2020年5月16日(土)

■いわき市 公立小・中は6月1日から一斉登校へ 市内52公共施設は21日から再開

清水市長は15日、臨時記者会見を開き、市内で新型コロナウイルス感染拡大が抑えられているのを前提に、臨時休校が続く市立小、中学校について、21〜31日は分散登校などを行い、6月1日以降、一斉登校に移行すると発表した。同日から、段階的に部活動なども再開するほか、幼稚園、保育所、放課後児童クラブも通常通りの開園となる。

市内では4月19日以降、感染経路が明らかな3例以外の新たな感染は確認されていない状況を踏まえ、小、中学校の再開に踏み切る。今後も校内の消毒、マスク着用、検温などを含め、「3密」を避ける学校運営を図りながら、感染防止対策の徹底を図っていく。

分散登校などの対応は学校の規模に応じ、学校長の判断に委ねる。学習の遅れを取り戻すため、夏休みは7日、冬休みは2日程度を授業日に充てるほか、土曜日は5日程度、授業を行って補う。

市は利用を休止していた市内の公共施設についても、大型連休以降、新たな感染者が発生していないことなどを踏まえ、21日以降、段階的に再開することを明らかにした。

表は、市の公共施設の再開時期一覧(クリックで拡大)

■県の休業要請解除 市内店舗も新たな一歩

内堀知事は15日、政府の決定を踏まえ、改正新型インフルエンザ等特別措置法(新型コロナウイルス特措法)に基づき、県内の遊興施設や劇場など9分野に対する休業要請について、学校など除く8分野で解除した。県としては、学校は24日に休校要請を解き、25日から分散登校や、短縮授業を実施する。6月1日から基本的に通常通りの教育活動とする。

県の休業要請解除から一夜明けた16日、市内の解除対象施設では段階的に通常業務を再開し、週末の楽しいひとときを過ごす市民の笑顔であふれた。本県の緊急事態宣言が解除されたが、各施設や店舗では「3密」を避ける安全管理を徹底。感染防止に注意を払いながら、休業前のにぎわいを戻そうと、大きな一歩を踏み出した。

一部店舗のみで営業を続けていたJRいわき駅前のラトブでは、同日午前10時から営業を再開。この日を待ちわびた多くの家族連れでにぎわった。

ビルを管理するラトブコーポレーションによると、県の要請に従い4月22日以降、営業は1階の食料品売り場などの一部店舗に限定。売り場前のフリースペースを解放し、テイクアウト販売のみにとどめていた。

写真は、営業を再開したラトブで買い物を楽しむ家族連れ=16日(クリックで拡大)

■アクアマリン「生きものでストレスの癒やしを」 18日に営業再開へ

ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は、緊急事態宣言と県の休業要請解除を受け、18日午前9時に営業を再開することを決めた。開館時間に変更はないが、館内で体験プログラムの運営などを行う「アクアマリンふくしまボランティアの会」の活動休止を継続するため、釣り体験などの体験プログラムは当面休止のまま。

ユーラシアカワウソ、北の海の海獣・海鳥コーナーの給餌解説も当面の間休止とする。また、感染防止対策として新たに、サーモグラフィーによる入館前検温や入館者のマスク着用を促す、混雑時の入館制限、館内の換気強化、定期的に館内の手すり、ドアノブなどをアルコール消毒するといった取り組みを始める。

写真は、再開に向け、パソコンで掲示作製の準備を進める職員=16日(クリックで拡大)

■<東日本台風>平窪の現地対策事務所 25日から業務縮小

市は15日、昨年10月の東日本台風で被災した市民の早期復旧と生活再建を支援するため、平窪公民館敷地内に設置していた現地対策事務所を25日から業務縮小すると発表した。

今回終了する主な業務内容は、土のう袋や軍手などの各種支援物資の配布と、電動アシスト自転車や高圧洗浄機、床下乾燥用送風機の貸し出し。市民からの相談に対する関係部署との連絡については業務を継続する。