2020年3月8日(日)=休刊日

■震災から間もなく9年 平豊間で犠牲者しのぶ追善法要

東日本大震災の津波で85人が亡くなった平豊間地区で8日、追善法要が行われた。会場となった豊間中央集会所には、地元住民ら約70人が出席し、犠牲になった人をしのびながら、復興を前に進める決意を新たにした。平豊間地区は震災時、8・5メートルの津波が押し寄せ、400戸を超える住宅が流失した。

追善法要は、11日に震災から9年を迎えるのを前に、多くの人が訪れやすい日曜日に開かれ、初めに集会所の敷地に立つ慰霊碑に向かって、黙とうをささげた。

豊間区長の遠藤守俊さん(75)が式辞として、「ここ1年で150棟の家が建ち、子どもたちの声も戻ってきた。真の復興まちづくりはこれからであり、自分たちの街は自分たちでつくることが、亡くなった方への何よりの恩返しと思う」と述べた。新妻英正副市長、大峯英之市議もあいさつに立った。

この日は、亡くなった人の名前が刻まれた刻銘碑のお披露目の場ともなった。刻銘碑は地元住民の要望を基に、慰霊碑に添えられ、参加した人は花をたむけ、ありし日の姿を懐かしんでいた。

なお新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、子どもたちによる郷土芸能・じゃんがら念仏踊りと、尺八の献奏は取りやめとなった。

遠藤さんによると、平豊間には現在、470世帯あまりが住んでおり、震災前の約75%にまで居住が回復している。

写真は、慰霊碑に向かって黙とうをささげる住民ら=8日(クリックで拡大)