2020年4月23日(木)

■<新型コロナ>平の「七夕」戦後初の中止に いわきおどりも取りやめ

いわき市平の夏を彩る風物詩として、毎年8月6〜8日に行われる「いわき七夕まつり」と、同8日の「いわきおどり」が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今年は中止にすることが決まった。それぞれの実行委員会が22日に明らかにした。いわき七夕まつりが中止となるのは、前身の平七夕まつりが戦後に復活した後では初。いわきおどりは平成30(2018)年に荒天で取りやめて以来。

いわき七夕まつりは昭和5(1930)年、七十七銀行平支店が、店頭に七夕飾りを設けたことなどをきっかけに、同10年から平の街に広がったとされる。背景には本町通りの舗装化によって、同9年に盆送りの行事・松焚(た)きが中止となり、新たな行事を模索した結果という。

昭和13年を最後に、戦時色が強まったため行われなかったが、戦後の同23年に再開。同34年から、現在の8月6日始まりに固定された。令和の改元を機に、昨年からいわき七夕まつりに名称を変更し、平中心市街地を会場に多くの笹(ささ)飾りと露店が軒を連ねる。

いわきおどりは、旧14市町村の垣根を越え、市全体の新たな観光行事として企画。昭和56年、市制施行15周年を記念して制定された。お囃子(はやし)の「どんわっせ」は、いわき七浜に打ち寄せる雄大な太平洋の波と、いわきを訪れる無数の人の波に加え、「和」と「盛」や「勢」を意味する。

新型コロナウイルスの影響は、いわき市の夏祭りにも広がっており、9月5日に予定していた「いわき花火大会」も開催を断念している。

写真は、いわき七夕まつりの昨年の様子(クリックで拡大)

■医療従事者の不安解消を ゆったり館 滞在先に開放

市は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療現場に立つ関係者に向け、常磐湯本町の市健康・福祉プラザ「いわきゆったり館」の宿泊施設を無料で開放している。帰国者・接触者外来など、市内で新型コロナウイルスに関する業務に携わる医療従事者が、「万が一にも家族に感染させるのでは」との不安を抱いている点を踏まえ、市では支援を決めた。

いわきゆったり館は現在、新型コロナウイルスの感染広がりから、一般の利用を中止している。無料開放している部屋は洋室8室で、1人1回最長2週間(13泊14日)まで滞在できる。期間を延長する際は、空き状況を確認して再度申し込めばよい。

希望者は電話で予約した後、所属する病院を通じてファクスで申し込む。連絡先は、市健康・福祉プラザ「いわきゆったり館」=電話(43)0810=まで。

写真は、入り口に貼られた休館と医療従事者向けの案内=23日(クリックで拡大)

■市内12例目 API勤務男性の家族は全員陰性

市は22日夕方、20日に新型コロナウイルスの感染が分かった、市内の30歳代男性について、同居している家族3人はPCR検査の結果、いずれも陰性だったと明らかにした。

この男性は市内12例目の感染者で、感染集団(クラスター)が生じた医薬品等を扱う「エーピーアイ コーポレーション(API)」のいわき工場(常磐三沢町)に勤務している。

■来庁者に感染防止のメッセージ 市役所

平字梅本の市役所本庁舎入り口には、市として、新型コロナウイルスの感染防止を訴えるメッセージが貼られている。来庁する市民らに、意識を高めてもらうためだ。

「続けよう! 手洗い 咳(せき)エチケット」「避けよう!密閉・密集・密接」といったボードが並んでおり、市民一人ひとりの行動によって、新型コロナウイルスの終息につなげてもらう狙いがある。

写真は、市役所本庁舎に貼られているメッセージ(クリックで拡大)