2020年1月22日(水)

■水石山駐車場 小名浜の母子4人の遺体見つかる 男から事情聴く方針

22日午前2時ごろ、いわき市三和町合戸字内畑の水石山公園駐車場で、停車中の普通乗用車の助手席や後部座席から、40歳代の女性と10歳代の少年・少女3人の遺体が見つかった。

運転席には職業不詳の男(51)が首や腹に刺し傷を負った状態でおり、自分が4人を刺した趣旨の話をしていた。男は意識がもうろうとしており、重傷のもようで、市内の病院に搬送されたが、命に別状はないという。

いわき中央署は無理心中を図った可能性もあるとみて、殺人容疑を視野に、男の回復を待って事情を聴く方針。

同署によると、遺体は同市小名浜愛宕町、職業不詳女性(43)、息子の中3・男子生徒(15)、娘の中2・女子生徒(13)、同・女子生徒(13)と判明している。女子生徒は双子の姉妹。男は女性と同居する関係だった。

車両は女性名義のミニバンタイプ。助手席に女性、2列目に兄と姉、3列目に妹が座っていた。救急隊が駆け付けたものの、現場で死亡が確認された。4人とも首に刺し傷があり、外見から遺体は死後間もない。

警察に通報があったのは、22日午前1時半ごろ。男性の声で「人を刺した」との110番が寄せられ、現場に駆け付けたところ、遺体の発見に至った。男が携帯電話で自ら連絡して、場所を告げていることが分かっている。

車内からは血が付いた刃物が数本見つかっている一方、押収された車両の血痕は少なかったほか、いずれの遺体も着衣に乱れがないため、同署は4人が死亡した場所について、慎重に調べを進めている。

現場はJRいわき駅から北東約10キロに位置し、公園は水石山(標高735・2メートル)の山頂に広がる高原。国道49号から、県道赤井停車場線と市道水石山線を上った先にあり、周囲には民家は1軒もなく、太平洋まで一望できるパノラマとなっている。

遺体が見つかった車両(約70メートルの距離から撮影、ナンバープレートに加工あり)=22日午前6時19分(クリックで拡大)

■医療創生大で「温泉健康講座」 田口副学長ら登壇

温泉に特化した人材育成や、温泉を活用した観光資源のあり方を伝える「日本温泉保養士協会」(中央台高久)主催の温泉健康講座が25日午後2時半から、中央台飯野の医療創生大で開かれる。講師のうち、同大の田口信教副学長は世界の入浴スタイルを説明し、同協会の小野倫明会長、鈴木真澄常任理事が温泉の特質や健康実践法を紹介する。

田口氏は1972年ミュンヘン五輪に出場し、100メートル平泳ぎで金メダルに輝いた。引退後は後進の指導に当たりながら、科学的な視点でスポーツやアスリートについて研究している。東電福島第一原発事故からの復興に関しても提言を持ち、昨年11月の本紙に寄稿している。

小野氏は温泉研究の第一人者として知られ、指宿温泉( 鹿児島県指宿市)、嬉野温泉(佐賀県嬉野市)など、全国の有名温泉地で人材育成の講義を行ってきた。地元では温泉を活用し、いわき市の観光需要掘り起こしに努めているほか、一般生活で取り組める湯治の作法も指導している。

鈴木氏は水中ウオーキングの普及に携わり、健康効果を訴えてきた。美容やダイエットの分野にも波及している上、健康に高齢化社会を生きるすべともなっており、広く注目を集めている。

それぞれ本紙くらし随筆の執筆者も務め、小野氏は平成30年57月に担当し、鈴木氏は令和元年11月2年1月を受け持っている。

同協会は福島県の温泉地数は全国5番目と、恵まれた環境にあると指摘する。3人は国内外で多くの経験を有しており、講座を通じ、温泉の本質を理解するとともに、健康維持を学んでいく。参加の問い合わせは、日本温泉保養士協会=電話(85)5375=まで。

写真は、左から講師の田口、小野、鈴木氏(クリックで拡大)

■昌平黌 いわき市・双葉郡8町村と協定へ浜通りの復興にハンフォードの経験を

東日本国際大などを運営する「学校法人昌平黌」は21日、いわき市、双葉郡8町村と25日に「福島県浜通り地域の復興と発展に向けた連携協力協定」を締結すると明らかにした。協定締結に当たっては、東日本大震災・東電福島第一原発事故に伴い、国が定めた復興・創生期間が来年度で終了する中、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の実現に向け、浜通りの自治体と連携を密にする必要性から企画された。

主な連携協力事項のうち、米国ワシントン州の核施設「ハンフォード・サイト」での事例について、調査研究を進めていくことを掲げる。

ハンフォード・サイトは米国の原爆開発「マンハッタン計画」の核開発拠点となり、長崎に投下された原爆のプルトニウムの精製が行われた場所だ。米ソ対立の時代も核兵器生産を支える場となり、現在は当時使われた原子炉や施設の解体が進められている。

その過程で放射能による汚染が生じたが、除染や廃炉に関する研究が展開され、新たなビジネスや雇用が創出された。福島第一・第二原発の廃炉を見据え、浜通りでもハンフォード・サイトの経験が役立つと期待されている。

昨年7月にはハンフォード・サイトを訪問し、関係者との協議にも臨んだほか、同8月の「福島復興学ワークショップ in いわき」(平字一町目・いわきワシントンホテル椿山荘)では、これら取り組みを報告している。さらに協定によって、国内外の先進・類似事例や、浜通りの復興・発展に資する調査研究も展開していく。

協定締結後の25日午前10時からは、東日本国際大で、国際シンポジウム「米国ハンフォード・サイトの知見に学ぶ福島浜通りの復興創生」(同大主催、いわき民報社などの後援)が開催される。

会場では国内外の専門家や、ハンフォード・サイトの関係者も交え、地域とのかかわりや経済開発のあり方などの講演に続き、パネルディスカッションを予定している。参加の問い合わせは、昌平黌地域連携研究センター=電話(25)8885=まで。

■全日本少年春季軟式野球植田東は星稜(石川)と初戦

文部科学大臣杯第11回全日本少年春季軟式野球大会日本生命トーナメント(全日本軟式野球連盟など主催)の抽選会が21日、都内の同連盟で行われ、対戦カードが決まった。 今年から試合形式が変更され、出場56チームをA〜Dの4ブロックに分け、1チーム3試合の変則リーグ戦を実施。各ブロックの上位4チームが決勝トーナメントで優勝を争う。

開会式は3月21日、静岡県草薙総合運動場硬式野球場で実施。翌22日から5日間、静岡県内の8会場で熱戦を繰り広げる。

初出場の植田東中はBブロックに入り、競技1日目の22日は焼津市総合グラウンド野球場の第3試合(午後0時半開始予定) で星稜中( 石川)、同2日目の23日は島田市営球場の第1試合(午前8時半開始予定)で前橋七中(群馬)、同3日目の24日は静岡市の西ケ谷総合運動公園野球場の第1試合(午前8時半開始予定)で昭栄中(佐賀)と対戦する。

写真は、初の全日本の舞台に挑む植田東中(クリックで拡大)