2020年7月7日(火)

■遠野・上根本を「しだれ桃の里」に 自慢の観光スポット目指してサポーター募る

「しだれ桃の里」として地区民が自慢できるふるさとづくりを――過疎が進む遠野町北部の上根本地区。進学や就職、結婚を機に遠野を離れて市街地に定住する若者が多くなり、地区の高齢化も招いている。そんな中、町の有志が今年、「しだれ桃の里をつくる会」を発足させた。春の盛りに美しい紅・白・ピンクなどの花を咲かせる“しだれ桃”を使って、魅力ある、住民が自慢できるふるさとづくりに向かって立ち上がった。

上根本地区は遠野の中心部から北へ車で15分ほど、入遠野川に近い静かな山あいにある。発起人で、同会の事務局を務める小沢正吉さん(57)は振り返る。「働く場所も人が集まれる場所もないから、若い人たちは上根本から離れて行って人は減るし、残っている多くは学校に通う子どもと年寄りばかり。これではいけない、と10年ぐらい前からですかね。住民が自慢できる観光スポットをつくれないかと思ったのは」

きっかけは小沢さんの自宅庭にある鑑賞用ハナモモの一種“源平しだれ桃”にあった。ハナモモの中でも人気の品種で、本の木に紅色や白、ピンクの花を咲かせる八重咲きの枝が頭上から垂れ下がる。小沢さんは、上根本の酒井洋一区長(71)と、上遠野清人前区長(70)に理解を求めながら、まず自費で80本の苗木(1本1100円)を購入し、地区内の市道・農道沿いや計画に賛同してくれた家々の敷地内に植えた。

運営にはサポーター制度を採用。1口2600円で苗木を購入してもらい、その証しとして氏名などを記したプレートを苗木に付ける。その後の木の育成管理は事務局や地権者が当たる。既に北海道や宮崎、愛知、神奈川など60人のサポーターがついた。問い合わせは小沢さん宅=電話(89)4050=へ。

写真は、自慢できるふるさとづくりに立ち上がった小沢さん(中)と新旧区長の酒井、上遠野さん(クリックで拡大)

■伝承郷 七夕飾りで疫病終息願う 藁馬の展示も

市暮らしの伝承郷(いわき公園内、夏井芳徳館長)に6日、七夕飾りが置かれ、来館者たちを出迎えている。笹につるされた飾りは同館の職員が一つ一つ気持ちを込めて作ったもので、飾りの前には一部地域で残る「藁(わら)馬」を配置。かつて七夕を行っていた旧暦の7月7日が盆入りのため、「オボンサマ」と呼ばれる藁馬を作り、先祖を迎えてきた風習にあやかった。今年から藁馬の数を増やし、藁馬に関する資料も展示している。

また、職員たちは新型コロナウイルス感染症が早く終息することを願い、疫病終息の御利益があるとされている「アマビエ」を折り紙で作り、笹飾りへ。来館者には無料で短冊を配っており、願い事を書いて好きな笹に飾ることもできる。同イベントは8月10日まで。問い合わせは、同館=電話(29)2230=へ。

写真は、伝承郷に飾られた七夕飾り=6日(クリックで拡大)

■常磐興産・西沢社長来社 「新しいハワイアンズの提供を」

スパリゾートハワイアンズなどを運営する、常磐興産(本社・常磐藤原町)代表取締役社長の西沢順一氏(64)と代表取締役会長の井上直美氏(69)が7日午前、就任あいさつのためにいわき民報社を訪れ、野沢達也代表取締役社長、鈴木淳専務取締役と歓談した。

西沢氏は「大人数の団体旅行客が減り、少人数にシフトしていく流れにある」と観光・レジャー業を取り巻く時勢と行楽客の趣向の変化を冷静に受け止め、「『新しいハワイアンズ』として既存の温泉ショーに磨きを掛け、慎重かつスピード感を持って最高水準の魅力を提供したい」と力強く抱負を語った。

井上氏は震災後に本市、本県の復興の旗手として活躍したフラガールたちに触れるなど、7年間に及ぶ社長時代を振り返りながら「今後も観光の分野で地域の活性化を少しでもお手伝いできれば」と意欲を示した。一方、両氏は新型コロナウイルス感染症について懸念を示しつつ、広大な施設を生かしながら“安心安全のハワイアンズ”を発信したいと意気込んだ。

写真は、抱負を語る西沢社長(右)と井上会長=7日(クリックで拡大)