2020年6月12日(金)

■苦境のライブハウスに起死回生の一手を ソニック 無観客ライブ配信に挑戦

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、大阪や都内などで相次いでクラスター(感染者集団)が発生し、「3密」の象徴として緊急事態宣言解除後も全国の自治体で休業の要請が続いてきた、ライブハウス業界。1日から段階的に解除されるも、本県では18日まで自粛要請が続く予定で、取り巻く環境は依然として厳しい。

本市唯一のライブハウスを運営するソニックプロジェクト(本社・平字大工町)では、起死回生の一手として、業界で話題となっている無観客ライブ配信に着手するため、11日からクラウドファンディングによる資金調達をスタートさせた。

ソニックプロジェクトは市内で「クラブソニックいわき」と「いわきバロウズ」、茨城県水戸市でもライブハウスを運営している。関野豊代表取締役(54)によると、新型コロナの感染が拡大し相次ぎクラスターが発生したことで、ライブは激減。卒業記念と銘打つライブが続き、年間を通じて「かき入れ時」という年度末の3月はわずか2本に終わり、4、5月は一切なかった。

目標額は4百万円。初日ですでに全国から百万円を超す支援が集まっており、関野代表は感謝の気持ちを語りながら「地方都市でライブハウスは音楽だけでなく、文化を表現する大切な場所。存続できるようお力添えをいただきたい」と協力を呼びかけている。

また返礼品として、実家が農家というスタッフの協力を得、関野社長ら総出で田植えを行ったいわき産コシヒカリ、同社を拠点とする市公認ご当地アイドル「アイくるガールズ」のCD、ふくしまオーガニックコットンプロジェクトで栽培した本県産綿花の手ぬぐいなどを準備した。開催期間は7月22日までで、1口2千円から10万円。サイトのアドレスは<こちら>。

写真は、存続に向けてライブハウスのメンテナンスを行うスタッフ=11日(クリックで拡大)

■けさ小名浜に初ガツオ水揚げ 脂乗りも良好

千葉県・銚子港の南東約500キロ沖で漁獲されたカツオ約5トンが12日早朝、小名浜魚市場に初水揚げされた。ビンチョウマグロ約30トンとともに水揚げされ、「初ガツオ」のほとんどが5キロ台と大型中心。威勢の良い掛け声を掛けながら仕分けする漁業関係者によって、市場は終始活気に満ちあふれていた。初ガツオは市内の仲買人、県漁業協同組合連合会(県漁連)が買い上げた後、本市をはじめ県内のスーパーなどで販売される。

漁獲したのは、県内で唯一カツオ漁を行う酢屋商店(小名浜字栄町、野ア哲代表取締役)所有のまき網漁船「寿和(すわ)丸」船団。5日に小名浜港を出港したあと、10日午後3時ごろに銚子沖でビンチョウマグロと、群れに交じって泳ぐカツオを漁獲し、第22寿和丸(総トン数約305トン、山田寛人船長以下9人乗り)が運搬した。

同社取締役の野ア太さん(37)によると、今年は黒潮が例年より沿岸から離れて流れているために魚群が遠く、1カ月ほど遅い水揚げに。しかしカツオは成長のピークであることも手伝い、「大きく身が引き締まり、脂乗りも良好」という。

写真は、ビンチョウマグロの中からカツオを仕分けする関係者=12日午前5時44分(クリックで拡大)

■きのう川前でクマ1頭出没 いわき中央署など注意喚起

11日午後6時50分ごろ、いわき市川前町下桶売字荻地内の吉間田集会所付近の休耕田で、クマ1頭が出没した。

いわき中央署と市川前支所によると、目撃したのは近所に住む60歳代の男性で、体長約1メートルのクマは同所を北東方向に走り去り、どことなく山林内に入っていったという。男性は目撃後、川前区長に相談し、区長からの通報を受け駆けつけた同署員がパトカーで警戒を呼びかけた。目立った被害やけが人はいない。

また、12日午前9時ごろ、川前区長と同支所職員ら4人が現場を訪れ、直径6〜7センチのクマの足跡を確認した。同町内では、平成25年6月22日にも同町下桶売字志田名地内で目撃情報や足跡が確認されており、同署・同支所で注意を呼びかけている。

■<新型コロナ>家庭用除菌液の配布 18日で終了

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、市が実施する家庭用除菌液(次亜塩素酸水)配布事業が18日、終了する。家庭用除菌液は4月21日から、いわき市内の35公民館で配布され、7日現在3万5633件の利用があった。

市では今後も引き続き、消毒に関する相談受け付け、身近な消毒方法の広報を行う。家庭・職場の消毒相談ダイヤルは、市保健所環境衛生係=電話(27)8591=まで。