2020年1月21日(火)

■ハワイアンズに31年ぶり復活 2月8日から期間限定のスケートリンク

常磐藤原町のスパリゾートハワイアンズに2月8日から、創業55周年記念イベントの一環として、31年ぶりにスケート場「アロハスケートリンク」が復活する。施設を運営する常磐興産によると、常磐ハワイアンセンター(当時)だった昭和57年、現在の宿泊者駐車場付近に、屋内のアイススケート場を開設。「ハワイでスケート」の新鮮さから反響を呼び、7年にわたって多くの来場者が詰めかけ、宿泊者駐車場増設による閉館まで、根強い人気を誇ったという。

アロハスケートリンクは樹脂製で、リンク上をワックスで滑りやすくすることで、氷上と同じように滑走できるのが特徴だ。広さは約100平方メートル。樹脂製のリンクは東京・赤坂などにもあるが、全国的にも珍しい形態となっている。

土・日曜、祝日には「シバオラと遊ぼう!」と銘打ち、国内唯一のファイヤーナイフダンスチーム「Siva Ola」と一緒に、オリジナルゲームで遊べる機会も設ける(限定10人)。午後3時から。

会場は館内のスプリングパーク・プラザ。2月24日まで。時間は午前10時〜午後5時。1回30分。料金200円(プロテクター・ヘルメット使用料・保険料を含む)。

写真は、31年前に閉館となった当時のスケート場(クリックで拡大)

■政府主催追悼式発生10年 来年3月で最後に

菅義偉官房長官は21日、東日本大震災の政府主催追悼式について、発生から10年となる来年3月で、最後とする方針を明らかにした。菅氏は同日午前の記者会見で、「10年は一つの節目だ」と理由を説明した。原発事故という未曽有の事態をもたらした震災の記憶を、風化させず後世に伝えていく重要性がより増していく。

菅氏は被災地からの声として、地元での追悼式実施や、関係閣僚の出席を求める声が挙がっているとし、その後は状況を勘案しながら検討するとの意向を示した。これに先立ち、政府は21日の閣議で、震災から9年となる今年の政府主催追悼式は、国立劇場(東京都千代田区)で3月11日に開催すると決めた。秋篠宮ご夫妻をお迎えし、安倍首相や遺族代表らが出席する。

震災の被災地でも、追悼式のあり方はさまざまとなっている。いわき市によると、現時点で今後に関しては未定としており、今年も3月11日にいわき芸術文化交流館「アリオス」で、市主催の追悼式を計画している。

一方で、茨城県は平成30年の震災7年を機に、毎年続けていた「追悼・復興祈念式典」を見送った。震災の写真や映像、体験談などの記録資料展示会に切り替え、会場には弔問記帳の場を設けている。また岩手県・野田村では昨年から、震災犠牲者を追悼する式典を取りやめ、献花や町関係者による黙とうのみとした。

〈東日本大震災〉いわき市の震災による死者は計467人(地震・津波330人、関連死137人)。うち死亡認定された行方不明者は37人。住家被害は計6万3569棟(全壊4644棟、半壊・大規模半壊3万2921棟、一部損壊2万6004棟)。双葉郡などからの避難者は1万9187人。(15日発表の市まとめより)

■海中転落者 昨年震災後最多の4人 福島海保まとめ

福島海上保安部(大達弘明部長)は昨年1年間、本県沖で発生した海難事故の発生状況をまとめ、21日までに公表した。船舶事案は一昨年より1隻減り10隻、人身事案は一昨年に比べ3人少ない18人が事故に遭うなど減少傾向にあったが、漁船の事故は微増傾向、岸壁などからの海中転落者は4人を数え震災後最多となった。

船舶事案の内訳をみると、貨物船3件、タンカー船1件、プレジャーボート1件、遊漁船1件、漁船は4件を数えた。震災前は漁船の事故が大半を占め、試験操業が本格するまでは漁船の事故は目立たなかったというが、試験操業の魚種が増えた平成27年以降に漁船の事故が発生し始め、昨年は微増傾向に転じた。

また昨年1月に小名浜港に停泊中の小型タンカー(総トン数499d)が強風で錨(いかり)が効かなくなり流され、港湾内の防波堤に衝突する事故が起きており、幸いけが人や燃料流失などの事態には至らなかったが、同保安部では重大な事故と認識。適切な見張りや最新の気象、海象情報の把握、出発前の船体点検の徹底――に重点を置いて指導、啓発を実施する方針を示した。

また人身事案については、事故者は対前年比3人減の18人、死亡・行方不明者は対前年比1人減の3人となった。内訳をみると、夏季の遊泳期間中の事故者5人、死者・行方不明者3人を数えた一昨年から一転、ともにゼロとなったのが大きい。一昨年に事故を誘発した飲酒後の遊泳の危険性や離岸流の実地調査について広く啓発したほか、関係者と合同で現地パトロールに力を入れたことが功を奏した。

一方、海中の転落事故が対前年比全増となる4件発生、1人が犠牲になっており、同保安部では危険な場所への立ち入り防止対策を強化するほか、複数での行動、救命胴衣の着用、海の緊急電話番号「118番」通報の有効活用を呼び掛けるなどし、海の事故防止の基本事項となる「自分の命は自分で守る」の意識の定着化を図りたい考えだ。

■「星一ブレンド」開発販売胸像・記念碑清掃に合わせ

磐前県菊田郡江栗町(現・錦町)出身の実業・政治家で、<東洋の製薬王>と称される星一(享年77)を顕彰する、星一プロジェクト実行委員会(長谷川祐一会長)は19日、命日に合わせて勿来市民会館の敷地内に置かれている胸像と顕彰記念碑を清掃した。実行委員会は、「ショートショート」で知られるSF作家星新一の父で、伊藤博文や後藤新平、野口英世とも交流の深い星一の偉業を伝えるため、平成21年に設立された。

将来的な記念館開設を視野に一般への周知をはじめ、星新一の次女星マリナさん(ハワイ在住)と交流するなどの活動を展開しており、毎年1月には、星一が米国ロサンゼルスで亡くなった昭和26年1月19日にちなみ、胸像とドイツ政府の寄贈を受け、同22年4月に設置された記念碑を清掃。活動推進に向けて気持ちを新たにしている。同日は緑川貴之副会長、小野潤三事務局長ら有志が訪れて入念に胸像と記念碑を清掃した。

また、実行委員会ではこの日に合わせ、星一にちなんだコーヒー「星一ブレンド」(ドリップバッグ)を開発したことを発表した。晩年、ペルーへの進出を夢見ていたことから、同国の豆と名産のブラジルの豆を使用。どちらも星一のように海外で活躍する邦人が生産に携わっているといい、焙煎(ばいせん)は当然、ドイツにちなみ「ジャーマンロースト」にこだわり、香ばしさが引き立つ、深みのある味わいとした。

実行委員会メンバーのひとり、自家焙煎のコーヒー豆専門店「ブラウンチップ」代表の関根匡さんが試行錯誤して完成させたという。「星一の志が感じられるコーヒー。ぜひ味わって、少しでも偉業に目を向けてもらえれば」と緑川副会長。

コーヒーは5個パック500円(税込み、単品でも購入可)で、ブラウンチップいわき平店(平上荒川)=電話(29)3639=と錦店(錦町江栗)=電話(77)1414=で取り扱っている。

写真は、新たに開発したコーヒー「星一ブレンド」(クリックで拡大)