2020年7月6日(月)

■いわきの生んだおもちゃ王・佐藤安太の功績展示 18日から勿来関文学歴史館

一代でタカラ(現・タカラトミー)を日本屈指の玩具メーカーに成長させた本市出身で昨年2月、94歳で他界した佐藤安太(1924―2019)を顕彰する、市勿来関文学歴史館の特別展「佐藤安太〜いわきの生んだおもちゃ王〜」が18日から、同館で開かれる。9月15日まで。

佐藤安太は大正13年、三和町(当時・石城郡沢渡村)生まれ。磐城中(現・磐城高)を卒業後、米沢高等工業学校(現・山形大)で応用化学を学び、昭和30年、佐藤ビニール工業所を創業し、のちにタカラに改組した。その5年後、「ダッコちゃん」の販売を開始。240万個を売る空前の大ブームとなった。

このほか、ロングセラーの「リカちゃん」「人生ゲーム」「チョロQ」などのヒット商品を生み出し、子どもたちに夢や希望を与えた。平成14年、タカラの経営の一線から退いたあとも生涯現役を貫き、同19年、83歳で山形大大学院に入学。3年後、「未来設計と成功エンジニアリング」の研究で博士号(工学)を授与した。

会場には、共催する日本玩具文化財団(佐藤豊彦理事長)が寄贈した安太が開発に関わった玩具約50点をはじめ、博士号学位記、遺品、書籍など約30点の計約80点を展示する予定。

表は、佐藤安太が開発に関わったタカラのおもちゃ(クリックで拡大)

■平・創作麺やま鳶 ラーメン店の「こども食堂」始める

経済的な理由などから、満足な食事がとれない家庭や孤食の子どもに温かい食事を提供する社会活動「こども食堂」が全国的な広がりを見せる中、創作麺やま鳶(平字作町)は明7日から、こども食堂をスタートさせる。

コロナ禍で苦しむ飲食店や食材の生産者を元気づけるため、常磐ものの魚のだしを使ったご当地ラーメンを開発するなど“地元ファースト”で活動を展開する同店。貧富の差にかかわらず手ごろな値段で食を提供し、未来を担う子どもたちの食育を支える。

ラーメン店が提供するこども食堂らしく、メニューは“お子さまらぁ麺”に加え、食べ盛りの子どもたちのために、いわき産コシヒカリのブランド米「Iwaki La i k i( いわきライキ)」と、国産と遠野町産の豚肉を使用する“お肉ごはん”の2種類を用意。

お子さまらぁ麺は、通常のしょうゆラーメンの半分ほどの量で、子どもたちが食べやすい温度や味になるよう温度計と濃度計を使い、試食を重ねながら調整した。お肉ごはんは、子どもが好む甘塩っぱいしょうゆ風味のたれで仕込んだチャーシュー丼。価格はいずれも150円。

明7日は毎月7日の「魚食の日」に合わせ、ご当地ラーメン「サンシャインラーメン」を注文するか同食堂を利用することで、カナガシラのすり身だんご入りスープをサービスする。

子ども食堂の営業時間は、やま鳶の定休日となる火曜日午前11時〜午後5時。その他の曜日も状況に応じ、午後3〜5時ごろの営業を予定しているという。誰でも利用できる。

写真は、こども食堂の“お子さまらぁ麺”を持ち、利用を呼びかけるやま鳶の曲山真美さん(クリックで拡大)

■アクアマリン 今年もユニークな七夕飾りお目見え

7日の七夕にちなみ、ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」のユニークな“生き物七夕飾り”が、今年も本館にお目見えした。「いわき七夕まつり」のような七夕飾りを楽しんでもらおうと、職員たちが心を込めて作った力作で、人気の高いゴマフアザラシ、ナメダンゴのほか、カッパとシーラカンスをイメージしたマスコットキャラクター権兵衛(ごんべえ)も登場。

今年は同館が研究に携わり、今年2月に新種に認められた深海魚オトヒメコンニャクウオが仲間に。吹き流しを含めると全長4・5メートルほどで、愛くるしい姿が子供たちの注目を集めている。展示期間は8月25日まで。

写真は、アクアマリンふくしまで始まった七夕まつり(クリックで拡大)

■東日本台風教訓に防災訓練 新型コロナ対策も

本市に甚大な被害を与えた東日本台風を教訓とした市総合防災訓練が4日、災害発生時に対策本部統括部を置く市役所本庁舎をはじめ、市内13カ所で行われた。

避難所開設と運営の課題が浮彫りとなる中、新型コロナウイルス感染症の対策も踏まえた内容で、大規模な災害危機を伴う台風が近づくと想定。東日本台風当時、情報が本庁の市危機管理課に集中し業務に支障をきたしたことから、今回新たに専門チームを設置して訓練に臨み、小名浜西小では新型コロナの感染拡大防止を想定した避難所の受け入れ対策などを展開した。

東日本台風後、最大規模の防災訓練となり、市職員、市消防団員など約1160人が参加した。小名浜西小体育館での避難所開設訓練では、感染症対策のため、受入側はエプロン、マスク、フェイスシールドを身に着け、市職員扮(ふん)する避難者に対し、体温チェックなどを実施。感染の疑いのある避難者を簡易テントに隔離する対策も入念に確認した。

写真は、新型コロナの感染の疑いのある避難者を隔離する訓練=小名浜西小(クリックで拡大)