2020年3月16日(月)

■きょう県立高前期選抜の合格発表 2262人にサクラ咲く

県立高前期選抜の合格発表が16日、県内一斉に行われ、いわき市の全日制15校・定時制1校でも、校舎前に合格した番号が張り出され、計2262人の<15の春>が咲き誇った。今春は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、学力検査に当たっては、教室にアルコール消毒液が置かれたり、休憩時間ごとに換気を心がけたりする厳戒態勢で実施されたが、合格発表もマスク姿の受験生の姿が目立った。定員に満たない高校に関しては17、18日、後期選抜の出願書類を受け付ける。

平字高月の磐城高(阿部武彦校長)では、発表予定時刻の正午になる前から、多くの受験生や保護者が詰めかけた。正午を迎えると、教職員が体育館から番号が書かれた掲示板を持ち出し、次々と歓声が上がった。

受験生は自分の番号を見つけると、記念撮影をするなど、喜びを爆発させていた。携帯電話でさっそく、合格を報告する様子も見られた。

ただ今年は新型コロナウイルスの影響で、磐城高も臨時休校中のため、静かな合格発表となった。例年は掲示板が出されるのと同時に、吹奏楽部が記念の演奏をし、さまざまな部活動が勧誘をする中、野球部やラグビー部による胴上げが恒例となっているが、そうした姿は一切なかった。

平二中の沼田楓雅さん(15)は「今までで一番うれしいです」と満面の笑みで語った。昨年10月の東日本台風(台風19号)や、3月からの新型コロナウイルスによって、中学校が休校となる事態に見舞われたが、「それでも家でしっかり勉強しました」と振り返る。

文武両道をモットーとする磐城高に合格したとあって、沼田さんは「勉強も部活動も頑張りたい。バスケ部に入ろうと思います」と話し、あこがれの高校生活に夢を抱いていた。

いわき民報社では21日まで、平字田町の本社窓口で、市内の支援学校高等部も含め、いわき市分の前期選抜の合格者一覧が閲覧できる。時間は午前9時〜午後8時。

写真は、磐城高で自分の番号を指さす受験生=16日(クリックで拡大)

■JFL第3節も延期に いわきFC初戦は4月5日か

日本フットボールリーグ(JFL)は16日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、第1、2節に続き、第3節も延期すると明らかにした。JFLはJリーグに次ぐ、サッカーのアマチュア最高峰リーグで、いわきFCは今季から所属する。

いわきFCの第3節は28日、アウェー・ユアテックスタジアム仙台(宮城県仙台市)で、ソニー仙台FCと対戦する予定だった。第1、2節が延期となったため、この試合がいわきFCにとって、JFL初戦となるはずだった。なお15日のアウェー・奈良クラブ戦(第1節)、22日のホーム・ヴェルスパ大分戦(第2節)を含め、新たな日程は未定となっている。

現時点でいわきFCのJFL初戦は4月5日の第4節、ホーム・いわきグリーンフィールドに、鈴鹿ポイントゲッターズを迎え入れる一戦。JFLによると、第4節の開催可否に関しては、25日ごろをめどに決定するという。

■PCR検査の体制拡大 4月めどに市保健所でも

市は新型コロナウイルスの感染有無を調べる「PCR検査」について、4月の開始をめどに、市保健所でも実施できる体制を整えている。現在は県衛生研究所(福島市)のみで対応しているが、現状の把握と感染拡大の防止を目指し、市保健所は導入に向けて、検出の精度を確認している。

市によると、市保健所の検査には職員2人を配置し、1日当たり10検体の実施を検討している。今後も検査の件数を踏まえながら、民間検査機関との委託に向けた準備も行っていく。こうした動きは県内でも広がっており、福島市保健所は3月中に、郡山市保健所では4月にも検査を始める予定。

■クリエイティブ・ロダンの鈴木さん 「日本復興の光大賞」受賞報告

東日本大震災の被災3県で復興に取り組む民間団体をたたえる「第6回日本復興の光大賞」で最高賞の大賞に輝いた、理美容業「クリエイティブ・ロダン」(内郷)の代表取締役で現在、弊紙コラム「くらし随筆」月曜日執筆者の鈴木明夫さん(34)が16日、清水市長に受賞を報告した。

当日は鈴木さん、鈴木さんの姉で同社取締役の橋詰光子さん(39)らが市役所を訪れた。清水市長は「すばらしい活動。これからもご活躍を期待しています」と激励。鈴木さんは「髪だけでなく心のケアにつながっていけるよう、この輪を広げていきたい」と話した。

表彰式は2月26日、都内で行われ、審査委員で女優の宮本信子さんが鈴木さんにトロフィーなどを手渡した。

鈴木さんは内郷御廐町で「ヘアーショップ・ロダン」を経営する傍ら、2トントラックにシャンプー台や鏡などを備えた移動式理美容店舗「どこでもロダン」を運営。訪問サービス代表の橋詰さんらスタッフ3人で、市内の介護福祉施設や東京電力福島第一原発事故による避難指示が解除された双葉郡富岡町などを訪れ、有料で理美容サービスを行う。

震災直後、避難所でシャンプーのボランティア活動の発起人となり、移動式店舗の導入を夢見ていた父の故英治さん=享年(65)=の遺志を受け継いだ。亡き父は鈴木さんが都内の福祉系の大学に通っていた15年ほど前から、市内の介護福祉施設などで訪問理容を行っていた。

「父が始めた社会貢献活動がかたちになってよかった」と鈴木さん。表彰式の席上、宮本さんからトロフィーを受け取ると、「まず、第一段階をやり切った」と感極まり、涙したという。

昨年秋には台風により断水した施設を訪問し、200人以上に無料でシャンプーを行った。鈴木、橋詰さん姉弟は「ここに来るまでいろいろあったが、今後もさまざまなサービスを届けたい」と目を輝かせた。

写真は、清水市長に受賞を報告する鈴木さん(右)、橋詰さん=16日(クリックで拡大)