2020年4月28日(火)

■県内の学校休校 5月7日以降も当面の間継続へ

県教委は28日、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言に基づき、県内の小・中学校や高校などに要請している臨時休校について、5月6日までの期間を、翌7日以降も当面の間、継続する方針を示した。県の対策本部員会議が28日夕方、福島市の県庁・危機管理センターで開かれ、鈴木淳一教育長が明らかにした。

臨時休校の延長は、再開に向けての学校の準備や、児童・生徒、保護者への連絡が間に合わないと判断したためだ。再開は、内堀知事が解除判断をした後から1週間以内とする。

■<新型コロナ>市独自の緊急経済対策 事業者の家賃2分の1・6カ月分など

市は28日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、影響を受けている市内事業者に向け、独自に複数の緊急経済対策を実施する方針を示した。このうち店舗等を賃借している事業者には、売り上げが前年同月比5割以上減の場合、家賃の2分の1の6カ月相当分(1店舗等当たり上限額は30万円)を補助する。清水市長が28日、市役所での定例記者会見で明らかにした。

緊急経済対策としては、家賃補助のほか、清水市長からテナント物件等の所有者に、賃料の支払い猶予・減免を要請する。税分野では、売り上げが減少している事業所に対し、固定資産税などの市税徴収猶予や、来年度の固定資産税・都市計画税の減免を予定する。

継続的な取り組みとしては、県による対策資金で融資を受けた際には、信用保証料と、3年分の利子を補助する(上限額は保証料50万円、利子100万円)。また旅館などの温泉使用料の3分の2の減免も続ける。

企業が従業員に支払う休業手当の一部を国が補助する「雇用調整助成金」の申請が殺到している点を踏まえ、いわき商工会議所の無料相談会も支援し、社会保険労務士の増員費用も負担する。

しばらくの売り上げ確保に当たっては、テイクアウトやデリバリーを活用する機運を醸成するため、タクシーを使っての配送の仕組みにかかる経費の一部の補助を検討。いわき商工会議所が、テイクアウトなどを紹介する「いわき支えあいキャンペーン」とも連携し、市職員も率先して商品購入をする。

公共事業の早期発注や、物品の早期購入、補助金の支払い前倒しも計画している。向きな事業者を応援する狙いとして、国の補助金の上乗せも進め、テレワーク導入支援(補助率/国が3分の2、市が6分の1。上限50万円)、持続化補助金による業態転換等(補助率/同。上限25万円)を設定した。

清水市長によると、予算規模は10億円の見通し。5月の大型連休明けに市議会臨時会を開催し、補正予算案を上程する。市議会で可決され次第、申請の受け付けをスタートする。早ければ6月上旬にも、家賃補助などが交付されるという。

写真は、緊急経済対策について発表する清水市長=28日(クリックで拡大)

■<新型コロナ>一律10万円 いわき市は5月中にも支給

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が国民に一律10万円を支給する「特別定額給付金」について、いわき市では5月中にも受け取りが始まる見通しとなった。清水市長が28日、定例記者会見で明らかにした。清水市長によると、市の内部に、支給に向けたプロジェクトチームを立ち上げており、「スピード感を持って取り組んでいく」と語った。

福島県では相馬市が27日、県内で最も早く申請書を送付し、5月7日にも最初の支給が受けられる見込みだが、清水市長は「(相馬市の人口は3万7千人余りの一方)いわき市の場合は30万人都市という点もある。支給に当たっては、間違いが無いように進める必要がある」と述べ、改めて早期の支給を強調した。

■常磐興産 新社長に西沢氏 井上氏は代表権のある会長へ

温泉レジャー施設・スパリゾートハワイアンズを運営する「常磐興産」(本社・いわき市常磐藤原町)は27日、取締役会を実施し、代表取締役社長の井上直美氏(69)が代表権のある会長に退き、新たな代表取締役社長に、取締役副社長の西沢順一氏(63)が就任する人事を内定した。6月26日の定時株主総会、取締役会で正式に決定する。社長交代を通じ、業績向上と企業価値の増大を図るとしている。

西沢氏は東京都出身。東京大法学部卒。昭和55年、富士銀行(現・みずほ銀行)に入行。みずほフィナンシャルグループ取締役副社長人事グループ長、みずほ情報総研取締役社長などを経て、昨年5月に常磐興産顧問。翌6月から現職。

井上氏は東京都出身。東京大経済学部卒。昭和49年、富士銀行に入行。みずほ銀行常務取締役、みずほ情報総研取締役社長などを歴任。平成25年4月に常磐興産顧問。同6月から現職。

東日本大震災・東電福島第一原発事故によって、観光需要が落ち込んだ中で、スパリゾートハワイアンズの経営改革を進め、高低差・長さ日本一のボディスライダー「ビッグアロハ」のオープンや、新ホテル「カピリナタワー」の開業準備に当たった。いわき観光まちづくりビューロー会長や、サモアの名誉領事にも就いている。

<新型コロナで業績予想は下方修正>

常磐興産は27日、令和2年3月期の連結業績予想について下方修正し、前回予想(2月)の純利益4億2000万円から、1億2000万円の赤字に転落した。

赤字転落の要因としては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ハワイアンズの臨時休業や、宿泊施設の予約キャンセルが響いた。新たな予想では、売上高は259億9000万円(前回比4・4%減)、経常利益は1000万円(同96・8%減)。

写真は、西沢氏(右)と井上氏(クリックで拡大)

■県の協力金・最大30万円 正式決定 時間短縮の飲食店も対象に

県は27日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、休業要請に応じた事業者に向け、10〜30万円の協力金を支給すると正式に発表した。休業要請が出されていない分野のうち、飲食店(居酒屋含む)や旅館なども対象と決めた。

内堀知事が27日、福島市・県庁での定例記者会見で明らかにした。協力金では一律10万円に加え、県内に賃貸の事業所が1カ所ある場合にはもう10万円、複数の場合にはもう20万円を追加する。飲食店はテイクアウトを行っていても、営業短縮を実施していれば受けられる。

その他にも適用に当たっての要件あり。問い合わせは、県緊急事態措置コールセンター=電話024(521)8643=まで。時間は午前9時〜午後6時。