2020年5月30日(土)

■きょう「震災伝承みらい館」供用開始 薄磯から記憶・教訓を後世に

東日本大震災の記憶や教訓を風化させず、後世に伝えていく市営施設「いわき震災伝承みらい館」が30日、供用を開始した。それに先立ち、薄磯三丁目の現地で落成式を開き、震災を次世代に伝承する施設の誕生を祝った。式では、清水市長、菅波健市議会議長、鈴木幸長薄磯区長、遠藤守俊豊間区長、箱崎靖夫沼ノ内区長がテープカットを行った。

供用開始初日、薄磯三丁目(旧平薄磯字中街)在住で、いわき語り部の会の大谷慶一会長が震災当時の体験談などを語った。明31日以降は土、日曜日の午前10時半と午後2時の2部制で、同会のメンバーら語り部が16人震災の教訓を伝承する。

1階部分には震災関連の資料などの展示フロアや学習室、2階部分には薄磯海岸を見下ろせる展望台を設ける。鈴木区長は「震災から10年がたち、自分たちも忘れかけたあの教訓を伝える施設になってほしい」と話した。

館内に展示された震災当時を伝えるパネルに見入る鈴木、遠藤、箱崎3区長(左から)=30日(クリックで拡大)

■県高野連 福島大会の代替 無観客で開催する方針

県高野連は29日、福島市で臨時理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となった第102回全国高校野球選手権福島大会に代わる県独自の大会を、無観客で開催する方針を固めた。

大会は早ければ7月18日に開幕。代替大会の開催にあたり、日本高野連作成の感染防止対策ガイドラインを参考にし、運営する。3年生の進路につながる記録が残るよう、トーナメントによる公式戦扱いの大会開催を目指す。

<昨夏第1シード・東日大昌平 やるからにはてっぺんを>

昨夏の第1シードの東日大昌平は悲願の甲子園出場の夢は幻と消えたが、先輩が果たせなかった夏の県制覇に向けて、気持ちを新たに再スタートを切った。

夏の甲子園中止が決まった20日から、部員112人が全体練習を始動した。だが、「甲子園」という目標を失ったチームに勢いはなかった。「目指した過程はなくならない」。伊藤博康監督の言葉に、小松大介主将(3年)は「やるからにはてっぺんを取りたい」と<昌平魂>が再燃した。

小松主将は代替大会で、昨秋の支部準決勝、県3位決定戦と大事な試合で2度対戦し、いずれも惜敗を喫した磐城との対戦を熱望。宿敵は自分たちを踏み台にして東北の舞台に立ち、21世紀枠でセンバツ切符を手にした。

磐城の主戦・沖政宗(同)は同じ平三中出身で、いわきリトルシニアでチームメート。新型コロナの影響で旧友は聖地に立つことはできなかったが、小松主将は「もう一度対戦し、今度こそ勝ちたい」と雪辱を誓う。

写真は、来る夏に向けて、打撃練習に励む東日大昌平の小松主将=29日夕方(クリックで拡大)

■東日本台風の検証委 中間取りまとめ作成

昨年10月に発生した台風19号(令和元年東日本台風)の被害を受け、12月に発足した「市台風19号における災害対応検証委員会」はこのほど、中間的な取りまとめを作成し、29日に市へ内容を報告した。

高齢者や要介護者といった情報弱者への情報伝達手段、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた避難所の開設・運営のあり方などを提言。河川が増水しやすい時期を前に、市に対して早急に取り組むべき項目を整理し対策を講じるべき、と求めた。

2月に実施した被災者アンケートを踏まえ、これまで3度検証の場を設け、@情報伝達A避難所開設・運営B避難行動――のあり方と、すでに実施している主な対策について、課題解決に向けた道筋を模索した。

検証委員会では今後も議論を進め、8月下旬に最終報告を行う。内容については市のホームページなどで公表する。

写真は、清水市長に中間取りまとめの資料を渡す福迫昌之委員長、金成克哉副委員長(左から)=29日(クリックで拡大)

■医療従事者に拍手を! いわきFCの3選手も参加

新型コロナウイルス感染症のリスクにさらされる厳しい状況の中、医療従事者をたたえる活動「クラップ・フォー・ケアラーズ」が29日、常磐湯本町の鶴のあし湯で行われ、いわき湯本温泉旅館の女将(おかみ)や市職員、いわきFCの選手など約50人が約1分間拍手を送った。

主催したのは、「フラのまち宣言」推進委員会(若松佐代子委員長)。いわきFCからは片山紳選手、田中龍志郎選手、岩渕弘人選手が参加した。

写真は、医療関係者を称え拍手を送る参加者=29日(クリックで拡大)