2020年6月19日(金)

■コロナ禍の夏 熱中症対策のあり方は? 市医師会・市消防本部が注意呼びかける

新型コロナウイルス感染症の影響で自粛やマスクの着用を余儀なくされる中、6月に入り猛暑が続き熱中症の被害が相次いでいる。目まいや頭痛、吐き気などの症状を訴える患者が多く、夏を迎えるにあたりコロナウイルス対策と熱中症対策を同時にできる方法を知っておく必要がある。

市医師会の斉藤道也副会長(58)は、マスク着用の影響で熱中症患者が増える可能性があるとし、適切に外して普段から汗をかくことが大切だと助言。また、同市消防本部の鈴木省吾警防課長(54)は適度に休憩をはさみ、水分を取ることを呼び掛けている。

コロナウイルスの影響により夏場もマスクをする異例の事態。斉藤副会長は、マスクを着用することにより体温が4〜5度ほど上がり、夏は体感的にとても暑く感じ脈が上がったり、自律神経が乱れ熱中症になりやすい、と予想している。

市消防本部では18日から、温度と湿度をもとに作られた暑さ指数(WBGT)が28〜31度に達した場合、各消防署から広報を行うことを決定した。「こちらは、いわき市消防本部です。本日は気温が非常に高くなることが予想されます。適度な休憩と水分補給に気を付けて、熱中症を予防しましょう」というアナウンスと共に、市内を周り注意を呼びかけている。

写真は、患者の診察を行う斉藤副会長(クリックで拡大)

■平のイオン 産直コーナー新設 農水産物の消費拡大を

イオンいわき店(秋山智之店長)=平字三倉=は19日、産直コーナー新設に伴い、リニューアルオープンした。「日々の暮らしを豊かに、便利に」をコンセプトに、同店1階食品売り場(平面駐車場サンデー側)の野菜・果物、鮮魚類のエリアを品数、種類ともに拡充。

メインの産直コーナー「いわき新鮮館だべっぺ」は市内はじめ、県内各地の生産者が育てた新鮮野菜、果物、加工品などを取り揃えるほか、GAP(農業生産工程管理)認証のサクランボ、キュウリ、トマト、シイタケなども提供中。隣接する鮮魚コーナーでは小名浜港、沼之内港で水揚げされたメキ貝、金目鯛など新鮮な魚介類も用意するなど、本県農水産物の消費拡大に努めている。

営業時間は食品売り場午前7時〜午後10時、専門店午前10時〜午後9時。

写真は、地元港水揚げの魚介類を提供する鮮魚コーナー=19日(クリックで拡大)

■原発処理水 市議会 国に対する意見書提出へ

市議会6月定例会の最終日の18日、東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、「多核種除去設備等処理水の処分決定に関する意見書」の意見案が上程され、全会一致で可決した。意見書は近く国に提出する。

市議会は、県民の半数以上が処理水を薄めて流すことに反対としていることなどを受け、国に対し、汚染水をめぐり、風評対策の拡充・強化を要求。併せて、関係者、国民の理解と合意を広げるまでは多核種除去設備等処理水の陸上保管を継続することを意見書として提出する。

本会議終了後、菅波健市議会議長は報道陣の質問に応じ、国に多核種除去設備等処理水の適切な処理方法、海洋放出の際に起こりうる風評払しょくの具体案を示してほしいと述べ、「市議会としての共通の認識を意見書とした。国には透明性のある説明責任をしてほしい」と話した。

写真は、報道陣の質問に答える菅波議長=18日(クリックで拡大)

■いわき地域学會 郷土の歴史・文化掘り下げた「潮流」発刊

いわき地域学會(吉田隆治代表幹事)は19日までに、学術誌『潮流』第46報を発刊した。A4判92ページ。同学會員8人が執筆を担当、いわきにおける酪農乳業、平中心市街地、戦史、民俗、考古学などをテーマに掘り下げ、興味深く読ませる。1部千円(税別)で頒布している。問い合わせは、吉田代表幹事=電話(34)7871=まで。テーマ、執筆者は次の通り。

@「磐城牛乳舎匿名組合について―いわき地方における酪農乳業史の一事例―」(関内裕人)A「『平本町通り』の機能にみる歴史・社会変遷」(おやけこういち)B「一ノ瀬俊也氏論文『日露戦後 太平洋戦争期における戦死者顕彰と地域―“郷土の軍神”大越兼吉陸軍歩兵中佐の事例から―』を読む(前編)」(大河原一浩)C「白井遠平論・序説―いわきにおける資本主義の形成―」(関内幸介)D「江名浜の小正月行事“鳥追い”を中心として」(山名隆弘)E「石城における古墳時代の横穴墓に見る『吊金具』と『盲孔』再々考―館山2号横穴墓の『吊金具』と中田1号横穴墓の『盲孔』を中心に―」(大竹憲治)F「朝鮮総督府『古蹟調査特別報告』の書誌学的検討と刊行の周辺(その1)」(渡辺一雄)G「いったい何が招いた災害なのか。間違いを間違いと認識しないうちは、災害は二度三度と市民に犠牲を強いる」(芳賀稔幸)H「いわき市産鉱物目録」(関内幸介)

写真は、発行された『潮流』第46報(クリックで拡大)