2020年7月22日(水)

■内郷・国宝白水阿弥陀堂 古代ハス見ごろに きょう「大暑」

22日は二十四節気のひとつ「大暑」。一年で最も暑い日とされ、いわき地方では涼しく過ごしやすい朝を迎えたが、日中は蒸し暑い天候となった。じめじめとした天気が続く中、国宝・願成寺白水阿弥陀堂の浄土式庭園では古代ハスが見ごろを迎え、雲間から差し込む一筋の光のような可憐(かれん)な花が明るく彩っている。

古代ハスは、いにしえの庭園風景を復活させようと、住職らが少しずつ株を増やしたもの。中には岩手県・平泉の中尊寺金色堂から出土した種を育てたものもある。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で拝観を一時休止していたが、3密を避ける対策を行い、5月7日から再開した。

赤土隆行住職によれば、再開後も来場者数は大幅減。震災や昨秋の東日本台風による浸水被害と、これまで何度も苦難を乗り越えてきたが、それ以上の深刻な影響を感じているという。

写真は、見ごろを迎えている白水阿弥陀堂の古代ハス=21日午後(クリックで拡大)

■素朴で温かみ 市立美術館「リサ・ラーソン展」開催中

スウェーデンを代表する女性陶芸家リサ・ラーソン(88)の作品展「創作と出会いをめぐる旅」が8月30日まで、市立美術館で行われている。

同展は、北欧の豊かな自然の中で作られた素朴で温かみのある作風で世界中のファンを魅了するリサ・ラーソンにスポットを当て、「若き日のアーティスト」「グスタフスベリ社の工房」「アメリカでの1年」「テーブルデザイン」「イヌ」などテーマごとのほか、本人が影響を受けた作家らの作品も含め、240点を紹介している。

開館時間は午前9時半〜午後5時(金曜は午後8時)。月曜休館。ただし8月10日は開館する。観覧料一般1000円、高・高専・大学生500円、小・中学生300円。会期中の8月2日午後2〜3時、同館学芸員による「ギャラリートーク」が開かれる。参加自由(入館料要)。

写真は、市立美術館で開催中のリサ・ラーソン展(クリックで拡大)

■コロナに負けるな! あすから平・ソニックでビアガーデン

新型コロナウイルス感染症の影響で、打撃を受けたライブハウスと飲食店を盛り上げようと、平字大工町の「クラブソニックいわき」の駐車場で23、24日、ビアガーデンイベントが開催される。

県外のライブハウスでクラスター(感染集団)が生じたこともあり、クラブソニックいわきは休業を余儀なくされている中、平字白銀町の「和食居酒屋ダイニングKINKA(キンカ)」らが声をかけ、3密(密閉・密集・密接)を避ける形で、駐車場を使ってのビアガーデンを企画した。

キンカの押田昇治郎(38)、将利(37)さん兄弟は、クラフトビールのイベント「ビア博いわき」を主催してきた経験から、「感染症対策を行った上で、地域性を生かしてやれることからやるべき」と話す。テーマには「時には起こせよムーヴメント」を掲げる。

会場ではキンカとともに、平字新川町の「麺処ふじの」、平字白銀町の「CUERNITO(クエルニート)」が出店する。各店舗ともスペシャルメニューを準備しているほか、家族連れも楽しめるよう、ノンアルコールドリンクも充実させる。時間は午後3時〜10時。荒天中止。

チラシは、クラブソニックいわきでのビアガーデンの告知(クリックで拡大)

■短編アニメ制作で人財発掘育成 いわきを元気に

県、市、いわき商工会議所で運営する「いわきアカデミア推進協議会」は、アニメなどの映像を通じた地域振興策として、若者向けの短編アニメ映像の制作と発信事業を立ち上げることを決め、18日にいわき芸術文化交流館「アリオス」で開催したアニメ上映会で概要を発表した。

統括マネジャーを務めるのは、本市でもなじみ深いアニメーション制作会社、ガイナ(東京都武蔵野市)と福島ガイナ(田村郡三春町)の浅尾芳宣社長。今後2年間で実際に市民参画型の映像作品を企画制作しシナリオライターやキャラ作成、声優体験の場を提供、完成した作品を町おこしに役立てていく。

プロジェクト名は「若者による映像コンテンツ制作・発信事業」。本年度より2年間かけて行われる予定で、「次代の地域社会を担う人財育成」などを掲げたいわきアカデミア推進協議会の設立趣旨を背景に、若者文化に根付くアニメで“いわきを元気にしよう”という仕掛けを打ち出していく。

写真は、18日のアニメ上映会で概要を発表する浅尾社長(クリックで拡大)