2020年4月10日(金)

■<新型コロナ>いわき市2例目 男性の同僚も陰性

市は10日午後、いわき市の40歳代会社員男性が、新型コロナウイルスに感染した件について、濃厚接触者に当たる職場の同僚3人はPCR検査の結果、いずれも陰性だったと明らかにした。男性は8日、市内2例目の感染者と分かったが、9日には濃厚接触者とされる家族4人は陰性と判明していた。

男性は1日の退社後に発症しており、2日以降は出社していない。同僚3人の健康状態に問題はないが、市保健所は念のため、男性と最後に会ってから2週間は外出を控えるよう求めたほか、体調を毎日確認するよう伝えた。現時点で感染経路は不明なため、市保健所は引き続き特定を進めていく。

また男性の子どもの通学・通園先として、湯本三小、さかえ保育園は9〜22日の間、臨時休校・休園となっているが、清水市長は10日夜、家族が陰性だった点を踏まえ、いずれも一応の消毒を行った上で、再開に向けた準備を進める方針を示した。

■<新型コロナ>「いわき花火大会」中止に 67回の歴史で初めて

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、9月5日に開催を予定していた「第67回いわき花火大会」の中止が決まった。いわき花火大会実行委員会総会が9日、小名浜の市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」で開かれ、中止が承認された。実行委員会は、市や地元商工団体などで組織されている。関連イベントとして、7月25、26日の「おなはま海遊祭」、9月4日の「いわきおどり小名浜大会」も同じく取りやめる。

国内外で猛威を振るう感染症が、いわきの夏を彩る催しを中止に追い込んだ。悪天候での順延や一時中断、東日本大震災の影響による無観客は経験してきたが、完全な中止は67回の歴史で初。

実行委員会によると、いわき花火大会は昭和29(1954)年、旧磐城市の誕生を記念した「第1回磐城市港まつり」が始まりと言われている。数度の名称変更を経て、平成22(2010)年から、いわき花火大会となっている。

例年は8月に行われているが、今年は東京五輪と時期が重なるため、あらかじめ9月に日程をずらしていた。会場は小名浜港アクアマリンパークlで変わらず、1万発あまりが打ち上げられる計画だった。中止の決定に当たっては、新型コロナウイルスの終息見通しが立たない上、協賛金集めも難しい点を考慮した。

今後の方針としては事務局を維持しながら、来年の開催を目指す。大会長の清水市長は「このような現状の中では、やむを得ない判断。一日でも早く終息することを願っている」と語る。正木好男実行委員長も「断腸の思いだが、中止は多くの市民に賛同してもらえると思う」と述べ、来年の復活に期待を込めていた。

<その他の夏の風物詩はどうなる?>

いわき花火大会が新型コロナウイルスの感染拡大によって中止としたことは、その他のいわきの夏の風物詩にも影響を与えるのは必至で、状況は不透明だ。関係者によると、平中心市街地を会場とする、8月6〜8日の「いわき七夕まつり」や、同8日の「いわきおどり」に関しては、今後開催の可否を協議していく。

写真は、花火大会の中止を決めた実行委員会総会=9日(クリックで拡大)

■いわき民報カップ中止に 市中体連の日程等考慮

市中体連サッカー専門部会を兼ねた、NPO法人いわきサッカー協会3種(中学部)の令和2年度第1回打ち合わせ会が9日夜、小名浜公民館で行われ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、新舞子フットボール場で25日に開幕を予定していた「第11回いわき民報カップ市中学校春季サッカー大会」の中止が決まった。

大会は、市中学校体育大会の前哨戦として毎年、4月末に開催。2回大会以降、いわき民報社が協賛し、現名称となった。

上部組織に当たる日本サッカー協会(JFA)は先ごろ、5月末までのJFA事業の中止、延期を発表。それにのっとり、大会開催の可否を協議した。市中学校体育大会が6月11日に開幕を予定しており、日程や生徒たちの健康面などを配慮し、中止を決めた。

打ち合わせ会には同協会3種傘下の代表者ら約30人が出席。全員マスクを着用し、3人用の長机1台に1人で着席して間隔を開けるなど、新型コロナウイルスの感染防止を図りながら、本年度のトレセンの日程などについて話し合った。

写真は、開催可否などを話し合った打ち合わせ会=9日夜(クリックで拡大)

■木村ミルク パスチャライズ牛乳の外装新しく

木村ミルクプラント(木村謹一郎代表取締役)=平下神谷字宿=は10日までに、主力商品「パスチャライズ牛乳」のパッケージを新たにし、市内スーパー、小売店などで販売している。

今回の新パッケージは従来の500ミリ・リットル、720ミリ・リットルを統一した800ミリ・リットル(プラスチックボトル)で、牛乳、カフェオレ、フルーツオレの3種類。

このリニューアルには、創業100年を迎えた同社が申し込んだ、経産省東北経済産業局平成31年度TOHOKUデザイン創造・活用支援事業による「おいしいを一緒につくるデザインコンペ2019」によるものだ。

企業ブランドのイメージアップを願う同社の思いが採択され、6人のデザイナーらがコンペに参加した結果、東北経済産業局長賞(優秀賞)を受賞した稲葉薫さん=東京都=の意匠が取り入れられた。

1色を基本に背景にはアルファベット「KIMURA MILK」の文字、いわき市の市花ツツジなどを配し、シンプルな中にも低温殺菌で風味とコクを保つパスチャライズ製法など、本物志向にこだわる同社の業務内容を連想させる。

新パッケージ商品の問い合わせなどは、木村ミルクプラント=電話(34)2542=まで。

写真は、新パッケージで販売中のパスチャライズ牛乳(クリックで拡大)

■医療センター看護専門学校 40人が入学迎える

市医療センター看護専門学校の入学式が10日、内郷御厩町の同校体育館で開かれた。本年度は53期生として、40人(男1人・女39人)が看護の道を踏み出した。

式典は新型コロナウイルスの感染防止を目指し、入り口であらかじめ検温と、手をアルコール消毒することが求められたほか、出席者全員がマスクを着用して行われた。

新入生一人ひとりの名前が呼ばれた後、岩橋成寿校長があいさつに立ち、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、市医療センターは浜通りの基幹病院に加え、県内6カ所の感染症指定医療機関であると強調し、「職員一同が緊張感を持って、診療に当たっている」と説明した。

その上で「皆さんには、いわき市の医療に貢献する目標がある。健康と成長を願っている」と激励した。市医療センターの新谷史明院長(病院事業管理者)、長谷川吉子副院長兼看護部長も祝辞に臨み、一人前の看護師として活躍する日を願った。

写真は、看護師への一歩を踏み出した新入生=10日(クリックで拡大)