2020年2月22日(土)

■マラソン中止も 夜明け市場gohoubi ランナー向けに特別企画

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、23日の「第11回いわきサンシャインマラソン」は中止となったが、平字白銀町の復興飲食店街「夜明け市場」では、大会参加に代わって観光目的で来市したランナーを応援しようと、エントリーした人向けの特別企画を実施している。

特別企画を行っているのは、「世界のビールとフルーツビール gohoubi(ごほうび)」。3連休の間、大会に参加する人に対し、おでん1皿をサービスすると決めていた。gohoubiには毎年、県内外から多くのランナーが来店しており、参加者が親睦を深める場となっている。

店主の山越礼士さん(45)は「まさか2年連続で中止になるとは思いもしませんでしたが、少しでも来ていただいた人に楽しんでもらいたいです」と話す。大会は中止となったが、おでん1皿のサービスは継続した。

山越さんのもてなしはこれにとどまらない。夜明け市場の店舗有志に声をかけ、昨年末から商店側の両端を電飾で結んだ「天の川イルミネーション」を続けている。イルミネーションは初の試みで、約1万8千個の青色と白色の発光ダイオード(LED)で彩った。

いわきサンシャインマラソンの日まで行い、ランナーにも思い出にしてもらおうと発案した。? 「新型コロナウイルスとあって、中止の判断は仕方が無い」と山越さん。今宵(こよい)は一献傾け、また来年来てほしいと願いを込める。

3連休の営業時間は、22、24日は午後6時〜午前0時。23日は午後4時〜午前0時。問い合わせは、gohoubi=電話(38)7438=まで。

■いわきFC?バイロン 期限付きでチリ強豪へ

いわきFC(日本フットボールリーグ=JFL)の運営元・いわきスポーツクラブは21日、FWバスケス・バイロン(19)が、チリ1部リーグ(プリメーラ・ディビシオン)の「ウニベルシダ・カトリカ」に期限付き移籍すると明らかにした。移籍期間は12月31日まで。

ウニベルシダ・カトリカは、首都・サンティアゴをホームタウンとし、昨季を含む14度のリーグ優勝を果たした強豪チーム。今季も5戦5勝と首位を独走している。引き続きいわきFCと契約していたバイロンだが、母国・チリ1部のクラブから複数のオファーがあり、1月6日から現地に渡航していた。

バイロンは小学3年の時、両親の仕事の都合で、チリから埼玉県東松山市に移り住んだ。青森山田高に進学し、昨年度の全国高校サッカー選手権では優勝に導く活躍を見せ、昨季からいわきFCに加入した。

将来はチリ代表の夢を抱くバイロン。鳴り物入りでのいわきFC入りとなるも、昨季序盤は思うようなプレーができず、試合から外れることもあった。転機となったのは、渡辺匠コーチ(37)=小名浜出身、現・強化部アカデミーダイレクター=の言葉だ。

後半は好調だった要因を問うと、「『プレーでも私生活でも1番を目指せ』と匠さんに言われ、自分はどうなりたいか考えるようになった」と明かした。

移籍に当たって、バイロンは「いわきFCは僕のプレーを認め、声をかけてくれて、育ててくれた、僕にとって大事なクラブであり、感謝の気持ちでいっぱいです。ビッグな選手になって、またいつか、日本でプレーができたらと思います。応援よろしくお願いします」とコメントを寄せた。

■色とりどりのつるし雛 遠野町・きもの乃館丸三

遠野町根岸の「きもの乃館丸三」では3月31日まで、ちり緬(めん)細工作家として市民教室の講師を務めるなど、市内を中心に活躍する小野悦子(錦町安良町)、小松スミ子(勿来町大高)さん姉妹のつるし雛(びな)飾りが展示され、来館者たちを喜ばせている。

桃の節句に合わせ昨年より開催されている企画展で、会場には猿やレンコン、毬( まり)、鶴、鯛(たい)などの縁起物をつるした色とりどりのつるし雛をはじめ、子孫繁栄、五穀豊穣(ほうじょう)などを願う干支(えと)の子(ね=ねずみ)の置物、かわいらしいひな飾りが数多く展示されている。22日は連休初日とあって家族連れなどが次々と訪れ、写真を撮るなどして華やかな空間を満喫していた。

開催時間は午前10時より午後3時。定休日は水曜。また会期中、29日と3月7、14、21、28日はフクロウ、うさぎ、桜など初心者向けのつるし雛作品を作るワークショップも開催する。午前10時から2時間ほどで、小さめの針と白のミシン糸を持参する。材料費は千円。問い合わせは丸三=電話(89)3000=まで。

写真は、華やかな雰囲気が来館者を喜ばせている丸三のつるし雛かざり展=22日(クリックで拡大)

■上野邦彦さんスケッチ画展 25日まで・ギャラリーいわき

退職を機に本格的に絵を描き始め、80を過ぎてからも精力的に新作を発表し続けている上野邦彦さん(88)=岩手県盛岡市出身、金山町朝日台在住=の個展「上野邦彦スケッチ画展―静物と風景―」が25日まで、泉ケ丘二丁目のギャラリーいわきで開かれている。

上野さんは平成4年に呉羽化学工業(現・クレハ)を退職後に画業に力を込め、美術サークル3B会などで活躍。二十数年来の友人でもある同ギャラリーオーナー・藤田忠平さんの誘いを受けて、80歳の節目の平成24年に個展を初開催し、以降、毎年早春に個展を催している。

9度目となる今展には、ペンと厚紙、ペレットをポケットに忍ばせて藤田さんらと訪れた奥久慈の情景や身近な田人の農村風景、御斎所峠の新緑をはじめ、20歳代のころから仕事で何度も訪れた英国、ポルトガルなどヨーロッパの町並みのスケッチ画(水彩)を出展。

カボチャやビワ、ラベンダー、フリージア、椿(つばき)、百日草などの静物画、英字新聞のコピーと切手、スケッチ画を合わせた遊び心あふれるコラージュも並べた。

現在も取材旅行を重ね、調子の良いときには1日でスケッチブックを使い切るほど精力的に絵を描き続けており、来廊者たちは年齢を感じさせない上野さんの画業にかける姿勢、力作の数々から多くの刺激を受けていた。

開場時間は午前11時〜午後7時。問い合わせは同ギャラリー=電話(56)0264=まで。

写真は、25日まで開催中の上野さんのスケッチ画展=22日(クリックで拡大)