2020年7月2日(木)

■県内初の産学官連携パン作り マルト・山崎製パン・市・平商がタッグ

市内外にスーパーなどを展開するマルトと、山崎製パンいわき営業所、平商業高は6月から、市創生推進課と農業振興課の協力を得、いわき産コシヒカリのブランド米「Iwaki Laiki(いわきライキ)」の米粉を原料とした食パンの開発プロジェクトを本格始動した。産学官が連携し、地元産の米で食パンを生み出すのは県内初の試みといい、同校の3年生19人が現在、商品化に向けて試行錯誤を繰り返している。完成した商品は11月にも市内のマルト各店で販売したい考えだ。

「Iwaki Laiki」食パンプロジェクトが立ち上がったのは、今年の1月ごろ。マルトが発起人となり、本市産の食材を用いて商品を製造することで地産地消と消費拡大を図ろうと、毎日食べるもので老若男女に親しまれている食パンを、地元ブランド米で作ることを発案した。

同社では「未来へ輝く子供たちをマルトは応援します」との旗印を掲げて、青少年の育成事業を展開しており、「フラムーネ」など、地元ならではの商品開発が経験豊かな平商業高に共同開発を提案。新型コロナウイルス感染症の影響で具現化が遅れたが、同校の理解を得、毎週火曜日に行われる「課題研究」の授業の中で、平商業高の生徒たちと商品開発を進めることが決まった。

写真は、課題研究の授業で、班ごとに考案したデザインを見て回る生徒と関係者(クリックで拡大)

■第2シード・磐城 初戦は会津連合 高校野球

第102回全国高校野球選手権福島大会の代替となる「福島2020高校野球大会」(県高野連主催、18日開幕)の代表者会議と組み合わせ抽選会が1日、郡山市の郡山ユラックス熱海で開かれ、出場81校・71チームの対戦カードが決まった。

抽選に先立ち、2回戦から登場するシード4校が決定。いわき勢では、8月に甲子園で開催される「2020年甲子園高校野球交流試合」に出場を予定している第2シードの磐城は2回戦から登場し、会津連合「猪苗代・大沼・坂下・田島」と初戦で激突する。

福島2020高校野球大会は18日から、郡山市のヨーク開成山スタジアムをメイン球場とし、いわきグリーンスタジアムなど県内6球場で行う。前期日程の18、19、23〜26の6日間で1〜3回戦を実施し、16強が出そろう。

8月1日から後半戦に突入し、4回戦8試合を実施。移動日を挟み、同3日に準々決勝を行う。準決勝、決勝はメインのヨーク開成山スタジアムで開催。5日に準決勝、7日に決勝を行う。決勝は午前11時試合開始予定。

聖地・甲子園への道を閉ざされた最後の夏を迎える3年生のため、特別ルールを採用。1チームの選手登録は20人だが、3年生に限り21人目以降も選手として登録が可能で、試合ごとに選手の入れ替えができる。

感染症拡大防止のため、試合時間短縮を取り、全試合でコールドゲーム、タイブレーク制を採用。タイブレークは通常十三回からだが、十回からとなる。今大会から、1週間500球の投球数制限を導入。今大会から、投球せずに打者を一塁に進める「申告故意四球」も認める。その打者への投球数は加算されない。

優勝校は東北地区高野連が8月9日から、宮城県の石巻市民球場で、独自開催する東北大会に硬式の部の本県代表として出場する。このほか、優勝校への記念品として、聖光学院OBが集めた「甲子園の土」が贈られることが決まった。

表は、福島2020高校野球大会の組み合わせ(クリックで拡大)

■いわきの最高路線価 平・三町目の駅前大通り 3年ぶり上昇

国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる令和2年分の路線価を発表した。全国の平均変動率は前年比プラス1・6%(同0・3ポイント増)で5年連続で上昇している。

仙台国税局によると、いわき税務署管内では、いわき市平字三町目の国道399号(いわき駅前大通り)が最高路線価で、価格は前年より5千円高い1平方メートル当たり13万円で、3年ぶりに前年を上回った。

県内10カ所の各税務署管内の10地点では、郡山市駅前一丁目(郡山駅前通り)、福島市栄町(福島駅前通り)に次いで3番目。上昇率では前年比4・0%増の県内トップ。いわき市内の最高路線価は平成4年の142万円をピークに下落・横ばいで推移したが、平成28年に23年ぶりに上昇した。29年も伸びたが、30年から2年連続で横ばいだった。

写真は、3年ぶりに路線価が上昇した「いわき駅前大通り」(クリックで拡大)

■原発事故の市民訴訟 最終尋問行われる

東電福島第一原発事故に伴い、いわき市民667世帯1574人が国と東電を相手取り、計73億5705万円の慰謝料や原状回復を求めた集団訴訟の第41回口頭弁論が1日、地裁いわき支部(名島亨卓裁判長)で開かれた。

口頭弁論では最終尋問が行われ、原告の男女4人が法廷に立った。このうち原発事故当時、次女を妊娠していた50歳代女性は「家族や仕事の関係で避難ができなかった」と当時の状況を説明。中学1年生だった長女をはじめ、甲状腺検査のたびに不安になり、いまだに子どもの将来に影響が出ないか心配していると訴えた。

集団訴訟では、<1>震災直後に避難したり、いわき市にとどまった慰謝料として1人25万円(妊婦は50万円)<2>市内の線量が毎時0・04マイクロシーベルト以下となり、福島第一原発の廃炉が完了するまで月額3万円(18歳以下は8万円)を補償すること――を要求している。次回は10月21日。平成25年9月に始まった集団訴訟が結審する。判決は来年3月の見通し。