2020年4月21日(火)

■<新型コロナ>県内もきょうから休業要請 9分野の業種 協力金は最大30万円の方針

県は21日から、新型コロナウイルスの感染防止に向け、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型コロナウイルス特措法)に基づき、県内の遊興施設や劇場など9分野に、5月6日までの間の休業を要請した。県新型コロナウイルス感染症対策本部員会議が20日夕方、福島市の県庁で開かれ、内堀知事が考えを明らかにした。休業要請に応じた場合、最大30万円の(仮称)協力金を支給する方針も示した。なお医療施設やスーパーマーケットなど、社会生活を維持する施設は除外される。

休業を要請するのは、▽遊興施設▽劇場等▽集会・展示施設▽運動・遊戯施設▽文教施設▽大学・学習塾等▽博物館等▽ホテル・旅館▽商業施設――の9分野。カラオケボックスやパチンコ店、劇場、ネットカフェ、ゲームセンターはじめ多岐にわたる。

飲食店(居酒屋含む)は除外されているが、営業時間は午前5時〜午後8時に限り、酒類の提供は午後7時までと要請している(宅配・テイクアウトを除く)。

(仮称)協力金に関しては、1事業所当たり10万円を基本とし、複数の事業所がある場合は20万円を加算する予定で、先行する神奈川県に近い方式となるという。詳細は今後詰めていく。

新たな措置に対し、内堀知事は「特に大型連休期間、近隣県から本県への不要不急の人の移動を最小化し、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図るためには、さらなる取り組みを実施する必要があると判断した」と理解を求めた。

いわき市でも該当する業種は21日から、多くで休業を決めているほか、営業時間の短縮が迫られた飲食店も対応に追われており、市民生活にも影響が広がっている。

休業要請する・しない施設の一覧は<こちら

写真は、平字正内町のパチンコ店「ビックつばめ平店」に設置された休業を伝える看板=21日(クリックで拡大)

■家庭用除菌液の配布始まる 市内34カ所公民館で

市は21日から、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、アルコール消毒液が不足している現状を踏まえ、市内の公民館(平窪、入遠野、大久を除く34カ所)で、家庭用除菌液(次亜塩素酸水)の配布を始めた。市では配布を通じ、感染の広がりを防ぐとともに、市民の安心感の確保に努めていくとしている。

家庭用除菌液は、濃度0・003%の食品添加用の次亜塩素酸ナトリウム溶液を、弱酸性に調整している。次亜塩素酸水はウイルスの不活化に効果を示しており、スプレーボトル等に入れ、あらかじめ水ぶきしたテーブル、ドアノブなどに吹き付け、ふき取ることで、除菌の効果があると考えられている。

配布は無料。希望者は各自洗ったペットボトル等を持参し、除菌液の入った蛇口付きのポリタンクから、それぞれ持ち帰ればよい。公民館には容器は置いていない。1人500ミリまで。使用期限はおおむね1週間。

市では混雑緩和のため、最寄りの公民館を利用するとともに、感染抑止の観点から、並ぶ際には1メートル以上の間隔を空けるほか、マスクの着用を求めている。設置は当面の間(ただし公民館の開所日に限る)。時間は午前10時〜午後4時。

また市では、家庭用消毒液の作り方をまとめたリーフレットも配っている。問い合わせは、市保健所生活衛生課=電話(27)8591=まで。

写真は、配布が始まった家庭用除菌液(次亜塩素酸水)=21日、内郷公民館(クリックで拡大)

■乗務員が買い物など代行 報徳タクシー 外出自粛応える

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、不要不急の外出自粛が求められる中、平字三倉の報徳タクシーが始めた「おつかいタクシー」が注目を集めている。おつかいタクシーでは、ドライバーが代わりに買い物などを行うサービスで、通常のタクシー運賃と、買い物代金などの実費のみで対応する。また事業所向けには、テイクアウトした弁当の受け取りといった需要も生まれている。

15日に報徳タクシーが、おつかいタクシーを始めると、依頼や問い合わせの電話が相次いでいる。買い物の要望としては、コメやペットボトルといった重い品物が多いという。

対応エリアは平地区とその周辺だったが、17日からは、磐城タクシー、泉タクシー、いわき中央タクシーと、いわきタクシーグループ全体に取り組みを広げ、市内一円を対象とする。

タクシーは原則として、品物だけを乗せて運行することはできないが、平成元年6月に各地方運輸局に出された通達によって、本来業務の遂行を妨げない範囲内で、一定の条件でサービスを提供することは問題ない。

また感染症対策に向け、いわきタクシーグループでは、約100台すべての車両に対し、光触媒による抗菌加工を施しており、利用者が安心して乗車できる環境に心を砕いている。

タクシー業界にとっても、新型コロナウイルスの感染広がりは、売り上げに大きな影響を与えており、報徳タクシーも一月当たり半分以下の落ち込みとなっている。全国的には乗務員を解雇するタクシー会社もあり、社会問題にもなっているが、報徳タクシーでは売り上げの確保とともに、生活交通として、少しでも市民の役に立とうと、おつかいタクシーを企画した。

いわきタクシーグループの照井義勝さん(59)は「高齢者や介護する家族がいる人は、なかなか外に出られない現状がある。社会福祉サービスの一環として、皆さんのお役に立ちたい」と語った。

写真は、報徳タクシーが始めた「おつかいタクシー」=21日(クリックで拡大)

■<新型コロナ>相談窓口の電話番号変更 一本化に

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、県内9保健所、県庁で対応している感染相談などの電話番号を、フリーダイヤルに一本化した。

電話番号は次の通り。▽帰国者・接触者相談センター(24時間受け付け)=フリーダイヤル(0120)567747▽一般相談専用ダイヤル(平日・午前8時半〜午後9時、土・日曜・祝日・午前8時半〜午後5時15分)=フリーダイヤル(0120)567177

■いわき 18歳少女の乳児殺害 鼻・口押さえてか 子育て自信なく

いわき市在住の18歳の少女が生後9カ月の息子を窒息させ、殺害した事件について、少女は息子の鼻と口を手で押さえ、死亡させたとみられることが21日までに、捜査関係者への取材で分かった。少女は、子育てする自信がなかったとする趣旨の供述もしており、裏付けを進めている。

母親である少女は17日未明、市内の自宅で、生後9カ月の息子を窒息させて殺害した疑いが持たれており、いわき中央署が18日に殺人容疑で逮捕している。同署の調べに対し、少女は容疑を認めている。