2020年7月24日(金)=休刊日

■古里のおもちゃ王・佐藤安太たたえ 勿来関文学歴史館で特別展開催中

タカラ(現・タカラトミー)を日本屈指の玩具メーカーに成長させた、本市出身で昨年2月、94歳で他界した故・佐藤安太氏(1924〜2019)をたたえる特別展「佐藤安太〜いわきの生んだおもちゃ王〜」が9月15日まで、勿来町関田の市勿来関文学歴史館で開かれている。

特別展では、佐藤氏が生み出した玩具はじめ136点を展示。空前のブームとなった「ダッコちゃん」や、女の子の憧れ「リカちゃん」の人形、世界的に影響を与えた「トランスフォーマー」などが並び、子どもから大人まで楽しめる内容となっている。

また会場では電卓やシステム手帳といった私物、一線を退いた後に83歳で取得した山形大大学院の博士号学位記も飾られ、飽くなき探求心を持ち続けた佐藤氏の一端が垣間見られる。

開催に先立ち、日本文化財団理事長で、佐藤氏の三男・豊彦さん(59)が同館を訪れ、「父の古里で展覧会ができることはうれしい。地元の方が元気になることを、父も願っていると思うので、ぜひ見に来てほしい」と語った。

佐藤氏は現在の三和町(当時・石城郡沢渡村)生まれ。磐城中(現・磐城高)を卒業後、米沢高等工業学校(現・山形大)で応用化学を学び、昭和30(1955)年、佐藤ビニール工業所を創業し、のちにタカラに改組した。古里の振興にも協力し、福島高専客員教授、県しゃくなげ大使、いわき応援大使などを務めた。

入場料は一般330円、中学、高校、大学生220円、小学生170円。開館時間は午前9時から午後5時(受け付けは午後4時半まで)。期間中は8月19日が休館。

写真は、父が生み出した玩具を前にする佐藤豊彦さん(右)(クリックで拡大)