■いわき市の70歳代男性 新型コロナに感染 県内初

内堀知事は7日午後9時から、福島市の県庁で記者会見を実施し、いわき市の70歳代男性が新型コロナウイルスに感染したと明らかにした。現時点で発熱はなく、症状は軽症とされるという。県内で新型コロナウイルスの感染者が確認されるのは初。

男性は集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船していたが、2月13日に船内で受けた検査では陰性だった。一緒に乗っていた妻は11日、新型コロナウイルスの陽性反応が分かり、現在も県外で入院している。

2月21日に下船した男性は、27日まで国の指定した施設で経過観察を受け、同日にいわき市の自宅に高速バスを使って帰宅した。乗車時はマスクをしていた。

2月28日から市保健所が健康状態を聞き取っていたが、3月2日にのどに違和感を感じ、一時は解消したものの、6日に悪化傾向が見られ、帰国者・接触者外来を受診。7日にPCR検査の結果、新型コロナウイルスの陽性と判明した。

いわき市に帰宅後、男性は2月29日と3月4日の2回、近所のスーパーマーケットを訪れ、マスクを着用した上で15分程度の買い物をした。また5日にはドライブもしているが、窓は閉め切った状態にしていた。

こうした点に加え、妻が入院中のため、自宅では1人で生活していたことから、県は濃厚接触者がいる可能性は高くないとしている。

記者会見に当たって、内堀知事は県民に向け、「一人ひとり可能な感染症対策を取ってほしい。正確な情報を基に、落ち着いて行動するように」と要請した。

続く県の会議では、県感染症対策アドバイザーの金光敬二・県立医科大教授が「いわき市には積極的に疫学調査をしてほしいが、市中感染では無く、県内のフェーズ(局面)が変わったわけではない」と語った。

金光氏は高速バスの乗車に関して、男性はマスクをしていた上、発症前のため、長時間でも濃厚接触には当たらないとの見解を示した。

清水市長も7日午後10時から、市役所で記者会見に臨み、いわき市で新型コロナウイルスの感染者が出た件について報告した。

高速バスは午後1時、東京駅発いわき行きで、市は、健康に不安がある人は、帰国者・接触者相談センターに問い合わせるよう求めた。

写真は、感染者について記者会見する内堀知事=7日午後9時1分