2020年2月3日(月)

市は3日までに、いわき市の農林業発展に貢献したり、農村社会の近代化に取り組んだりした個人・団体をたたえる「いわき市農林業賞表彰」の本年度受賞者を決定した。個人・団体の部では平赤井のあかい菜園、青年の部では平菅波の箱ア寿正さん(45)、貢献の部では平字五町目の北林由布子さん(49)、平中塩の吉野康平さん(39)が選ばれた。表彰式は7日、内郷綴町のクレールコートで開かれる。

市農林業賞表彰は昭和52年度に始まり、昨年度までに152人・43団体に贈られてきた。本年度で43回目を迎える。本年度の受賞者は、昨年10月の台風19号による影響も受けた。あかい菜園や、吉野さんが厨房(ちゅうぼう)に立つ平下平窪の中華料理「華正樓(かせいろう)」は、夏井川が決壊したため、水没する被害に遭っている。

受賞者の主な業績は次の通り。

【あかい菜園】平成19年12月設立。他の産地との差別化を図るため、いわき市のブランドトマト「サンシャイントマト」の栽培に対し、積極的に先進技術を取り入れ、増産や作業の効率化などを果たした。農業電化協会主催の平成27年度農業電化推進コンクールでは、農林水産省生産局長賞(大賞)に輝いた。29年3月には市内で最初に、日本版の農業生産工程管理の認証「JGAP」を受けた。

【箱ア寿正さん】平菅波・東農園の代表取締役。現在は14ヘクタールのほ場で、コシヒカリやミルキークイーンなどを生産している。いわきコメの会副会長も務め、生産技術の向上に積極的に取り組む中、平成28年には県から「エコファーマー」の認定を受け、環境に優しい農業を実践する。市農業委員会委員など要職にも就くほか、指導農業士として、いわき市の農業の将来を担うことが期待されている。

【北林由布子さん】平字三町目・イタリアンレストラン「La Stanza(スタンツァ」のオーナーシェフ。東電福島第一原発事故を踏まえ、素材集めから生産者とつながり、農産物の安全性をPRする。街中を活性化させるイベント「三町目ジャンボリー」では、生産者が直接販売する機会を設けたほか、いわき夢ワインを育てる会の理事も務め、いわき市の農業振興に貢献している。

【吉野康平さん】平下平窪・中華料理「華正樓」料理長。原発事故後、いわき産食材を使用した中華料理を提供し、消費者にその魅力を伝えているほか、メディア取材でも積極的に「いわきの食」のPRに努め、風評払しょくに取り組んでいる。いわき産農産物のマコモタケを活用し、生産者と一緒に加工品開発に臨み、直売所での販売を実現。生産者の所得向上にもつながっている。

写真は、受賞した1団体・3人(クリックで拡大)

■市中学校新人駅伝 男子・中央台南 女子・勿来一が連覇

男子第42回・女子第38回市中学校新人駅伝競走大会(いわき陸協、市中体連、市教委主催)が1日、21世紀の森公園内のいわきグリーンスタジアム周辺コースで開かれた。市内の男子35、女子34校が出場。全区間2・3キロの周回コースで行われ、男子が6区間13・8キロ、女子が5区間11・5キロでたすきをつないだ。その結果、男子は中央台南が2年連続3回目、女子は勿来一が2年連続5回目の優勝を果たした。

<男子レース展開>

経験豊富な主力がレースをけん引し、中央台南が連覇。前回、昨秋の市大会と3季連続でいわきの頂点に立った。各校のエースが顔をそろえる1区を制したのは、いわき秀英の大石。

1秒遅れで内郷一の遠藤が続いた。思わぬ伏兵の登場で、冬の覇権争いは波乱の幕開けとなるかに思えたが、中央台南の小林が3位と表彰台圏内を死守し、2区・植村にたすきをつなぐと、すぐさま上位2人をかわし、トップに。唯一、6分台で個人総合1位の走りで独走態勢を築いた。

初の公式レースとなる3区・川上、5区・神田が堂々の走りを披露。2人をつなぐ、主将の4区・斎藤が区間トップの走りでさらに後続を引き離した。最終6区の秋元も区間1位の走りでゴール。2位の内郷一を1分18秒引き離し、出場35校の頂点に立った。

入賞圏外から着実に順位を上げた湯本一が3位と表彰台を死守。スタートこそ出遅れたが、2区以降、安定したレースを見せた草野が4位、入賞ラインぎりぎりで踏ん張った勿来一が5位、小川が6位に入った。

<女子レース展開>

全国の舞台を経験した主力3人を擁する勿来一が堂々の連覇を達成。全5区間、トップの座を譲ることなく、女王の強さを見せつけた。

エース級が顔をそろえる花の1区でトップに立ったのは勿来一の銭谷。7分台には一歩届かなかったが、個人総合1位の走りで、2・5キロにわたる1学年下の宿敵の湯本一・本馬とのつばぜり合いを最後で制し、2区・小野につないだ。

初の公式レースとなった小野、4区・渡辺の1年生2人の頑張りと、3区・三浦が区間トップの走りで独走態勢を構築。最終5区・寺西も区間1位とアンカーの大役を務め、2位の湯本一を1分近く引き離し、トップでゴールした。

2年ぶりの女王の座への返り咲きを狙った泉は上位2校にあと一歩届かず、中盤で着順を一つ上げて3位。スタートで22位と出遅れた平三が尻上がりの驚異的な追い上げを見せ、4位に入った。

出だしの11位から着実に順位を上げ、平一が5位でフィニッシュ。終始、入賞圏内を走る安定したレース運びを見せた中央台南が6位で続いた。

写真は、ゴールを駆け抜ける男子が中央台南の秋元翔太、女子が勿来一の寺西唯七=1日(クリックで拡大)

■大阪・堺から職員着任 台風19号の復旧支援

大阪府堺市から3日、昨年10月に起きた台風19号の復旧支援に向け、中長期的な派遣職員として、西功一さん(34)がいわき市に着任した。辞令交付式が同日、市役所応接室で行われ、清水市長が辞令を手渡した。

西さんは、堺市建築監理課事務職員から転じた。いわき市では建築指導課事務主任に就き、住宅の応急修理制度の書類審査業務などに従事する。派遣期間は28日まで。

辞令交付式では、清水市長から「関西とは県民性も異なる上、初めての土地で不慣れな部分もあると思うが、これまで培った経験を生かし、頑張ってほしい」とエールが送られた。

写真は、辞令交付に当たって激励される西さん=3日(クリックで拡大)

■ら・ら・ミュウ恒例の節分祭 福は内!の掛け声で豆まく

市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」恒例の季節行事「節分祭『豆まき』」が2日に同館で開催され、多くの市民や行楽客が2階テラスからまかれた福豆などの縁起ものを求めた。

午前と午後に行われ、まず地元の小名浜鎮守諏訪神社(小名川祐輝宮司)による神事「玉串奉奠(ほうてん)」を行い同センターと地域の安寧、発展を願った。このあと行われた待望の豆まきでは、職員とテナントの従業員が「福は内!」の掛け声とともに、2階西側のテラスから1階のボードウオークに向かって神事で清めた福豆を一斉にまいた。

<ら・ら・ミュウならでは>のイワシの干物やテナントの食事券、ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」の入場券、恵方巻きの引き換え券などもまかれ、運よく手にした来場者は大喜び。ほかの来場者たちも競うように縁起ものへ手を伸ばしていた。

写真は、清めた福豆を1階の来場者へ向けてまくテナントの従業員たち=2日(クリックで拡大)