2020年2月20日(木)

■新種に認定! アクアマリン採集の深海魚「オトヒメコンニャクウオ」

ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は20日午前、北海道・知床半島の羅臼沖で採集した深海魚「オトヒメコンニャクウオ」が新種として認められた、と発表した。

新種の魚は人気の高いコンニャクウオの仲間で、同館ではこれまで3個体を採集し、国内有数の魚類分類学者でもある京都大の甲斐嘉晃博士と共同研究を進め、今月上旬に発行した日本魚類学会の英文誌で公表、新種として認められた。

体長の半分ほどにもなる黒縁の長い胸びれが特徴といい、大きな胸びれをヒラヒラとさせながら海を舞っているような美しい姿が竜宮城の乙姫様をイメージすることから、<乙姫こんにゃく魚>と名付けられた。

平成29年には仲間のハゴロモコンニャクウオ、昨年10月にもユウレイコンニャクウオが新種に認められたばかり。残念ながら採集したオトヒメコンニャクウオは亡くなり現在は展示していないが、研究に携わった同館の松崎浩二さんは「生きたままの展示を目指し、採集や飼育環境の整備、研究を進めていきたい」としている。

写真は、新種に認められたオトヒメコンニャクウオ(クリックで拡大)

■トマト・梨ロゴ 商標登録に?「サンシャインいわき」PR

JA福島さくらいわき地区本部は19日、いわき市の代表的な農産物として、「サンシャインいわきトマト」「サンシャインいわき梨」のロゴデザイン=下図(クリックで拡大)=が、特許庁の商標登録原簿に登録されたと明らかにした。ブランド化や海外輸出に向け、いわき市の魅力をアピールする一助とする。

トマト・梨いずれも、サンシャインを名乗るには独自の要件がある。トマトは出荷協議会の生産組織に限っており、梨は小川町のいわき梨共同選果場を通さなければならない。

東電福島第一原発事故に伴い、いわき市の農産物は風評被害にさらされたが、安全性をPRするのを兼ね、平成30年にトマトと梨のロゴマークをつくった。ロゴマークは、いわきの海をあしらっているほか、トマトは赤色、梨は黄色で彩られ、みずみずしさを表現している。どちらにも「サンシャインいわき」の英字が添えられた。

梨は現在、東南アジア向けに出荷されており、商標登録をきっかけに、トマトの海外輸出も見据えている。商標登録が認められたことで、勝手に第三者が「サンシャインいわきトマト」「サンシャインいわき梨」を使うことはできず、市場での差別化も図られる。

25日には、自由ケ丘のJA福島さくらいわき地区本部で、商標登録証の授与式が行われる。

■鹿島町のがけ崩れ 25日から工事に着手へ

県は19日、いわき市鹿島町久保の県道小名浜・平線(通称・鹿島街道)で、昨年8月に発生したがけ崩れについて、25日から工事に着手すると明らかにした。3月10日から岩の撤去や、仮設防護柵の設置を進め、6月ごろに暫定3車線、10月ごろに暫定4車線を確保する計画だ。

11月にはのり面の緑化が図られ、12月末には岩の撤去が完了する見通し。工事全体は来年3月に終えるという。

がけ崩れは昨年8月24日夜に起きた。鹿島街道の鹿島町船戸字柿境―同市鹿島町走熊字小神山間(1・5キロ)が、同29日まで通行止めとなったが、現在は暫定2車線で通行できる。ただ慢性的な渋滞が引き起こされている上、現場の交差点は右折が制限されている。

通行止め解除に当たっては、専門家による現地調査に加え、崩れた部分を囲うように、高さ2・7メートルの土のうを約60メートルにわたって設置した。

国土交通省国土技術政策総合研究所( 国総研)の分析によると、砂岩質の岩盤が経年劣化したのが崩壊の原因とみられる。内部は過去に石切り場だったため、空洞となっており、東日本大震災の揺れも影響した可能性があるともされる。

復旧作業に関しても言及しており、岩塊を上から撤去するか、下から撤去するか見極める必要があり、安全に留意すべきと求めていた。

写真は、25日からの工事着手が示された現場=20日(クリックで拡大)

■早咲きの<河津桜>開花 佐糠子どもグラウンド

佐糠町の佐糠子どもグラウンドに並ぶ50本の早咲きの桜、河津桜が19日に10輪以上の花をつけ、管理する常磐共同火力勿来発電所が開花宣言を行った。

発電所の創立50周年の記念事業として平成17年に植樹され、ひと足早く春の息吹を感じさせる勿来の風物詩として、市民に親しまれている。今年は暖冬の影響からか、昨年より2週間ほど早く7日に1輪の開花が確認されたが、ここ数日の寒の戻りでつぼみのほころびが進まなかった。

19日はちょうど、空から降る雪が雨に変わり氷が解けて水になるころを指す、二十四節気のひとつ「雨水(うすい)」で、寒さも峠を越えるとされる。

福島地方気象台によると、浜通り地方は今後1週間は曇り空と青空が交互する天気が続くものの気温は高い日が続き、春の陽気となる日も。例年ならば河津桜の見ごろは3月上旬からとなるが、一気に開花が進むこともありそうだ。

写真は、開花宣言を迎えた「火力」の河津桜=19日(クリックで拡大)