2020年2月6日(木)

■県立高入試新制度「前期選抜」 きょうから出願受け付け始まる

今春から新たに導入された県立高入試のうち、「前期選抜」の出願受け付けが6日、いわき市を含む県内各校で一斉に始まった。県立高入試では昨春までの自己推薦に当たる「I期選抜」、一般入試に当たる「II期選抜」を統合し、「前期選抜」と改め、すべての生徒に学力検査を課す。締め切りは12日正午。

平字高月の磐城高(阿部武彦校長)でも、午前9時の受け付け開始から、中学校の関係者が訪れており、教職員が書類の確認を進めていた。今春からの「前期選抜」は志願してほしい生徒像に応じた特色選抜、学習成果を総合的に見る一般選抜に分けられる。

特色選抜は「I期選抜」と同じく自己推薦の形を採っているが、学業や部活動に力を入れたり、リーダーシップを発揮したりと、学校ごとに志願してほしい生徒像を設定。定員のうち、原則として5〜50%の間で募集定員枠を規定している。

学力検査は5教科250点満点とするが、教科によって傾斜配点も実施できる。市内高校では磐城桜が丘が採用し、文系は国語と英語、理系は数学と英語の得点をそれぞれ加え、350点満点としている。いわき市の高校の場合、一般選抜の募集人数は、定員から特色選抜の合格者を除いた分となる。

「前期選抜」は3月4日に特色選抜、一般選抜ともに、学力検査を実施し、同6日までの3日間で、特色選抜の小論文や実技を行う。定員に満たない際は昨春までの「III期選抜」に代わり、「後期選抜」が行われる。

写真は、前期選抜の受け付けが行われている磐城高=6日(クリックで拡大)

■老舗格衣料品の平・鈴藤 破算手続き開始決定

平字三町目の衣料品販売業・鈴藤が、地裁いわき支部から破算手続き開始決定を受けた。5日に発表された大手信用調査会社・東京商工リサーチのまとめで分かった。負債総額は約6000万円。決定は昨年12月19日付。

鈴藤は大正14(1925)年創業。婦人衣料品販売や各種生地の取り扱いで知名度を有し、市内でも老舗格の業者だった。だが景気低迷や同業との競合、時代の変遷に対応できなかったこともあり、売上高はじり貧となって採算も悪化した。今後の回復見通しが立たないため、破産手続きに至ったという。

平字三町目の本町通りには、地上5階・地下1階建ての鈴藤ビルが立っている。昭和36(1961)年のしゅん工で、展望台が目を引き、旧平市を一望できた。東日本大震災による復興需要が先細りする中で、空洞化が進む平中心地市街地のあり方が問われている。

写真は、平字三町目に立つ鈴藤ビル=6日(クリックで拡大)

■市の新年度組織改正 除染対策課の係廃止 水道局には防災力向上担当を

市は新年度、行政組織を一部改正する。生活環境部では、除染対策課の係を廃止する。東電福島第一原発事故による汚染土壌が3月末をもって、学校施設などから仮置き場に集約されるためで、今後も中間貯蔵施設(大熊、双葉町)への搬出や、仮置き場の返還に対応する。

なお仮置き場は市内37カ所にあり、計20万9000立方メートルが置かれているが、3月までに13カ所にまとめられ、令和4年度中にすべて運び出される計画だ。

都市建設部では、開発行為に関する事務を建築指導課に移管し、開発審査係を新設する。また昨年10月策定の第二次市都市計画マスタープランを基に、市立地適正化計画の具現化に対応するため、都市計画課に都市再生係を立ち上げる。住まい政策課には空き家対策係をつくり、空き家の相談対応や実態調査を強化する。

水道局では昨年10月の台風19号で、夏井川の決壊によって、平浄水場が水没した事態も受け、総務課に人材育成・防災力向上担当を配置し、トップには課長級を据える。令和3年度にいわき市の水道通水100年を迎えることから、広報情報係を経営企画課から総務課に移す。併せて各種計画の策定に向け、経営企画課を経営戦略課に改め、企画と財務の2係体制とする。

■写真で見せる重厚な迫力 勿来文歴で「歴女が巡るいわきの仏像」

市勿来関文学歴史館は3月15日まで、ギャラリー展示「歴女が巡るいわきの仏像〜南部編〜」を開いている。昨年7月から9月まで、市考古資料館で開かれた同名の特別展の第2弾。会場となる1階の市民ギャラリーには、市内の写真愛好家平沢ミチ子、引地幸枝、大津賀礼子さんと指導に当たっている市内のプロカメラマン上遠野良夫さんが撮影した作品が並ぶ。

東光寺(遠野町上遠野)と円通寺(同)、禅長護国禅寺(小名浜林城)、光西寺(広済寺=鹿島町御代)、能満寺(常磐西郷町)を訪ねて撮影した奈良、室町、江戸時代の釈迦如来坐像、聖観音菩薩坐像、子安観音菩薩半跏(はんか)像、不動明王立像など12点の大型写真パネルが展示されている。

中には能満寺の虚空蔵菩薩坐像のような、国指定重要文化財も含まれており、ふだんなかなか見られない貴重な仏像は、写真ながら重厚な迫力を見せている。? 観覧無料。問い合わせは、市勿来関文学歴史館=電話(65)6166=へ。

写真は、ギャラリーに展示されている仏像写真の数々(クリックで拡大)