2020年4月8日(水)

■いわき市で新型コロナ2例目 濃厚接触の子ども通う湯本三小は2週間休校に

市は8日夜、いわき市の40歳代会社員男性が、新型コロナウイルスに感染したと明らかにした。いわき市ではクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した70歳代男性(退院済み)以来2例目となる。

清水市長が8日午後7時から、平字梅本の市役所・第8会議室で記者会見を実施し、詳細について公表した。現時点で男性の感染経路は不明だが、市中感染とみられるという。

市によると、男性は1日にのどに違和感を覚え、2日に37・5度の発熱、のどや腹の痛み、だるさをあったことから、市内の医療機関を受診した。

6日に37・2度の発熱があり、改めて同じ医療機関を受診。8日に民間検査機関・江東微生物研究所によるPCR検査の結果、陽性と判断された。男性は県内の感染症指定医療機関に入院したが、肺炎などの症状は出ていない。

男性は妻、子ども3人と同居しており、家族は濃厚接触者とされるが、いまの段階で健康状態に変化はない。男性は市内で勤務しており、市ではこのほかの濃厚接触者も特定を進めている。なお勤務先の公表は調整中としているが、発症は1日に退社した後で、2日からは出社していない。

また男性の子ども3人のうち、2人が湯本三小に通学しており、市教委は9〜22日の間、同校を休校とすることを決めた。さらに男性の未就学の子どもが通っている私立保育園・さかえ保育園(常磐上湯長谷町)に関しても、同じ期間の休園に至った。

清水市長は市中感染の可能性を踏まえ、「市民の皆さまには、緊張感を持った行動に留意してほしい」と語り、いわき市で市中感染が今後広がった場合には、市内の公立小・中の休校等も検討すると述べた。

いわき市の男性を含め、福島県では8日、5人の陽性が判明し、累計の県内感染者は29人となった。

写真は、新型コロナウイルスに関する記者会見に臨む清水市長=8日午後7時2分(クリックで拡大)

■コロナ禍終息願って 「アマビエこけし」注文殺到

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、江戸時代の瓦版に掲載された半魚人の妖怪・アマビエが、会員制交流サイト(SNS)での投稿を端に話題を呼んでいる。

アマビエは「病がはやったら私の写し絵を人々に見せよ」と告げ、海に消えた言い伝えがあるが、このエピソードをきっかけに、いわき市で唯一、伝統こけしづくりを続ける「伝統こけし製作工房『木地処さとう』」が、新型コロナウイルスの終息を願った「妖精アマビエこけし」を製作し、県内外から注文が相次いでいる。

妖精アマビエこけしを製作したのは、三代目・佐藤英之さん(42)。小川町西小川に工房を設ける中で、伝統こけしの技術を活用し、困っている人の役に立ちたいとの考えから発案した。

佐藤さんの祖父の代にこけしづくりを始め、木地処さとうは昭和元(1926)年に創業。宮城県白石市発祥の弥治郎系の流れをくみ、平塩の工房とともに、家族で伝統こけしの技術を継承しつつ、新たな商品も生み出している。

「3月から受注が減った」と佐藤さん。こけしは近年、若い女性の間でもブームになり、幅広い世代に愛好家がいるが、新型コロナウイルスの感染広がりによって、こけしの注文は落ち込んだ。こうした状況だがら仕方がないと、佐藤さんは半ばあきらめていたが、アマビエについて知ったことで、「こけしで表現しよう」と思い付いた。

2日にスケッチを描くと、すぐに製作に取り掛かった。インターネットで紹介すると、次々と注文が舞い込んだ。特に新型コロナウイルスの感染者が急増した関東圏が多いといい、佐藤さんは「皆さん心の支えがほしいのですね」と指摘する。

「不安に思う方に少しでも、やすらぐ時間が届けられればうれしい。できる限り早くつくりたい」。100件以上の注文が入っているが、手仕事のため、1日3体の製作が限度とあって、いまは1カ月半待ちという。佐藤さんは「家族にも協力してもらい、何とか増産したい」と語り、一日も早い終息を祈念した。

妖精アマビエこけしは桃色と紫色の2種類。1体2750円(税込み)。セットは4950円(同)。ホームページは<こちら> 。問い合わせは、木地処さとう・小川工房=電話(83)1432=まで。

写真は、アマビエこけしを手にする佐藤さん=7日(クリックで拡大)

■平・もりたか屋 京都の城戸さんら 多彩な技法で震災表現

京都府で活動するアーティスト城戸みゆきさんらの作品展「“reflection” 防潮堤から、遠望」が26日まで、平字三町目のアートスペースもりたか屋で開かれている。

作品展は、東日本大震災で被災した福島県を国内外のアーティストが実際に訪れ、目にしたもの、イメージを多種多様に作品化。3月24日から4月5日まで、京都市東山区のアートスポットコーリンで開かれた「“pre―reflection” 防潮堤から、遠望」の関連企画として行われている。

会場には被災地の風景、海岸でのパフォーマンス、3Dメガネで見るアナグリフ映像、ストッキングを使った作品などが展示されている。時間は午前10時から午後6時。問い合わせは、アートスペースもりたか屋= 電話(23)2466=まで。

写真は、アートスペースもりたか屋で開かれている作品展(クリックで拡大)

■<新型コロナ>ハワイアンズ きょうから5月6日まで臨時休館

常磐興産(本社・常磐藤原町)は7日、運営するスパリゾートハワイアンズについて、8日から5月6日まで、全日帰り・宿泊施設を臨時休館とすると明らかにした。新型コロナウイルスの感染急増に伴い、政府が緊急事態宣言を発令したのを踏まえての措置という。

3月31日から4月30日に有効期限を迎える日帰り入場券に関しては、2カ月延長する。なおスパリゾートハワイアンズゴルフコースは、通常通りに営業する。