2020年4月5日(月)=休刊日

■ら・ら・ミュウの「震災展」 新たなパネル設置で復興伝える

市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」2階ライブいわきミュウじあむに展示され、震災、東電福島第一原発事故発生直後の市内の窮状などを映像、写真などで紹介し、いまだ県外の行楽客の反響も大きい「いわきの東日本大震災展」。節目となる発生から10年を前に、復興に向けて歩みを進める本市の現状を知ってもらおうと、震災翌年から昨年までの出来事をまとめた年表や津波被災地の現在の情景、最新の観光マップを新たに追加した。

「いわきの東日本大震災展」は、震災の悲劇や教訓と向き合うことで、今後の災害にどう向き合い、生き抜いた者として何ができるかを考えてほしいとの願いを込め、平成25年に始まった。

笑顔、震災、記憶、復興、明日へをキーワードに、いわき民報社をはじめ海上保安庁、市民らが提供した写真や映像、当時の子どもたちの夢や希望、復興にかける思いがパネル展示されているほか、段ボールで仕切られた発生直後の避難所の様子を再現したコーナーなどが設けられている。

当初は期間限定の展示予定だったが、県外の行楽客を中心に大きな反響を得たために常設に。一方、震災から9年が経過し沿岸部を中心に町が大きく様変わりしたことを背景に、真の復興に向けて歩みを進める本市の姿を発信しようと、今回、横幅約8メートル、高さ2・5メートルの巨大パネル「日本の復興を『いわき』から!」を追加した。

復興関連の出来事を年表や写真で紹介するとともに、観光物産センターらしく市内各地の最新の名所、旧跡を取り上げた。「復興し、新たに生まれ変わったいわきの姿を皆さんに見てほしい」と、担当した阿部幸介さん(30)。本年度内に大規模なリニューアルも予定し、同センターの被災状況と復興までの道のりや魚をテーマにした展示を追加していく予定だ。

また、本市の<希望の光>として、震災の年に生まれた子どもにスポットを当て、生まれた当時の写真と「あれから大きくなりました!」との吹き出しに両親への感謝の気持ちなどを書いた、等身大のパネルを随時展示していく。

1人目として、震災の年の10月に生まれた久之浜町の結月さん(8)の等身大パネルが飾られ、来館者たちはたくましく育った子どもを前に感激し、うれしそうな表情を浮かべていた。

同センターでは現在、パネル展示に協力する子どもを募集している。対象は平成23年にいわき市で生まれた子で、パネルには下の名前と生年月日などを掲載する。詳しい問い合わせは、同センター=電話(92)3701=まで。

写真は、新たに追加された展示パネル(クリックで拡大)