2020年5月1日(金)

<新型コロナ>いわき市で13日ぶりに感染者確認 API勤務の同居家族

市は1日、いわき市で新たに、新型コロナウイルスの感染者1人が確認されたと明らかにした。飯尾仁市保健福祉部長が同日夕方、市役所での臨時記者会見で発表した。いわき市としては、13例目の感染者となる。症状は軽いという。2日以降、県内の感染症指定医療機関に入院する方針。いわき市では4月18日以来、13日ぶりの感染確認となる。

市によると、感染者は市内の30歳代のアルバイト男性(Aさん=仮名)。Aさんの父親で、同居する60歳代男性はクラスター(感染集団)が生じた「エーピーアイ コーポレーション」(API=常磐三沢町)に勤務しており、4月14日に陽性と分かっている。API関連の感染者は10人となった。

Aさんは父親が新型コロナウイルスとなったものの、4月16日にPCR検査の結果で、陰性と判断された。その後は健康観察中だったが、28日夜に頭痛・咽頭痛を覚え(体温37・0度)、29日夜には関節痛も併発した(体温38・8度)。30日に帰国者・接触者外来を受診(体温37・4度)し、5月1日に陽性と判明した。

4月14日以降、Aさんは外出していない。残る同居する母親と成人のきょうだい1人は、現時点で症状は出ていないが、濃厚接触者とみられ、改めてPCR検査を予定している。(記事を分かりやすくするため、今回の感染者をアルファベットによる仮名にしています。ご理解ください)

写真は、新たな感染者について発表する飯尾部長(左)。右は市保健所の新家利一所長=1日午後6時24分(クリックで拡大)

■待望のウニ・アワビ漁解禁 恒例の貝焼きづくりも

いわき市では1日、今季のウニ・アワビ漁が解禁され、初日から市漁業協同組合(市漁協)が水揚げをした。東電福島第一原発事故に伴い、福島県沖では依然として試験操業が続いているが、2月には出荷制限対象魚種がゼロとなったほか、県漁業協同組合連合会(県漁連)では本年度、本格操業に関する話し合いに着手する意向を持っており、漁業を取り巻く環境が一歩ずつ前進している中で、今年も夏の便りが届いた。

小名浜下神白の市漁協の加工蓄養施設では、いわきを代表する夏の味覚、名産品の「ウニの貝焼き」づくりが朝から始まった。作業を行ったのは下神白採鮑(さいほう)組合の組合員の家族で、地元の海岸で採ったばかりの新鮮なキタムラサキウニ約40キロの殻を裂き、スプーンで身を取り出してピンセットで汚れを丁寧に取り除いていった。

そのあと慎重に相馬市磯部産のホッキガイの殻に身を重ね、小石を並べた鍋に入れて蒸し焼きに。身がたっぷりと詰まった貝焼きは午後にも、沼之内市場で入札にかけられた。

市漁協によると、震災前は9万個ほど流通していたが、昨年はおよそ2300個。激減により希少価値から価格が4、500円ほど高まっており、昨季は平均で1個3000円前後の値が付いたという。

今季は3000個を目標に、8月初旬まで漁を重ねていくといい、県鮑雲丹増殖協議会長の鈴木一好さん(68)は無事にシーズンを迎えたことを喜びながら、「昨年の台風の影響もあったが、身は締まっていて昨年並みに味も濃くおいしい」と太鼓判を押していた。

写真は、新鮮なキタムラサキウニの身を重ね、名産品の貝焼きを作る組合員の家族=1日(クリックで拡大)

■速度超過は許しません! けさ久之浜に「可搬式オービス」

いわき中央署(柴田泰弘署長)は1日早朝、県警交通機動隊の応援を得て、いわき市久之浜町の県道四倉・久之浜線(旧国道6号)で、持ち運び式の「可搬式速度違反自動取締装置(可搬式オービス)」による速度違反取り締まりを展開した。

可搬式オービスは、大人1人でも抱えられる大きさの箱型で、重さは約15キロ。三脚を使って立てられ、レーザーで速度違反を感知した場合、内蔵のカメラで運転手と車両を撮影し、その写真を基に後日呼び出す仕組みとなっている。

同署管内では4月に入ってから、3件の重傷事故が起きており、同署では大変厳しい現状と指摘する。そうした中で、久之浜町の住民から、双葉郡に向かう復興関係車両が、速度を超過しているとの声が寄せられ、地域の安全・安心を確保するために実施した。

従来のオービスは幹線道路や高速道路に設置されたが、可搬式の導入によって、場所を選ばず取り締まりに当たれるため、今回のようなケースに適用されている。久之浜町では通勤時間帯に合わせ、午前5時半から、約2時間にわたって取り締まりを行った。県警では今後も移動式オービスを活用し、県内全域の生活道路などで、速度違反に目を光らせていく。

写真は、可搬式オービスによる取り締まり=1日(クリックで拡大)

ウルイに似た毒草で食中毒

市は4月30日、市内の59歳女性が、オオバギボウシ(ウルイ)と思い、類似した毒草のバイケイソウを食べ、嘔吐(おうと)などに見舞われたとされると明らかにした。女性は入院したが、現在は退院している。

市保健所によると、女性は同25日、知人からオオバギボウシ(ウルイ)と言われ、野草を譲り受け、自宅で調理したという。市保健所では、食用と確実に判断できない野草は、絶対に譲渡したり、食べたりしないよう呼びかけている。