■<新型コロナ>不織布マスク66万2千枚寄贈 東洋システムなど5社 医療従事者らに

東洋システム(庄司秀樹代表取締役)、常磐共同ガス(猪狩謙二代表取締役社長)、ひまわり信用金庫(台正昭理事長)、ぐるっと(金成直樹代表取締役)、レック(金子義典代表取締役)の5社は7日午後、県、いわき市医師会など6団体に、新型コロナウイルスの感染防御に効果が見込まれる不織布マスク66万2000枚を寄贈すると発表した。マスクは来週後半にも市内の医療機関などに郵送する予定だ。

発起人の庄司社長によると、東洋システムでは新型コロナウイルスの感染拡大に伴いマスク不足で困窮する市民の声を受け、今年2月ごろからマスクの入手を模索した。

国内のマスク不足が顕著なことから、海外のメーカーに販売を依頼していたが入手できなかったため、4月8日に国内のマスクメーカー数社に依頼したところ、本市の南台に新聞紙や段ボール原紙を生産するいわき大王製紙と紙おむつなどの吸収体製品を生産するエリエールプロダクト福島工場を持つ大王製紙(本社・東京都千代田区)から、「ぜひ協力させてほしい。2工場で約500人のグループ社員と家族が世話になっている」との色よい返事が来たという。

その後、複数社のマスクメーカーの協力を得ることに成功、趣旨に賛同した常磐共同ガス、ひまわり信用金庫、ぐるっと、レック各社の協賛を得て寄贈の運びとなった。寄贈するマスクは、0・1〜0・5マイクロメートルのウイルスをほぼ通さないVFE規格で、新型コロナウイルス感染予防に有効とされている。

マスクは「医療従事者をはじめ最前線で戦っている方を支援したい」という願いから、県庁に20万枚、市医師会に30万枚、市内の妊婦向けに3万枚、市歯科医師会に6万枚、いわき中央、いわき東、いわき南各警察署に3万6000枚、市消防本部に3万6000枚寄贈する。東洋システムをはじめ寄贈各社の合同記者会見が7日、常磐西郷町の同社本社で開かれた。

写真は、金成社長、猪狩社長、庄司社長、台理事長、金子社長(左より)=7日午後(クリックで拡大)

■市議会5月臨時会始まる 感染症対策の経費など計上

市議会は8日午前、5月臨時会を開会した。新型コロナウイルスの感染症対策に要する経費とする340億8660万3000円の一般会計補正予算を含む7議案を審議した。

清水市長が冒頭、提案要旨を説明。国、県の対応に呼応しながら、市議会からの要望を受け止めたいとし、「この難局を乗り越えるため、市民の皆さまの命と健康を守ることを第一に引き続き、感染等防止の対策と経済・雇用対策をしっかりと講じていきたい」と述べた。

市議36人(欠員1)のうち、出席したのは34人。市議会事務局によると、伊藤浩之議員(共産党・市民共同)は体調不良、吉田実貴人議員(無所属の会)は離任地届を提出しているため、それぞれ欠席した。

感染症防止対策として、「3密」を避けるため、通常2人掛けの議員席を1人掛けとし、予備席を用意して対応した。

<特別定額給付金 オンラインは5月中旬にも支給>

一般会計補正予算340億8660万3000円は、主に国の交付金などを活用しており、市の現時点での負担分は12億6073万6000円。

対象者1人当たり10万円が支給される「特別定額給付金」、児童手当を受給する世帯に児童1人当たり1万円を上乗せする「子育て世帯への臨時特別給付金」の支給に充てる生活支援策として、325億6017万7000円を計上。市によると、特別定額給付金はオンラインでの申込者は今月中旬、郵送での申込者には同月末までに支給を目指す考え。

このほか、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、4億5281万5000円を充てる。今後の感染症拡大に備え、マスクや消毒液、体温計など衛生用品の備蓄や、PCR検査や疫学的調査費などを増額。小、中学校をはじめ、保育所や幼稚園などの教育施設への衛生用品の整備を徹底する。

市独自に設けた家賃補助に加え、テレワークを導入する事業者などに対し、緊急経済対策として、10億2367万円を計上。経済活動の回復に向けた対策として、1214万2000円を充て、IWAKIターン情報発信事業費として、「いわき市就職応援サイト」の改修を行うほか、感染終息を見据え、いわき魅力再発見WEBプロモーション事業に補助する。

その他、新型コロナウイルスの影響で中止となり、いわき芸術文化交流館「アリオス」の施設利用を予定していた利用者への使用料返還や、学校臨時休業対策事業費が3779万9000円となる。

写真は、「3密」を避け、5月臨時会に臨む市議ら=8日(クリックで拡大)

■市議の6月期末手当20%減額に 新型コロナ対応

市議会は新型コロナウイルスの感染症対策として、6月に支給される期末手当を全議員一律、前年から20%減とする議会案を5月臨時会に提出した。議長は112万5600円(28万1400円減)、副議長が106万1280円(26万5320円減)、議員は101万3040円(25万3260円減)。減額による効果額は915万7560円となる。

■<新型コロナ>APIに勤務の男性2人が退院

市は7日までに、新型コロナウイルスで陽性と診断され、県内の感染症指定医療機関に入院していた60歳代と40歳代の男性2人が退院したと発表した。同日現在、市内の感染確認者15人のうち、退院が確認されたのは今回の2人を含め5人。

市によると、2人はクラスター(感染集団)が発生したいわき市常磐三沢町の「エーピーアイ コーポレーションいわき工場」(本社・東京都)に勤務。60歳代の男性は市内3例目で4月14日に陽性が判明、40歳代の男性は同8例目の感染者で3日後の17日に陽性が確認され、入院当初は酸素吸入を受けていた。