2020年4月16日(木)

■いわき市 新型コロナ新たに3人 3例目の男性と同じ職場に勤務 勿来一小は休校

市は16日夕方、いわき市で新たに、新型コロナウイルスの感染者が3人確認されたと明らかにした。市内としては4〜6例目となる。清水市長は16日午後6時から、臨時記者会見を実施し、詳細について発表した。

市によると、3人は50歳代の男性2人、10歳代の男性1人。いずれも14日に感染が分かった60歳代男性(Aさん=仮名)と同じく、医薬品等を扱う「エーピーアイ コーポレーション」のいわき工場(常磐三沢町)に勤務している。市保健所では行動歴や、濃厚接触者の有無に関して調査している。症状は3人とも軽いという。

3人のうち、50歳代男性(Bさん=同)は11日、仕事は休みだったが職場に荷物を取りに行き、帰宅後に37・3度の発熱があり、医療機関を訪れている。12日の休日をはさみ、13日は用心のために休暇を取った。14日は熱が36・1度に下がったため、マスクを着用した上で出勤。同僚との接触を避けるため、会議室で業務に当たった。15日に仕事を休んで、帰国者・接触者外来を受診し、16日にPCR検査の結果、陽性と判明した。ただ仕事中はAさんと距離があり、濃厚接触者には当たらないとしている。Bさんは1人暮らし。

10歳代男性(Cさん=同)は7日の帰宅後、37・7度の発熱を確認。8日に医療機関を受診し、9〜13日は自宅で過ごした。熱も下がったため、14日はマスクを着けた上で出社している。15日に自宅待機の上、帰国者・接触者外来に赴き、16日にPCR検査の結果、陽性と分かった。Cさんは祖父、両親、きょうだいの5人暮らし。

50歳代男性(Dさん=同)は11、12日に倦怠(けんたい)感を覚えたが、その後は症状がなかったため、13、14日にマスクをした上で出社。15日に自宅待機の上、帰国者・接触者外来を訪れ、16日にPCR検査の結果、陽性と診断された。Dさんは妻と2人暮らし。

C、Dさんは、Aさんと濃厚接触者とされる。市教委ではCさんのきょうだいが、勿来一小に通っているため、17〜30日の間、休校とすることを決めた。なおAさんの家族はPCR検査を受け、妻、成人の子ども2人いずれも陰性だった。

<公立小・中の休校などは示さず>

安倍首相は16日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都など7都府県を対象に発令していた緊急事態宣言の地域に、残りの40道府県を追加し、対象地域を全都道府県に広げる方針を決めた。

これに対し、清水市長は臨時記者会見の席上、17日に改めて考えを表明すると述べるにとどめ、記者から詳細を問われるも、この日は公立小・中の休校などを含め、詳しい内容には言及しなかった。

【おことわり】感染者が複数のため、アルファベットによる仮名を使わせていただきました。ご理解ください。

写真は、新たな感染者について記者会見をする清水市長=16日午後6時4分

■<新型コロナ>薬局にドライブスルー 専用窓口設ける

いわき市で薬局やデイサービスを展開する「タロサ」(長谷川祐一代表取締役)は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、平谷川瀬の薬局タローファーマシー谷川瀬店で、ドライブスルー形式による薬受け渡しを行っている。店舗わきに専用の窓口を設け、希望する来店者は、車から降りることなく薬が受け取れる。タロサによると、新型コロナウイルス対策としては、市内薬局では初の試みという。

タロサでは新型コロナウイルスの感染が広がる中、薬局内の3つの密(密集・密着・密閉)を防ごうと、換気の徹底や窓口に仕切り板を設ける取り組みを進めてきたが、感染した場合、基礎疾患を持つ人や高齢者が重症化しやすい事例を踏まえ、ドライブスルー形式の導入を決めた。

発熱などの体調不良があったり、感染が不安な人を対象とする。希望者はあらかじめ病院・診療所から、処方せんをファクスで送信し、来店した際には防護服を着用した薬剤師が対応する。市内のほかの関連薬局とも連携する。

今週から本格的な運用を始めており、1日当たり5〜10件の利用がある。長谷川氏は「新型コロナウイルスの見通しが立たない中で、少しでもできることをしていきたい」と話している。

営業時間は午前9時〜午後6時(土曜は同1時まで。木曜は午前8時半〜午後4時半)。日曜・祝日は休み。問い合わせは、薬局タローファーマシー谷川瀬店=電話(25)3600=まで。処方せんの送り先はファクス(25)3655。

写真は、ドライブスルー形式で受け渡しを行う薬剤師=15日夕方(クリックで拡大)

■JFL「1回戦総当たり」に変更 いわきFC 7・18開幕目指す

日本フットボールリーグ(JFL)は15日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今季のリーグ戦の方式について、ホーム・アンド・アウェーの2回戦総当たりから、1回戦総当たりに変更し、7月18日の第16節から、開幕を目指す方針を明らかにした。

今季のJFLは3月15日から始まる予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、試合の延期が続いている上、東京都など7都府県に緊急事態宣言が発令されたため、リーグ戦の方式を変えることを決断した。

またJFLから地域リーグへの降格は無くし、全国地域チャンピオンズリーグで、入会条件を満たした上位2チームの昇格のみとし、来季は最大18チームで実施する。

なお現時点で、JFLからJリーグ3部(J3)昇格に当たっては、▽最終順位4位以内かつ、Jリーグ百年構想クラブの上位2チーム▽ホーム戦の平均入場者2000人以上――などの規定は変わらないという。ただ新型コロナウイルスの状況によっては、さらなる変更の可能性もあるとしている。

桑原勝義JFL理事長は「開幕日をここ1、2カ月中に決めることができず、2回戦制で実施するのは困難と判断した。今後もリーグとチームが連携し、さらなる感染拡大防止に努めていく」と述べ、今季の開幕に尽力していくことを誓った。

<皆さんと会えるのを心待ちに>

1回戦総当たりによって、いわきFCの開幕戦は7月18日、ホーム・Jヴィレッジスタジアム(広野町)に、奈良クラブを迎える一戦となる。キックオフは午後6時。

日程変更に伴い、いわきFCの運営元・いわきスポーツクラブの大倉智代表取締役は、「今私たちにできることを、精いっぱい続けていきたい。7月18日、無事に試合が開催され、スタジアムで皆さまと元気な姿でお会いできることを選手、スタッフ一同心待ちにしている」とのコメントを発表した。

シーズンチケットに関しては、ペアチケット化にするか、中止分の払い戻しが受けられる。販売済みの第2節・ヴェルスパ大分戦のチケットは、第16節・奈良クラブ戦で使用できる。詳しくは、いわきFC<こちら>まで。

表は、いわきFCの新たなリーグスケジュール(クリックで拡大)

■<新型コロナ>APIは30日まで操業停止決める

医薬品等を扱う「エーピーアイ コーポレーション」(本社・東京都千代田区)は15日、常磐三沢町のいわき工場で働く60歳代男性が、新型コロナウイルスに感染したと正式に発表した。男性は14日に確認された市内3例目の感染者。

同社では16日から、工場維持に必要な人員を除き、いわき工場のほぼすべての従業員を自宅待機とし、工場内の消毒を実施するとともに、30日まで操業を停止し、従業員の安全、社外への感染防止を最優先とする。(一部昨報)