2020年3月9日(月)

■新型コロナ 高齢・障がい者利用の施設休館 市中感染判明の場合には全市的に

市は9日から、新型コロナウイルスの感染リスクが高い点を踏まえ、高齢者や障がい者の利用が多い公共施設として、市健康・福祉プラザ「いわきゆったり館」のクアハウス、いわきサン・アビリティーズ、老人福祉センター(平、勿来、内郷、四倉)、小名浜老人憩いの家について、31日まで原則休館とした。

その他の市内公共施設に関しては、15日までは人の集まるような利用は自粛を要請するほか、県内で市中感染など感染経路が明らかでない事例が生じた際には、直ちに休館または利用制限を行うとしている。

また県内で市中感染が起きなくとも、16日以降も国内の感染拡大がこのまま継続する場合には、感染リスクの高まりなどを考え、休館するかを管理者が判断する。

市医療センターも9日から、面会制限を強化した。これまでも季節性インフルエンザの流行時期として、一定の制限をかけていたが、同日から当面の間、原則として家族であっても、面会は断る方針とした。衣服類など入院生活に必要な物の受け渡しは、病棟入り口前で看護師が対応する。なお入退院時などの例外はある。

写真は、きょうから原則休館となった平老人福祉センター=9日(クリックで拡大)

■市内男性の新型コロナ感染 SNSでうわさ独り歩き

7日夜にいわき市の70歳代男性が、新型コロナウイルスに感染していると報道されて以来、インターネット上では、感染した男性の居住先などデマが相次いでおり、うわさが独り歩きしている。市幹部は「市民が不安になることは理解できるが、SNSなどで根拠のないデマを発信することはやめてほしい」と強い口調で語った。

短文投稿サイト「ツイッター」では、いわき市の複数の地区名が名指しされ、男性が住んでいる場所とのつぶやきが多く見られる。また男性が2月29日と3月4日の2回、近所のスーパーマーケットを訪れているが、これも複数の具体名が挙げられている。

感染した男性はクルーズ船から下船後、節度ある行動を取っており、市保健所で調査中ではあるが、濃厚接触者がいる可能性は高くない。市幹部によると、スーパーマーケットに関しても、店員は日ごろから手洗いなどに努め、その他の職場環境も徹底している。

「市中感染ならば、どこに行ったか明かす意味もある。しかし、この男性はクルーズ船に乗っており、そこで感染したとはっきりしている。市民の皆さんには、正確な情報に触れてほしい」と市幹部は強調した。

写真は、うわさが独り歩きしているツイッター(画像を一部加工しています=クリックで拡大)

■市美展「陶芸」「写真」は式典行わず 新型コロナ

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、第49回市美展「陶芸の部」「写真の部」表彰式は規模を縮小し、8日に市立美術館で行われた。従来の来賓、一般者出席による式典は取りやめ、両部門の市長賞、市議会議長賞、市教育長賞、佳作入賞者には個別に佐々木吉晴同館長から賞状、記念品が贈られた。

毎年恒例の華やかな雰囲気の中での表彰式とは違うものの、思いを込め制作した作品が評価された「陶芸の部」12人、「写真の部」23人が順次訪れていた。

このうち、「陶芸の部」市長賞に輝いた無職横須賀政雄さん(79)=三和町上永井=は佐々木館長から賞状などを受け取ったあと、「やっと夢が叶(かな)った。これまでの制作活動が認められ大変うれしい。今後の作陶に意欲が出てきた」と感想を述べた。

横須賀さんは退職後、趣味の陶芸を生かすため自由ケ丘から環境に適した三和町上永井に移住。現在は自宅敷地内に「耕楽(こうらく)窯」を設け創作に励むなど、自適な生活を送っている。

陶芸を始めたきっかけは、「日々の生活で自分が使う器類が欲しいため、作るようになった」と話し、これまで2回にわたり、好間町のギャラリー木もれびで個展を開くなど、陶芸歴は今年で17年。

市長賞受賞作「七輪」は、横須賀さんが息子、孫たちと一緒にバーベキューを楽しみたいと考え、器の内部で炭火がじわじわと陶板を熱していくイメージを具現化したもので、重厚な中にも温もり感が漂っている。

写真は、佐々木館長から表彰状を受け取る横須賀さん(左)=8日(クリックで拡大)

■白土保育所 鉄骨造り2階建て新園舎竣工

市立白土保育所の新園舎竣(しゅん)工式が8日、平字愛谷町一丁目の同保育所で開かれた。旧園舎は昭和48年から使用されており、施設の老朽化が進んでいるうえ、東日本大震災以降の耐震化の必要性を迫られていた。

このため近くに仮園舎を設け、旧園舎を解体して新しい園舎の建設に向けた計画が平成28年度から進められてきた。総事業費8億3千万円をかけて完成した新園舎(定員160人)は、従来の平屋から鉄骨造り2 階建てにし、十分な広さの園庭と送迎する保護者の駐車スペースを確保した。

延べ床面積は1568平方メートルで、9つの保育室のほか、沐浴(もくよく)室や調乳室、調理室、それに子育てに関する相談や交流の場となる相談室を設けた。竣工式には施工業者や地権者、保護者代表、地元区長ら30人余りが出席。清水市長が式辞を述べ、建設に協力した人たちに感謝状を贈った後、テープカットをして竣工を祝った。

写真は、平屋から2階建てになった新しい白土保育所=8日(クリックで拡大)