2020年2月9日(日)=休刊日

■「勿来八景」フォトコン 特選は石森さんと江名さん 3月から巡回展示

市南部地区中心市街地活性化協議会(根本克頼会長)主催の「第10回『勿来八景』フォトコンテスト」の審査会が先ごろ行われ、勿来八景の部はサーファーに親しまれている岩間海岸の夕刻の情景を撮影した石森文夫さん(小名浜)の「菊田浦の夕景」、フリーの部は昨年7月の御宝殿熊野神社例祭に参加した男児たちのくつろぐ様子をとらえた、江名国夫さん(小名浜)の「僕たち『ワンチーム』」が第1席の特選を受賞した。

表彰式は26日に市勿来支所で行われる。同支所共催、市勿来関文学歴史館後援。

勿来八景は、磐城平藩第3代藩主・内藤義概(よしむね)の次男で、江戸時代の俳人内藤義英(俳号・露沾)が選んだ勿来地区の風光明媚(めいび)な景勝地、大高朝霞(ちょうか)、関田晩鐘(ばんしょう)、湯嶽晴雪、大崎夜雨、平潟帰帆、小濱夕照(せきしょう)、佐糠落雁、中田秋月を指す。

それぞれに露沾と門人が詠んだ句碑が建てられており、同コンテストは露沾と門人の功績などを後世に伝え、勿来地区の魅力を広く発信しようと平成22年に始まった。

今年も勿来八景にちなんだ春夏秋冬の風景作品「勿来八景の部」と、同地区の祭事や自然をテーマにした「フリーの部」が設けられ、県内外から勿来八景には26点(昨年27点)、フリーには38点(同40点)の応募があった。

審査会は5日に勿来市民会館で開かれ、根本会長と鈴木修一郎副会長、カメラのシミズの清水信弘代表取締役会長、カメラのカシムラの樫村博一代表取締役、勿来関文学歴史館の中山雅弘館長、弊紙をはじめ地元報道機関の記者が審査員を務めた。

根本会長が「レベルが高く、以前より優れた作品が多い」と評する力作ぞろいで審査は難航したが、勿来八景の部は岩間海岸を俯瞰(ふかん)で撮影し、夕陽を浴び美しく輝く渚の表情、暮れゆく砂浜とサーファーのシルエットが印象的な石森さんの作品を特選に。

フリーの部で特選に選ばれた江名さんの作品は、国指定無形民俗文化財として親しまれている熊野神社の例祭「稚児田楽・風流」をテーマに、くつろぎ豊かな表情をみせる男児たちを撮影。昨年開催され、日本中を熱狂させたラグビーW杯に例えた作品タイトルも高く評価された。

両作品をはじめ、入賞作品は3月5日より7月9日まで、同支所を皮切りに同文学歴史館、植田、金山、錦、勿来、山田、川部各公民館で巡回展示される。

写真は、上が石森さん、下が江名さんの作品(クリックで拡大)