2020年3月19日(木)

■新年度の市人事 特定政策に渡辺・勿来支所長 小名浜支所長は参与付で小野・消防次長

いわき市は19日、令和2年度の定期人事異動を発表した。異動件数は計978件(前年比104件減)と前年を下回ったが、これは係単位の組織改編にとどまったほか、課長職以上の退職者が19人(同5人減)となった上、来年度が復興・創生期間の最終年度として、東日本大震災・東電福島第一原発事故を巡る事業の総仕上げを進める必要から、継続性を重視したためだ。また昨年10月の水害からの復旧も急務となっている。発令は4月1日付。退職は31日付。

部長職の異動は5人。特定政策推進監に渡辺一弘氏(勿来支所長)が就き、現任の緑川伸幸氏は生活環境部長に横滑りとなった。会計管理者には鈴木静人氏(会計室長)が昇任する。蛭田利克氏(財政部次長兼税・債権管理統括担当)は参与付に。小名浜支所長は参与付とし、小野広澄氏(消防次長)が回った。

昨年10月の水害を踏まえ、災害対応力の強化も図っている。危機管理課の職員を増員するとともに、総合政策部に危機管理監を補佐する次長職として、危機・防災対策担当を新設。水防体制との連携・強化の観点から、河川課に事務職の課長補佐を新たに配置する。

女性登用に関しては、係長職以上は97人(前年比3人増)とし、過去最大の人数となっている。ただ部長職は0人、次長職は1人のみで、幹部職員に占める割合も7・9%(同0・6ポイント減)だった。

若手職員の登用は引き続き行われている。最年少は課長が46歳1人、課長補佐が44歳3人、係長が38歳5人。新入職員は148人(同11人減)で、社会人経験者特別枠(計5人)のうち、新年度は新たに土木職3人を採用している。

庁内公募・自己申告の導入も続いている。職員の適正、資質、意欲等をよりいっそう反映させることで、士気の高まりも期待される。

また山形市から2人、東京都港区から1人、秋田市から1人、計4人の土木職が派遣される。いずれも東日本大震災に加え、東日本台風などの水害からの復旧・復興事業に尽力してもらう。

派遣研修・人事交流も変わらず、新年度は17団体に職員18人を派遣するとともに、総務省はじめ中央省庁、県警本部などから8人を受け入れる。

■公示地価 夏井川決壊で平鯨岡は全国8番目の下落率に

国土交通省は18日、令和2年公示地価(1月1日時点)を公表した。いわき市の住宅地の平均変動率は横ばいとなり、平成30年(プラス2・6%)、平成29年(同4・3%)と比較すると、増加幅が無くなった。商業地は0・2%(前年比0・9ポイント減)、工業地は0・8%(同0・6ポイント減)と上昇率は鈍化している。

特にいわき市では、昨年10月の東日本台風(台風19号)の影響を受けている部分が大きく、夏井川が決壊した地区は軒並み前年から下げている。

住宅地のうち、「平鯨岡字林下1の3」(1平方メートル当たり2万600円)は7・2%の下落となり、県内2番目、全国でも8番目の下げ幅となった。商業地では「平下平窪字六角45の33」(1平方メートル当たり8万3800円)がマイナス4・6%と、こちらは県内最大の落ち込みだった。

市内全体の動向としては、住宅需要は東電福島第一原発事故による避難者から、一般の市民に移りつつあるという。平中心部やいわきニュータウンなども、地価は落ち着きつつある。

商業地のうち、JRいわき駅周辺のオフィスでは、品質の良いビルで空き室率が低い状況が続いている。ただ廃炉・復興関連企業の規模縮小もあって、一部では空き室が見られる。ホテルについては、福島第一原発事故に近い双葉郡で建設が進んでおり、宿泊を求める動きは一時より弱まっている。

