2020年1月30日(木)

■四倉の工場 来年1月稼働 ニッチュー・平塚社長「一緒にいわきのPRを」

市主催の「令和元年度いわき市内企業間交流会」が29日、平字一町目のいわきワシントンホテル椿山荘で開かれた。市内の企業や教育関係者ら70人が出席する中、四倉町の四倉中核工業団地に来年1月、新工場を稼働させる予定の金属加工機械製造業の「ニッチュー」(本社・東京都台東区)から、平塚勝朗代表取締役が参加し、いわき市進出に当たっての思いを語った。

ニッチューは昭和34年、粒体を衝突させて加工するショットブラストのメーカーとして発足し、県内でも鉄工業や自動車関連産業、鉄道など幅広い分野で、開発された機械が使われている。東日本大震災からの復興の面でも技術を発揮し、東電福島第一原発事故に伴い、汚染水を浄化した後の処理水を貯蔵するタンクに対し、放射性物質を除染するブラストマシンも生み出した。

平塚氏はこうした取り組みを踏まえ、「国内外で福島を知らない人はいない。ならば、この『福島ブランド』をうまく使うべきだ」と指摘。いわき市の企業は震災・原発事故によって、新たな補助金を獲得できる利点も活用すべきと語った。

「総力を挙げて、ものづくりを全国に訴えるべき」と平塚氏。中小工場が有名な東京都大田区や、大阪府東大阪市に負けない能力を有しているとも話した。

さらに平塚氏は新工場の稼働に合わせ、いわき市で部品・部材の調達や、販売網や運送網の整備にも努めたいとも強調。東日本大震災から、浜通りの産業復興を目指した「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」の実現に触れながら、「一緒にいわき・福島だからできることを、PRしていきましょう」と呼びかけた。

ニッチューによると、新工場は敷地面積約1万400平方メートル。建物延べ床面積約5000平方メートル。着工は3月、完成は10月の見通し。交流会では市の担当者も登壇し、若者の地元定着や外国人労働者の登用など、いわき市の雇用に関する考えを説明したほか、出席者を交えた懇親会も催された。

写真は、いわき市進出について思いを語る平塚氏=29日夕方(クリックで拡大)

■なりすまし詐欺の撲滅を 親父の小言モデルに鈴木さん

いわき中央地区防犯協会連合会(会長・清水市長)は30日、続発するなりすまし詐欺の被害を防ぐため、いわき中央署と連携し、浪江町の大聖寺に伝わる「親父( おやじ)の小言」を活用した啓発活動のモデルを委嘱した。

親父の小言は「朝きげんをよくしろ」「人には腹を立てるな」などの格言で知られ、現在では全国の飲食店などにも掲示されている。同署はこれを踏まえ、大聖寺と協力し、「電話の相手に気をつけろ」「知らない番号からのコールは無視しろ」など6項目を設定している。

啓発活動のモデル委嘱に当たっては、厳しいイメージの「雷親父」にふさわしい人を求めたところ、いわき市常磐上湯長谷町の教員鈴木是行さん(54)が選ばれた。

同署で行われた委嘱状の交付式では、佐治誠署長らが見守る中、清水市長から「なりすまし詐欺が1件でも減るように尽力願います」とエールを送られた。鈴木さんは「詐欺の手口が巧妙になっている。被害防止を発信できる活動を行っていきたい」と誓った。

委嘱期間は3月31日まで。交付式に続き、鈴木さんは内郷御廐町のヨークベニマル内郷店で、なりすまし詐欺の被害防止を訴える街頭啓発に参加した。

写真は、モデルに委嘱された鈴木さん(中)。左は清水市長、右は佐治署長=30日(クリックで拡大)

■泉町の5人重軽傷事故 再発防止に意見交換 東署など

15日に泉町で発生し、泉小の児童5人が重軽傷を負った交通事故を受け、いわき東署(増子一公署長)と同校、交通関係機関・団体は29日、事故の再発防止対策を練るために現場となった泉町三丁目の泉郵便局東交差点を点検した。

事故は下校中の児童5人が、青信号で横断歩道を渡っていたところ、進行方向正面から交差点を左折してきた軽自動車にはねられ、女児1人が右手骨折の重傷、ほかの4人が打撲などの軽傷を負った。

運転手の女性(69)は自動車運転処罰法違反(過失致傷)の現行犯で逮捕され、同署で調べを進めているが、車は信号待ちで停車した後、再発進する際に横断歩道を歩いていた児童の列に突っ込んだ。時速15キロほどの低速だったが、女児は7メートルほど吹き飛ばされており、一歩間違えば重大な結果となっていた可能性も。

関係者、地域住民の関心も高く、点検には約60人が出席し、現場の状況をつぶさに調べた後、近くの泉公民館に場所を移し同署の深谷英史交通課長から事故の詳細な概要について説明を受けた。

泉地区は震災後、新しい住宅が立ち並び区画整理事業が盛んで、旧市街地では横断歩道や車の停止、歩道のラインが消えかかっている箇所の整備が後回しにされ、適切な信号、カーブミラーの設置などの要望が通らない状況が続いているといい、今回の事故の背景には人口の急激な増加に反し道路の安全性が追い付いていないのではないか、との意見が挙がった。

また、同校では事故直後の対応などを紹介しながら、事故に遭った子どもたちを中心に精神面のケアを続けている現状を報告。出席者たちは再発を防ぐために何ができるか、精力的に情報と意見を交わしていた。

写真は、事故の再発に向けて意見を交わす出席者たち=29日午後(クリックで拡大)

■2月2日に「豆まき」 ら・ら・ミュウ 豪華景品もまかれる

市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」の節分祭「豆まき」が2月2日、同センターで開かれる。参加無料。日ごろの感謝の気持ちを込めた節分の恒例行事で、当日は2階西側のテラスから1階のボードウオークに向け、同センター職員とテナント会員が福豆とともにイワシの干物や恵方巻きの引換券、同館とテナントのお食事券、スパリゾートハワイアンズ、ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」の入場券などをまく。

時間は午前11時からと午後3時からの2回。問い合わせは市観光物産センター=電話(92)3701=まで。