や専門家で構成する「勿来の関トレイル実行委員会」がこのほど、設立された。初年度は協議や現地調査を重ね、遊歩道マップを作成。遊歩道の立木に彫刻を施すなどアート面での演出も視野に入れており、来春早々には記念トレイルイベントを開催し、新たな名所としてPRしていきたい考えだ。

委員長を務めるNPO法人勿来まちづくりサポートセンターの舘敬理事長によると、勿来の関には市が整備する遊歩道があるが、昭和時代に整備されたとみられる複数の遊歩道があるという。草木が生い茂り、倒木や立ち枯れの木が点在するなど、ほとんどが未整備状態だが、現状で3つのコースが確認され、すべてを歩くと2時間ほどかかる。

自然はなるべく残し、枯れた立木や倒木はよけたり彫刻を施すなどして「アートスポーツ」という新分野を開拓。歴史や文化の香りがする“勿来の関らしい”仕掛けを打ち出していく。

実行委員会の構成団体・メンバーは次の通り。

勿来ひと・まち未来会議会 交流スペース勿来 市勿来支所 芝浦工業大 筑波大の学生プロジェクト 関田連合自治会 県立勿来自然公園を守る会 ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」 日本苔アート協会 県山岳連盟 磐城高箸

写真は、現地調査に臨む委員ら(クリックで拡大)

■コロナに新しい事業展開様式を アリオスで落語会

いわき芸術文化交流館「アリオス」主催の「いわきアリオス落語会特別版」が26日、本館2階の中劇場で開かれ、新潟県上越出身の真打・三遊亭白鳥師匠らが新作、古典落語などを披露し、市内外から訪れた落語ファン144人を爆笑の渦に巻き込んだ。いわき市民コミュニティ放送共催。

同館では開館当初より毎年、旬の噺家(はなしか)を招いて落語会を開催している。今年は6月に予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止に。舞台芸術、芸能を生で鑑賞する機会や発表の場が激減する中で、少しでも心の健康に役立ててほしいと願い、コロナ禍後初めて“新しい生活様式”に配慮した落語会の特別版を企画した。

同館では今回の特別版を“新しい事業展開様式”と位置付けており、「出かけなくても楽しめる」よう、8月22日にFMいわきで落語のもようを放送、合わせて同日より動画共有サイトYouTube(ユーチューブ)での動画配信を始める。

写真は、トリを務めた三遊亭白鳥師匠。会場を爆笑の渦に巻き込んだ=26日(クリックで拡大)

■金子みすゞの直筆原稿など展示 草野心平記念館

童謡詩人金子みすゞ(1903―1930)の企画展「没後90年童謡詩人金子みすゞ展」が9月22日まで、小川町の市立草野心平記念文学館で開かれている。金子は童話・童謡雑誌が最盛期を迎えていた大正末期ごろから、めまぐるしい活躍を見せ、数々の作品は現代の人々にも親しまれている。

「幻の童謡詩人」とも呼ばれた金子は26歳の若さで亡くなった。金子が没後90年になったことや新型コロナウイルス感染症で閉鎖的になり、暗くなった心を金子の作品で温かい気持ちになってもらおうと、企画展の開催を決めた。

金子みすゞ著作保存会などの協力のもと、「私と小鳥と鈴と」「こだまでしょうか」の直筆原稿の複製や娘の片言を書きとめた手帳、金子が生前着用していた着物などが展示されている。

同時期にかけて活躍し金子と並び「巨星」と称され、少年時代に平で過ごしていた童謡詩人島田忠夫(1904−1944)の作品も合わせて展示。島田はいわきにゆかりがあるだけでなく、生前金子と文通をしており、同じ詩人としても深いかかわりがあった。

写真は、興味深そうに作品を見る家族連れ(クリックで拡大)

■福島2020夏季高校野球 いわき勢の16強出そろう

福島2020夏季高校野球大会(県高野連主催)は大会6日目の26日、県内4球場で3回戦残り8試合が行われ、16強が出そろった。26日で前半戦が終了し、いわき勢では一番乗りで4回戦進出を決めたいわき海星のほか、磐城、東日大昌平のシード2校が順当に16強入り。

同地区対決で敗れた平工業のほか、湯本、磐城桜が丘、いわき光洋が3回戦で姿を消した。後半戦は8月1日から突入し、8強入りをかけた熱戦が再び始まる。

写真は、3回戦・東日大昌平―石川。四回13人に投じ、無安打無失点と好投を見せた横田=26日