2020年3月6日(金)

■市美展のラスト 工夫凝らした陶芸に個性豊かな写真展示

第49回いわき市民美術展覧会(市美展)のラストを飾る「陶芸の部」「写真の部」が6日から、市立美術館で始まった。同展実行委員会、市教委、市文化協会、同美術館主催、いわき民報社などの後援。15日まで。

館内には、陶芸116点(一般応募91点、青少年14点、招待出品11点)、写真175点(一般応募173点、招待出品2点)を展示。工夫を凝らした造形、個性豊かな写真が来場者の目を引いている。

開館時間は午前9時半から午後5時(入館は同4時半)で、9日は休館日。会期中の催しとして、「写真の部」は8日午後1時、招待作家による作品解説会、「陶芸の部」は土・日曜に解説員が常駐する。問い合わせは、同館=電話(25)1111=まで。

開催に先立ち4日、陶芸家の筒井修さん、フォトコン編集長の藤森邦晃さんによる審査が行われ、「陶芸の部」は、無職横須賀政雄さん(79)=三和町上永井=「七輪」が市長賞、無職横山猛さん(78)=草木台=「TOKYO 2020」が市議会議長賞、公務員芳賀明美さん(54)=中央台=「風と葉―奏」が市教育長賞に選ばれた。

「写真の部」は会社員小泉裕さん(36)=小名浜岡小名「特等席」が市長賞、無職江尻利一さん(78)=泉玉露=「夕陽差込む」が市議会議長賞、無職高木志津夫さん(79)=小名浜=「洗濯日和」が市教育長賞に輝いた。表彰式は8日午前11時、同館2階ロビーで行われる。

写真は、市長賞に輝いた小泉さんの「特等席」(クリックで拡大)

■小名浜港東港区 初の大型貨物船 荷揚げは延期

石炭輸入拠点の国際バルク戦略港湾として整備が進められている小名浜港東港区に4日、初めて貨物船が入港した。パナマックス級の大型外航貨物船で、本来は6日朝より作業を始める予定だったが、風速20メートルを超える強風の影響で開始することができず、条件が整い次第、地元発電所向けの石炭約5万トンを荷揚げする。

同港区は令和2年度内の本格供用開始を予定しており、完成後は同港区のみで年間約540万トンの石炭を取り扱うことが可能となるという。入港したのは、パナマ船籍の「SUNSHINE PRIDE(サンシャインプライド)」(全長229メートル、積荷重要トン数約8万1378トン)=船社・日本郵船。

豪州で荷積みした常磐共同火力勿来発電所向けの石炭約5万トンを、数日かけて東港区の野積み場(貯炭場)に運ぶ。

今回接岸した1号岸壁は、国直轄整備の耐震強化岸壁で、延長約370メートル、水深18メートルと、初入港した外航貨物船よりひと回り大きい、約12万トンもの荷を積載できる世界最大のケープサイズ級に対応している。

船から降ろした石炭は、県と特定埠(ふ)頭運営事業者が整備したベルトコンベヤーに載せた後、トラックに積み替えて東港区内で暫定的に運用を開始した約3ヘクタールの野積み場(完成時は約15ヘクタールに拡大)に運搬。

この後、市内と近隣の火力発電所に運搬する。荷役機械を用い1日に船から荷降ろしできる量は7千トン程度といい、本格的な運用により常態化している沖待ち(荷揚げのため、沖合で入港の順番を待つ)の解消と石炭の安定供給に期待がかかるという。

また、県によると、平成30年の小名浜港全体の石炭取扱量は約941万トンで、同港区の本格供用開始により年間約540万トンの取り扱い増が見込まれる。

同港区の総面積は約53ヘクタール、総工費は約1337億円。現在の進ちょく状況は95%程度で、昨年12月20日に1号岸壁や荷役機械、野積み場、臨港道路など一部の暫定供用を開始した。また、将来的には緑地エリアの整備も計画されている。

県は6日午前、暫定供用を開始した1号岸壁を報道陣に初公開した。

写真は、一部暫定供用開始後、初めて東港区に入港した外航貨物船=6日(クリックで拡大)

■センバツ開催方向に安ど 磐城・木村監督

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、日本高野連が第92回選抜高校野球大会(19日開幕、兵庫県・阪神甲子園球場)を無観客開催で準備することを表明してから一夜明け、21世紀枠で46年ぶりに出場する磐城の木村保監督が5日、同校で取材に応じた。

木村監督は「(無観客開催は)現在の社会情勢を鑑みれば仕方がないが、開催する方向を示してくれた主催者側に感謝したい」と安どの表情を浮かべた。

同校は県教委の方針に従い、4日から休校。木村監督は3日の合同練習を最後に、選手と顔を合わせていない。木村監督は4日夕、岩間涼星主将(2年)と市毛芳幸同校野球部保護者会長に高野連の審議結果を連絡。岩間主将は「はい、分かりました」とかみ締めるように受け止めたという。

「(最悪中止という)覚悟はあったと思うが、冷静だった」と木村監督。「まだ開催が決定ではないということが不安だが、開催の方向を示してくれた高野連の会見は子供たちに勇気を与えたはず」とほおを緩めた。

高野連が無観客ではあるが、開催を方針を表明したことを受け、他の出場校が続々と練習を再開したが、磐城は県教委の部活動自粛の方針に従い、休校を開始した4日以降、合同練習を自粛。

同校は県教委に対し、特例措置の要請をしているが、見通しは立っておらず、自主練習で調整している。合同練習最後の3日のミーティングで、木村監督は体力維持の徹底に加え、しっかりとバットを振り込むことを指導したという。

磐城ナインは当初、11日に空路で大阪入りし、先着したバスで移動する予定だったが、開会式、甲子園練習などが中止になったため、試合前日もしくは2日前のギリギリに出発する考え。

木村監督は「ここまで来たならいわきで腰を据えてしっかりと調整するだけ。(練習試合を)やらせてくれる学校があれば実戦経験を積みたい」と不安な気持ちを吹っ切った。

高野連は16日以降、対外試合を認めているが、現地で予定していた練習試合もすべて白紙となり、「どうしていいのか私も分からない状態。調整も最終段階まで来ていたので正直痛い」と木村監督。4日夜、関係者や地元応援団から数件、開催を願うメールが木村監督のもとに届いたという。

「台風19号の中も東北大会で躍動する姿を見せようと頑張ってきた。出来るだけのことをやれば彼らの想いが伝わるはず」と各所から激励に頭を下げ、「開催となれば、聖地・甲子園でコバルトブルーのユニホームが戦う姿を見せたい」と前を向いた。

写真は、報道陣の質問に答える磐城の木村監督=5日(クリックで拡大)