2020年6月4日(木)

■四倉小6年 道の駅よつくら港に陶板タイル設置 「亀のまち」らしいデザインも

四倉小(児童数301人、波立真一校長)の6年生43人は4日午前、陶芸家の秤屋苑子さん(四倉町)に教わりながら作った磁器の陶板タイルを、四倉町五丁目の「道の駅よつくら港」の敷地内に設置されたコンクリート製のベンチに張り付ける作業を行った。

子どもたちの郷土愛を育もうと、秤屋さんが参加する「アートでつなぐ子供たちの絆プロジェクト」推進協議会(会長=関口武司・医療創生大名誉教授)が平成12年ごろから続けている活動で、震災後は震災の風化を食い止め、子どもたちの心の復興に寄与したいと、地元企業の協賛を受けて精力的に行われている。

磁器タイルは、昨年12月に制作したもの。「一期一会」「勇気」などの言葉とともに、浦島太郎伝説が残る<亀のまち>四倉らしく、亀の絵や海が描かれた作品が多く、作業に参加した鈴木花菜さん(11)は「自分が大人になってもずっと残るのがうれしい。きれいに張れて楽しかった」と笑顔を浮かべた。

写真は、完成した磁器の陶板タイルをベンチに張り付ける児童=4日(クリックで拡大)

■水石山事件の初公判 殺害至った全容明るみに

母子4人の尊い命を奪った男は逮捕時、長かった髪を丸刈りにし、赤井襟元の紺色のジャージ姿で、声一つない静まり返った地裁いわき支部1号法廷に現れた――。今年1月、いわき市三和町合戸の水石山公園駐車場で普通乗用車内から母子4人の遺体が見つかった事件。承諾殺人と嘱託殺人の罪に問われた、母親の交際相手の男(51)=同市小名浜愛宕町=の初公判が3日、同支部で行われ、緑川被告は起訴内容を認めた。

新型コロナウイルスの影響で、当初予定していた4月22日から42日遅れで行われた初公判。感染症防止対策として、一般傍聴席は10席と限られるなど厳粛体勢で実施する中、検察側は、緑川被告の中学生の男女3人を含む母子4人の命を奪った動機や経緯を明らかにした。

男は平成11年ごろ、自営で住宅リフォーム業を始めた。その2年後、母親が同社で働き始めたころから、交際が始まった。同28年ごろから、2人は金の工面に疲弊。経済的に苦しい生活を送りながら、母親の子ども3人と暮らし始めるも、経営はうまくいかず、多い時で100万円単位で知人や家族から金の工面をしていたという。

自己破産も考えたが、債権者らへの迷惑を考え、踏みきれなかった。その後も返済が追い付かず、犯行の1年前から、母親は男に経済的困窮を理由に「自殺したい」などと訴え始め、緑川被告も同意した。

犯行前夜、母親からの申し出により、心中をすることを確認。一夜明け、男は母親の子ども3人に心中の意志を聞いた。いずれも同意し、市内の別の公園にある遊具で遊び、最後の楽しい時間を過ごしたあと、犯行現場となった公園に移動した。

写真は、男の初公判が行われた地裁いわき支部1号法廷。感染症防止対策として、記者席を除く一般傍聴席は「3密」を避け、席数が制限された(代表撮影)=3日(クリックで拡大)

■市議会6月定例会が開会 新型コロナ踏まえ「アロハ」は自粛

市議会の6月定例会が4日開会した。新型コロナウイルス感染拡大の状況下を踏まえ、市制施行50周年の平成27年以降、6月定例会の恒例の取り組みとしていた市議と清水市長らがアロハ姿で議場に臨む「アロハ議会」を自粛。5月臨時会と同様、マスク着用を徹底し、「3密」を避けるため、通常2人掛けの議員席を1人掛けにし、予備席を設けて行われた。

全議員36人(欠員1)が出席。期間は18日までの15日と決定し、条例の制定、改正案、補正予算案など26議案などが提出された。議案のうち、条例改正については、新型コロナウイルス感染拡大により、税負担能力を著しく落とした納税義務者の国民健康保険税を減免する条例制定などを求める。

補正予算案は一般会計で21億2129万2千円を計上。主な内訳として、市内の小学校63校、中学校38校を対象に、1人1台のタブレット型の学習用端末が利用できる高速大容量の通信ネットワークを整備するICT環境整備事業に12億3796万4千円、東日本台風の災害復旧事業は5億4607万5千円となる。特別会計は1億3070万8千円となる見込み。

写真は、提案要旨説明に立つ清水市長=4日(クリックで拡大)

■来年のサンシャインマラソン 開催判断は9月下旬ごろに

来年2月28日、小名浜港アクアマリンパークを拠点に行われる、日本陸連公認のフルマラソン大会「第12回いわきサンシャインマラソン」について、実行委員会は2日、一般受け付けを10月1日から開始すると発表した。併せて、大会ボランティアとサポートメンバーも同日から募集を開始する。

新型コロナウイルスの感染防止のため、第1回実行委員会は書面で決議。開催可否は9月下旬ごろ、感染状況などを踏まえて判断する。開催が決まり次第、新型コロナの影響で中止となった前回の11回大会のエントリー者を優先し、申し込みの受け付けを開始する。

前回大会に出場予定だったランナーについて、優先参加料を設定。2キロ親子の部は、11回大会に出場を希望していた現小学3年生とその保護者も特別参加できる。