2020年7月19日(土)

■いわきFC 逆転勝利でJFL初陣飾る! 開幕戦・奈良クラブに2−1

今季からサッカー・日本フットボールリーグ(JFL)に参戦したいわきFCは18日、双葉郡広野町のJヴィレッジスタジアムで、奈良クラブとの開幕戦に臨み、2−1で勝利を収めた。1点ビハインドの後半、いずれも新加入のFW岩渕弘人(22)、FW鈴木翔大(27)がゴールを決め、逆転勝ちの初陣となった。

試合は新型コロナウイルス感染症の影響で、リモートマッチ(無観客試合)となったが、観客席には「一戦必勝」と書かれた巨大応援幕などが飾られたほか、スピーカーからは録音されたサポーターの応援が常に流された。

4カ月遅れで始まったJFLに当たって、田村雄三監督(37)は選手に対し、クラブが立ち上がった意味を、あえて改めて投げかけたという。東電福島第一原発事故によって、Jヴィレッジスタジアムにプレハブが建った様子から、芝生を取り戻すまでの写真を見せ、「いろいろな人の思いがあって、サッカーができることに感謝してほしい」と伝えたと明かす。

今季のJFLは15試合の短期決戦となる。古里の思いを背負い、夢のJ3昇格に向け、大きな勝ち点3を得た。次節は8月23日午後3時から、大分県大分市の昭和電工サッカー・ラグビー場Aコートで、ヴェルスパ大分と戦う。

写真は、勝利を喜ぶいわきFCの選手=18日(クリックで拡大)

■JRがいわき駅南口に新ホテル 並木通り再開発と密に

JR東日本水戸支社は17日、いわき駅南口=平字田町38の16ほか=に商業施設を備えたホテルの建設計画を明らかにした。令和4(2022)年春の開業を予定しており、東日本大震災からの復興、約9年ぶりに常磐線全線開通を迎えたことなどから、さらなる同駅周辺のにぎわい創出を目指す。

同駅前の平・並木通り地区を拠点にした「いわき駅並木通り地区市街地再開発組合」が進める同事業と連携を密にした施設として、回遊性向上などに寄与したいとする。

ホテルは10階建て。客室数はシングル、ツイン、デラックスツイン、ユニバーサル、個室付きカプセルユニットを含め227室。1〜3階が商業スペースで物販、飲食、事務所などが入る予定。駅直結スタイルで敷地面積約7180平方メートル、延床面積約8800平方メートル。

9月の着工に伴い、同駅ビルも全面リニューアルされることから、8月末で全館閉店する。運営は、JR東日本グループ会社の仙台ターミナルビルが行う。また工事期間中での同駅南口ぺディストリアンデッキのエレベーター、エスカレーターは利用できる。

図は、令和4年春開業予定のホテル完成予想図(JR東日本水戸支社提供=クリックで拡大)

■きょう「福島2020夏季高校野球」開幕 磐城桜が丘 亡き前監督に届け5年ぶり一勝

第102回全国高校野球選手権福島大会の代替となる「福島2020夏季高校野球大会」(県高野連主催)が18日、メイン球場の郡山市のヨーク開成山スタジアムなどで開幕した。大会初日の同日は県内5球場で1、2回戦10試合が行われ、いわきグリーンスタジアムでは同日午前、いわき勢のトップを切って磐城桜が丘と船引が対戦。磐城桜が丘が12―1の六回コールドで快勝し、5年ぶりの初戦突破を果たした。

磐城桜が丘は三回無死満塁から、下山田隆輔(3年)の適時打で先制すると、打者12人を送り込み一挙8点を奪い、試合の主導権を掌握。六回にも4点を追加し、さらにリードを広げると、主戦・浮須佳汰(同)、島津玲央(同)、愛川政弥(2年)の3継投で船引打線を1失点に封じ、昨年9月に他界した坂本收司前監督=享年(45)=にささげる5年ぶりの夏一勝を手にした。

写真は、磐城桜が丘―船引戦。磐城桜が丘は三回1死二、三塁から、高萩翼主将の2点適時打で先制打を放った二走下山田が4点目のホームイン=18日(クリックで拡大)

■<スタンドから>高校野球もコロナ対策 拍手で選手たちを鼓舞

18日開幕の「福島2020夏季高校野球大会」。今大会は感染症拡大防止対策として一般客の入場を認めず、無観客で行われる。特例として観戦を許された保護者や控え選手は、夏の戦いに挑む選手たちと心を共有し、スタンドから見守った。

いわきグリーンスタジアムの開幕試合に挑んだ磐城桜が丘は、保護者約50人が観戦。時折、小雨が舞う中、チームカラーのピンク色のTシャツに袖を通し、わが子のプレーする姿をじっと見つめた。

大声を出しての応援ができないため、好プレーが出るたび、全員で拍手をし、選手たちを鼓舞。試合終了後、ピンク色のタオルを掲げ、校歌の演奏に合わせて左右に揺らし、勝利したチームにたたえた。同校野球部保護者会長の浮須伸幸さん(51)は「冷静に試合を進め、堂々とプレーしていた」と5年ぶりの初戦突破を喜び、選手たちの雄姿に目を細めた。

写真は、1塁側スタンドから観戦する磐城桜が丘の応援団=18日(クリックで拡大)

■薄磯遺跡を探訪しよう 市考古資料館が参加者募集中

市考古資料館(高島好一館長)は現在、26日午前8時半から11時半まで平薄磯の「薄磯貝塚」近くで開催する遺跡の探訪会の参加者を募集している。19日から始まる特別展「個人及び学校所蔵の考古資料」の一環として開く。

薄磯貝塚はいわきを代表する古代遺跡の一つで、貝塚の中から当時の食文化がうかがえる豊富な魚や動物の骨のほか、亡くなった人や生活を共にした犬の遺骨、石器、縄文後期〜弥生時代の土器など貴重な資料が採掘されている。

周辺の環境は東日本大震災後の復旧復興工事で大きく様変わりしたが、現在も土器のかけらなどが散見される場所が残っているという。今回は住民の了解を得て、個人の所有地で遺跡の採取を体験できる。

参加費無料。定員20人。希望者は24日まで、同館=電話(43)0391=に申し込む。同館の窓口でも申し込みを受け付けている。