2020年1月27日(月)

■聖火リレー 県のPRランナー発表 いわき市ゆかりの南キャン・しずちゃんも

県は27日、東京五輪の聖火リレーで県内を走るPRランナーに、お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと山崎静代さんなど、7組を起用すると発表した。しずちゃんは、いわき市常磐藤原町のスパリゾートハワイアンズがモデルの映画「フラガール」に出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。内堀知事が同日、定例の記者会見で明らかにした。

しずちゃんは「『フラガール』の撮影では、たくさんの福島の人たちに支えてもらいました。福島の皆さんに力をもらったことを思い起こしながら、少しでも多くの人々に笑顔を届けられるよう、一生懸命走りたいと思います」とコメントを寄せている。東日本大震災・東電福島第一原発事故からの復興を目指し、しずちゃんは、いわき市の魅力をPRする「いわき応援大使」にも任命されている。

また、アイドルグループ「TOKIO」の4人も選ばれた。TOKIOは、日本テレビ系番組「ザ!鉄腕!DASH!!」で、浪江町の里山を開墾した人気企画「DASH村」を展開し、原発事故後は風評払しょくに向け、CMなどで県産品の安全性を伝えている。

聖火リレーは3月26日、Jヴィレッジ(楢葉、広野町)から始まり、しずちゃんやTOKIOは、初日にランナーを務める。区間などの詳細は2月以降に公表される。

その他のPRランナーは次の通り(敬称略)。

遠藤尚(スキー・フリースタイル選手、五輪3大会連続出場、猪苗代町出身) 大林素子(元バレーボール選手、五輪3大会連続出場、会津若松市観光大使) 窪田正孝(俳優、NHK連続テレビ小説「エール」の主人公) 室屋義秀(エアロバティック・パイロット、福島市在住) 箭内道彦(クリエイティブディレクター、郡山市出身)

写真は、PRランナーに決まった南海キャンディーズ・しずちゃん(クリックで拡大)

■台風19号の避難所 最後の内郷コミセン閉鎖

市は27日、昨年10月の台風19号に伴い設置した市内避難所について、唯一残っていた内郷コミュニティセンターが、26日をもって正式に閉鎖されたと明らかにした。最後の避難者は25日午後4時半ごろ、内郷コミュニティセンターを退出した。

市によると、台風襲来前の昨年10月12日午前10時から順次、市内の学校や公共施設に避難所を設置。翌13日午前1時には最大で57カ所の避難所に、3018世帯・6968人が身を寄せた。

市内避難所は昨年12月、内郷コミュニティセンターのみとなったが、31世帯・69人が年を越さざるを得なかった。市では個別に事情を聴いた上で、東電福島第一原発事故によって整備された市内応急仮設住宅を紹介したほか、民間アパートへの引っ越しが決まったことで閉鎖に至った。市内避難所の開設期間は106日間だった。

ただ避難していた人の多くが、夏井川の決壊などで自宅が水没し、生活の先行きに不安を抱いていた。生活再建に向け、転居先での支援も欠かせない。東日本大震災・東電福島第一原発事故では、仮設住宅や公営住宅で、誰にもみとられず亡くなった「孤独死」も問題となった。

清水市長は27日、避難所の閉鎖を受け、「今後も被災された皆さまが、一日も早く安心して生活できるよう、孤立防止の見守り支援等を行うほか、各種支援制度の周知や相談対応など、関係機関と連携して寄り添っていく」とのコメントを発表した。

■3年連続盗塁王・屋鋪さん 野球の楽しさ伝える

県地域創生総合支援事業のサポート事業として、「ふくしまスポーツ未来プロジェクトinフランシティいわき」(同いわき実行委員会主催)が26日、南部アリーナで開かれた。大洋、横浜(現DeNA)、巨人で活躍した元プロ野球選手の屋鋪要さん(60)が講師として来市。未来の球界を担う子供たちに野球の楽しさや素晴らしさを伝えた。

同プロジェクトは、「スポーツのチカラで福島を盛り上げよう!」がサブテーマ。県内のスポーツ界の発展と交流人口増加、世界に通用する選手の育成を目的とし、冬場でも温暖ないわきを会場に初開催した。

2部制で行われ、「運動能力が著しく発達する時期」とされるゴールデンエイジ(5〜12歳)を対象とした午前の部、中学軟式野球のいわき選抜チーム「いわき松風クラブ」をはじめ、市内の中学1、2年生の野球部員を対象とした午後の部の2部制で実施。今夏の2020東京五輪の野球競技開催を契機とし、野球人口の減少に歯止めをかけようと、ミニ野球教室などを開いた。

午前の部には約150人の子供たちが参加。内野ゾーンでは2022年ユース五輪(セネガル・ダカール)の追加競技として承認された5人制の「ベースボール5」などが行われ、バットを使わず、投手もいない手打ち野球のようなニュースポーツにふれた。外野ゾーンでは「ドッチビー」「タグラグビー」などを実施。参加した子どもたちは心地よい汗を流しながら、スポーツを楽しんだ。

午後の部のミニ野球教室には中学1、2年生60人が受講。守備練習を主に行われ、現役時代、1986〜88年まで3年連続で盗塁王、通算5度のゴールデングラブ賞を獲得など、俊足巧打の外野手として活躍した屋鋪さんが野球の基本となるキャッチボールの大切さを伝えた。

屋鋪さんは、より正確な捕球から送球までの一連の動作を伝授。中学生たちは今シーズンの実戦で役立てようと、日本球界の最高峰の一線で活躍した屋鋪さんの話に耳を傾けながら、練習に汗を流した。

写真は、屋鋪さん(右)の手本でキャッチボールの大切さを学ぶ中学生たち=26日(クリックで拡大)

■水石山で母子4人の遺体発見 死亡に関与の男 容態回復

いわき市三和町合戸の水石山公園駐車場で22日未明、普通乗用車の車内から母子4人の遺体が見つかり、4 人の死亡に関与したとみられる男(51)が重傷で運転席にいた事件で、男は医師や看護師と会話できるまでに回復したことが27日、捜査関係者への取材で分かった。

男は事件が発覚した際、首や腹に刺し傷を負った状態だったため、市内病院に入院して手術を受けていた。いわき中央署は殺人容疑を視野に、男が勾留に耐えられるのを待って逮捕する方針。

事件は22日未明、男の「人を刺した」との110通報で明らかになった。署員が水石山駐車場に駆け付けたところ、助手席や後部座席から母子4人の遺体が発見された。

同署によると、遺体は同市小名浜愛宕町、女性(43)、息子の中3・男子生徒(15)、娘の中2・女子生徒(13)、同・女子生徒(13)。女子生徒は双子の姉妹。男と女性は同居関係にあり、同じアパートの隣に住んでいた。

男は清掃業を営み、同市平の業者の下請けもしていたが、事業に失敗して借金を抱えていた。捜査関係者によると、21日朝に自宅を出発し、練炭や七輪(しちりん)を購入した後、水石山公園に向かっており、計画的に無理心中を図った可能性がある。