2020年5月25日(月)

■21世紀の森公園に県内最大規模の「スケボー広場」 多くの愛好家が初日から集う

市が常磐水野谷町の21世紀の森公園内コミュニティ広場ゾーン内に整備を進めてきた、専用の公営施設としては市内初、県内最大規模のスケートボード広場が完成し、24日に供用を開始した。同競技は東京2020五輪の正式種目に採用され、市内でも若者を中心に爆発的に競技人口が増加しているという。同日は天候にも恵まれ、多くのスケートボーダーたちが初心者から上級者まで楽しめる数々のセクション(設備)を満喫した。

市によると、東京五輪正式種目への決定、市内外の愛好家からの熱い要望を背景に、スポーツレクリエーション環境の充実と、市が目指す健康長寿の実現に向けた市民の運動機会の増加を図る場として、東日本大震災遺児等支援事業基金を充て、約8千万円で整備した。

施設面積は約2千平方メートル。初心者でも楽しめる平坦なエリアをはじめ、走路が波を打った形状の「ウェーブ」や波に見立てた湾曲した壁「オーバーハンググリップ」、町の中にある階段、スロープ、手すりを模した「ステージ」など中級、上級者向けを含む9種・15基のセクションが設けられた。

完成披露式のあと、県内外で活躍する子どものスケートボーダー5人が試走し、プロを目指す真船新巌君(11)=平=は「こんな近くに本格的なパークができてめちゃくちゃうれしい」と興奮気味だった。

写真は、関係者が見守る中、試走で技を繰り出す真船君=24日(クリックで拡大)

■遠野和紙の高級名刺が完成 一般販売も視野に

遠野地区の地域おこし協力隊として遠野和紙の技術伝承に力を注いでいる平山祐(37)、綾子(33)さん夫妻とギャラハー・シルビア・エティさん(26)はこのほど、遠野和紙を使った名刺を完成させた。これまで市遠野支所の一部職員が同和紙を使った試作の名刺を使っていたが、来年4月以降の一般販売を視野にノウハウを蓄積。一定のめどがたったため、市職員向けに先行販売した。

平山夫妻とシルビアさんは地域のボランティア協力を得、遠野和紙の原料となる楮(こうぞ)とトロロアオイの栽培、収穫から生産までを一貫して取り組んでおり、市内各地での和紙漉(す)き体験や遠野高をはじめ地域の教育施設の卒業証書に役立てている。

新たに商品化した名刺は、遠野和紙の普及と市場の新規開拓を狙ったもので、先行的に清水市長と新妻英正、久保克昌両副市長をはじめ11人分準備した。百枚5千円で先行販売したが、手漉き和紙の名刺の市場価格は高いものでは百枚で1万円を超えるものも。

印刷をせず名刺の四方を直線にカットしない「耳付き」と呼ばれる名刺は1万円近くするといい、原材料を輸入に頼らず地元産にこだわり、さらに3人が分担し手差しで印刷する名刺は格安といえる。ただ、それは地域ボランティアの協力あってのもので、将来的に人件費を払うとなると独立した事業としては採算ベースに乗せるのは難しいという。

清水市長は完成した名刺に喜びながら、「市で使用する賞状や感謝状に積極的に使ってはどうか」などと、同協力隊の起業・独立に向けての支援を検討したいと話した。

写真は、完成した名刺を持つ清水市長と平山夫妻、シルビアさん(左から=クリックで拡大)

■ファン待望 考古資料館で企画展 小川の遺跡など報告

緊急事態宣言と休業自粛要請の解除を受け、常磐藤原町の市考古資料館(高島好一館長)は21日から施設を再開し、1階企画展示室で本年度1回目の企画展「令和元年度発掘調査速報展」をスタートさせた。

市教育文化事業団共催、入場料無料で会期は7月12日まで。企画展では、石森山丘陵南西の台地に立地する「梅ノ作瓦窯(かま)跡群」(小川町下小川)などの最新の発掘状況を公開した。

梅ノ作瓦窯跡群の発掘は昨年12月10日から今年1月27日にかけて行われ、窯から出る灰や炭を捨てた場所「灰原」の2カ所を調査したところ、大量の須恵器を出土。出土物から遺跡の年代は7世紀末ごろより8世紀前半と推察され、窯本体が南東方向に存在する可能性がある、と分かった。

本市の古代を分析する上で重要な遺跡で、平成17年7月に国の史跡に指定された「根岸官衙遺跡群」と合わせての国史跡指定を推す声も上がっているという。

写真は、再開とともに始まった企画展「令和元年度発掘調査速報展」(クリックで拡大)

■きょう昼前 常磐道四倉―中央IC間で事故通行止め

25日午前11時25分ごろ、常磐自動車道下り車線のいわき中央インターチェンジ(IC)―いわき四倉IC間で交通事故が発生し、約55分間通行止めとなった。県警高速道路交通隊によると、軽自動車と10トントラックの衝突事故で、けが人はいないもよう。