2020年5月2日(土)

■福島第一原発 排気筒の切断完了 倒壊リスクから半分に

東京電力は1日、福島第一原発1、2号機の共用排気筒について、倒壊のリスクを下げるため、高さを半分にする切断工事が完了したと明らかにした。排気筒の高さは120メートルで、平成25年に支柱が破断しているのが分かった。東日本大震災の揺れが原因とみられる。

また排気筒は原発事故当時、原子炉格納容器の圧力を下げるベント(排気)に使われ、内部は汚染されているため、昨年8月から切断工事は遠隔で行われたが、装置に不具合が生じたため、一部で人力による作業にも着手した。

最終日の1日には、雨水の流入を防ぐふたが設置された。解体工事は、広野町の建設会社「エイブル」が請け負った。

写真は、最後の工程として、雨水が入るのを防ぐふたの設置を見守る作業員=1日(東京電力提供=クリックで拡大)

■<新型コロナ>重症の感染者 市内には無し

市によると、1日現在、いわき市で確認された新型コロナウイルスの感染者13人のうち、入院中(予定含む)の11人はいずれも症状は軽く、これまで呼吸器に著しい問題が生じるなどの重症者はいない。県は、県内の感染者に重症者が1人いると明らかにしていたが、年齢・性別などを公表していなかった。

いわき市では感染者13人のうち、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した70歳代男性(市内1例目)が4月1日、泉町黒須野・日本ダイヤモンドいわき工場に勤務する40歳代男性(同2例目)が同18日、それぞれ退院している。

■「発熱外来」設置から4日間 19人が利用する

市は1日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月28日から市休日夜間急病診療所(内郷高坂町)に設置した「発熱外来」について、1日までに計19人が利用したと明らかにした。一日当たりの問い合わせは10件程度という。

発熱外来では、感染リスクが低い人を対象としつつ、発症が疑わしい人を医療機関外で診察することで、院内感染の可能性を排除し、いわき市の医療体制を維持する狙いもある。日ごとの利用者は、4月28日が4人、29日が3人、30日が8人、5月1日が4人だった。

診療時間は月曜から土曜が午後2〜4時、日曜・祝日は午前9〜11時、午後1〜3時。予約制で、1時間当たり4人を受け付ける。なおPCR検査は行わないが、必要に応じ、帰国者・接触者外来につなぐ。

予約は、県が設けた帰国者・接触者相談センター=フリーダイヤル(0120)567747=まで。いわき市の発熱外来は当面の間、開設していく方針。

■緊急事態宣言「1カ月程度」延長の方針 4日に正式決定

安倍首相は1日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言について、全国を対象として1カ月程度延長する方針を表明した。4日に正式決定し、記者会見で国民に協力を呼びかける考えも示した。首相官邸で記者団に語った。

首相は1日、専門家会議の結果について西村康稔経済再生相らから報告を受けた。その後、記者団に「現在の緊急事態宣言の枠組みをおおむね1カ月程度延長することを軸」として、西村氏に対策の調整を指示したことを明らかにした。

また、「最終的には各地域の感染状況、最新のデータを専門家に十分に検討してもらったうえで、意見を聞き、5月4日に決定したい」と語った。専門家による「基本的対処方針等諮問委員会」を経て、政府対策本部で延長を決める。政府は延長期間について、5月末までの25日間とする案などを検討している。(読売新聞社配信)

写真は、緊急事態宣言の期間を1カ月程度延長する方針を表明する安倍首相=1日午後、首相官邸(読売・源幸正倫撮影=クリックで拡大)