2020年7月1日(水)

■感染対策強化で「ハワイアンズ」きょう営業再開 市内外から多くの人訪れる

新型コロナウイルスの影響で日帰り・宿泊施設の休業が続いていた、常磐藤原町の大型温泉施設・スパリゾートハワイアンズが1日、営業再開した。前夜からの雨も上がり、開館時間10分前の午前9時50分には待ちかねた個人、家族連れなど約70人が列をなし、オープンとともに感染防止対策を強化した入場口で非接触型体温計、サーモグラフィーによるチェックを済ませた後、フラガール、ファイヤーナイフダンスチーム・シバオラの出迎えを受け、次々と入場していった。

来館者を迎える前、ウオーターパークフロント口では、施設を運営する常磐興産の西沢順一代表取締役社長が、勢ぞろいした館内スタッフに「待ちに待ったこの日が来た。笑顔、元気なあいさつを忘れず、安全・安心で楽しいハワイアンズを作り上げていこう」と述べ、再開に向け努力を続けてきた従業員同士の思いを共有した。

地元・常磐藤原町の無職斎藤芳美さん(87)は、年間パスポートを携えて訪れた。「旧常磐ハワイアンセンター」建設当時、館内に植栽した南国の植物を寒さから守るため、ストーブを貸し出したという斎藤さんは「ほとんど毎日通っている。温泉は体が軽くなるからね。きょうはゆっくりしたい」と笑顔を見せた。

家族5人で訪れた会社員早乙女直文さん(38)=茨城県常総市=は「子どもが通う小学校の創立記念日を利用した。去年も同じ時期に来ました」と話し、ウオーターパークのプールで長男、長女、次女と一緒に水の感触を楽しんでいた。

写真は、プールで楽しむ親子連れ=1日(クリックで拡大)

■三和・交流施設「長居小」 コロナ乗り越え4日再出発

三和町永井地区に昨年11月、惜しまれながら廃校となった旧永井小に新たな命を吹き込み、地域に寄り添った交流施設「いこいの学校 長居小」が誕生した。木造2階建ての校舎には衣食住がそろう購買室のほか、カフェ、岩盤浴などが楽しめる健康室などを新設。少子高齢化が進む中山間地域の希望として、域外からも“長居”する来校者が増えていったが、新型コロナウイルス感染症で水を差される形に。開校日時を制限するなど苦境が続く中、地域住民の協力を得、ようやく4日に元の開校日時へと戻すことが決まった。

旧永井小をリノベーションし、運営するのは、平字作町に事務局を構えるNPO法人「MOCCS(もっくす)」。長谷川梢理事長(31)によると、同法人は一昨年10月の設立後、移動販売車で保育園を訪れて綿菓子をプレゼントしたり、東日本台風時は避難所で炊き出しをするなど、地元に根ざした地域貢献活動を展開している。

活動を続ける中で、長谷川理事長は廃校になりそのままとなっている旧永井小の存在を知った。過疎が進み、やがて限界集落になるだろう不便な場所にあったが、美しい自然に囲まれ、心豊かに暮らす高齢者たちとふれ合ううちに、魅力的な土地柄にひかれていく。次第に「ここを拠点に地域貢献活動をできないか。永井の方々の力になりたい」という思いがふくらんでいったという。

11月の開校日――。150もの人たちが集まり、盛大に開校を祝い合った。その後も土日、祝日限定の開校にも関わらず、ピアニストの演奏会、ハンドベル演奏の交流会などのイベントが定期的に開かれ、域外からも多くの来校が。小さな集落は、かつてのにぎわいを取り戻しつつあった。しかし開校からわずか数カ月で、新型コロナウイルス感染症がまん延、3月から時間を短縮し土曜日のみの開校に。「3密」を防ぐため、整体などの一部設備は自粛を余儀なくされた。

4日には長い自粛を終え、ようやく元の開校日時に戻る。過疎化が進む永井地区の希望として、域外を巻き込むことができる交流施設の存在感、ポテンシャルは日増しに大きくなっている。

写真は、長居小の休憩スペースで談笑する来校者ら。木の温もりに包まれ、笑顔も広がる(クリックで拡大)

■いわきFC J3ライセンス申請 ホームは現状踏まえJヴィレッジに

今季から日本フットボールリーグ(JFL)に新規参入する「いわきFC」は、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に対し、J3の来季参入を視野に入れたライセンスの申請書類を6月30日付で提出した、と発表した。その中で、J3ライセンス交付の審査基準を満たすスタジアム施設が“現状では”本市にないことから、双葉郡広野町のJヴィレッジスタジアムをホームスタジアムとして申請したことを明らかにした。

クラブを運営する、いわきスポーツクラブの大倉智代表取締役は「来年は震災から10年を迎え、その節目の年にJリーグに参入し、震災後最前線で原発の復旧を支えたJヴィレッジという場所をホームに戦うことができれば大きな意味を持つ。復興から成長へ、『いわき市を東北一の都市にする』を掲げて立ち上がったクラブが、双葉郡を含む9市町村にホームタウンを広げ、いわき市から浜通り、福島県へとその輪を広げていけるよう進みたい」と意欲をみせている。

■飯野八幡宮の夏越大祓執行 茅の輪くぐりでけがれ払う

飯野八幡宮(飯野光世宮司)=平字八幡小路=の「夏越大祓(なごしおおはらえ)」にちなむ「茅の輪くぐり」が6月30日、同宮境内で行われた。この神事は夏の暑さから身を守り、正月から半年間の穢(けが)れを清め、家内安全、一家繁栄などを祈願する。「茅の輪」は直径約2メートルで26日、神職らが好間町地内に生えている萱を刈り、撚(よ)り結んだ。

例年は氏子、崇敬者が大勢参列していたが、新型コロナウイルス感染対策のため、地域住民ら5 人が臨んだ。本殿で飯野宮司、戸田勇権祢宜ら神職5人が大祓詞(おおはらえのことば)などの神事を執り行った。

写真は、雨の中、「茅の輪」をくぐる神職ら=6月30日(クリックで拡大)