いわき市の継続地点数は、住宅地が77、商業地が19、工業地が4。最高価格は住宅地が「平字作町三丁目1の16」の1平方メートル当たり7万9800円、商業地が「平字三町目28」の1平方メートル16万円。

今回の地価には新型コロナウイルスによる影響は含まれておらず、景気次第では上昇基調が鈍る可能性もある。全国で最も地価が高かったのは、住宅地は3年連続で、「東京都港区赤坂一丁目14の11」(1平方メートル当たり472万円)。商業地は14年連続で、東京都中央区銀座四丁目の「山野楽器銀座本店」(1平方メートル5770万円)。

■国際ソロプチミストマリンいわき 明徳舘幼稚園にマスク寄贈

コロナに負けるな―いわきの園児たちの新型コロナウイルス感染防止を図ろうと、国際ソロプチミストマリンいわき(鈴木礼子会長)は19日、常磐関船町の明徳舘幼稚園(金土重順園長)に人気アニメキャラクターが描かれた手作りの子供用マスク50枚を寄贈した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響でマスクの品薄が続く中、同いわきは子供たちをウイルスから守ろうと、会費の一部でマスクを購入。同園には男子、女子用それぞれ25枚贈った。マスクは手作りで、人気アニメのキャラクターが描かれ、口を当てる内側はガーゼを挟むことができ、何度も洗って使用できるという。

贈呈式は同園で行われ、鈴木会長が「マスクは何度も洗って使えます。コロナに負けないで」とあいさつし、代表園児にマスクを手渡した。マリンいわきの事務局鈴木泰子さん、吉田喜代、斉藤容子両会員が同席した。

同園は2日から休園。17日の卒園式以降、預かり保育のみ継続している。連日約50人の園児が利用し、日替わりで幼稚園教諭8人ほどで対応。園庭などで遊ぶ園児たちを見守っている。金土園長は「洗って何回も使えるのがうれしい。有効に活用させていただきます」と感謝の言葉を述べた。

マリンいわきは今後、市内の保育施設などにも同様のマスクを寄贈する予定。

写真は、鈴木会長(前列右)からマスクを受け取る園児ら=19日(クリックで拡大)

■市雇用優良・女性活躍推進企業たたえ 感謝状・認証書贈る

市の令和元年度市雇用優良企業市長感謝状贈呈式、市女性活躍推進企業認証書交付式が18日、市役所特別応接室で行われた。贈呈、交付式はこれまで「いわき人財育成企業アワード」の席上実施してきたが、新型コロナウイルス感染拡大によるアワード中止に伴い、単独で催された。

式では、清水市長が「雇用安定、働きやすい職場環境の整備に取り組む皆さんに感謝します。今後も魅力ある職場づくりのけん引役として尽力していただきたい」と述べ、雇用優良企業7社、新規女性活躍推進企業の代表者に感謝状、認証書を手渡した。なお女性活躍推進企業の認証期間は3年。

表彰、認証の市雇用優良企業、市女性活躍推進企業は次の通り。

◇雇用優良企業▽新規高卒者=いわき信用組合(江尻次郎理事長)いわきティーワンビル(佐藤広代表取締役社長)スタンレーいわき製作所(柴ア恒義代表取締役社長)ひまわり信用金庫(台正昭理事長)ミツエイ(安部徹代表取締役)▽障がい者=小名浜製錬小名浜製錬所(林庄作常務取締役所長)タンガロイ(木下聡取締役社長)

◇女性活躍推進企業▽新規=大和電設工業(松ア則行代表取締役)▽更新=いわき信用組合(江尻次郎理事長)クリナップキャリアサービス(佐藤晴生代表取締役)フタバコンサルタント(阿部好則代表取締役)パイオニア設計(菅波良行代表取締役) 堀江工業(長谷川浩一代表取締役社長)いわきテレワークセンター(会田和子代表取締役)福島インフォメーションリサーチ&マネジメント(橘あすか代表取締役)

写真は、式に出席した企業の代表ら=18日(クリックで拡大)