2020年1月17日(金)

■常磐線全線開通 3月14日に正式決定 いわき―仙台間は特急3往復

JR東日本は17日、東日本大震災・東電福島第一原発事故に伴い、不通となっている常磐線富岡(富岡町)―浪江(浪江町)駅間の20・8キロについて、3月14日のダイヤ改正に合わせて運転を再開すると発表した。震災・原発事故から9年を経て、常磐線は全線開通の日を迎え、いわき―仙台間の鉄路が再びつながる。常磐線は品川駅・上野駅―仙台駅間で特急「ひたち」を3往復、富岡駅―浪江駅間で普通列車を11往復運転し、利便性向上を図っていく。

政府の原子力災害対策本部会議が17日、常磐線沿線の帰還困難区域に関して、避難指示解除の期日を正式に決めたため、富岡―浪江駅間の運転再開が公表された。双葉駅(双葉町)周辺は3月4日午前0時、大野駅(大熊町)周辺は同5日午前0時、夜ノ森駅(富岡町)周辺は同10日午前6時をもって、避難指示が解除される。

常磐線の全線開通に合わせ、いわき―仙台駅間の特急「ひたち」も、着席サービスが適用され、全車指定席となる。車内で特急券を購入した場合、事前購入と比較して割高となる。運転再開区間の大野、双葉駅に加え、広野(広野町)、富岡、浪江駅には、多機能な券売機などを盛り込んだ「Smart Station for EXPRESS」が整備され、オペレーターによる会話でのサポートも受けられる。

3月14日からは、JR東日本の交通系ICカード「SUICA(スイカ)」が、いわき―浪江駅間などの15駅に拡大される。なお浪江駅までが首都圏エリア、小高駅(南相馬市)以北が仙台エリアのため、これをまたいでは利用できない。

表は、特急列車のダイヤ。いわき以南は主要駅のみ(クリックで拡大)

■記念入場券も発売される

JR東日本水戸支社は2月14日から、常磐線の全線開通に合わせ、記念入場券を発売する。沿線の89駅分の入場券と台紙が付いており、全線開通を幅広く知ってもらう機会とする。

発売数は5000セット。価格は1セット1万3130円(税込み・送料別)。インターネット販売のみ。サイトは「鉄道あんてな」=こちら。無くなり次第終了。

■内郷地区で恒例の「立志式」 187人が将来に決意

市青少年育成市民会議内郷地区推進協議会、地区内3中学校(内郷一、内郷二、内郷三)主催の「第43回内郷地区立志式」が16日、内郷一中体育館で行われ、中学2年生187人(男子106人、女子81人)が出席した。立志式は、昔の成人式にあたる元服の儀式に習い、数え年で15歳、現在の年齢で14歳に行われたことから、中学2年生が将来に向けた決意を考え、自覚を高めてもらうために毎年実施されている。

式では生徒一人ひとりの名前が読み上げられたあと、三室啓記同協議会長が代表生徒の吉田晴紀(内郷一)、志賀妃奈乃(内郷二)、吉田和香奈(内郷三)さんに「内なる郷の誇りを胸に志を立て輝く未来に向かって人格の陶冶(とうや)と真理を希求することを願いこの証を贈ります」と記された立志証書を手渡した。

続いて、三室会長が「決意を新たに勉学に励み、大きな目標に向かい、生まれ育ったいわき内郷に誇りを持ち力強く進んでください」、後田浩内郷三中校長が「数多くの失敗、挫折を乗り越え、たくましく生きる努力をしてほしい」と激励したあと、新妻英正副市長が来賓祝辞を述べた。

立志作文発表では、鈴木舞桜さん(内郷一)「自分の夢を叶(かな)えるために」、小林欣史さん(内郷二)「郷土の大先輩・片寄平蔵から学ぶ」、鹿内愛羅さん(内郷三)「自分をみつめて」と題した作文を読み上げた。このうち小林さんは、自身が目標とする「グローバル社会に対応できる力を持つ人」を例に、本市の石炭産業を切り開いた片寄平蔵の洞察力と行動力、青年海外協力隊として活動する夢などを語った。

最後は式歌「ふるさと」を全員で斉唱。生徒たちは式を通じ、14歳の意義を再認識しながら、自身の将来に視野を広げていた。

写真は、立志作文を読み上げる小林さん=16日(クリックで拡大)

■県高校新人ラグビー あすから後半戦 磐城は決勝進出に意気込む

県高校新人体育大会ラグビーフットボール競技(県ラグビーフットボール協会主催)は18日、後半戦を再開し、いわきグリーンフィールドで準決勝が行われる。いわき勢では唯一、磐城が4強入りを決め、第2試合(午前11時45分開始予定)で、安積と激突する。このほか、準決勝を挟んで7人制のBブロックも実施。磐城農業がAブロックで合同チームを組んだ福島東稜、福島との総当たりリーグ戦に挑む。

4年ぶりの王座奪還を狙う磐城は2回戦から登場。聖光学院との初戦に挑んだ。昨秋の花園予選準優勝校の私学相手に攻守で圧倒し、試合の主導権を掌握。開始3分、CTB山崎悠馬(2年)の先制トライを皮切りに、前後半合わせて大量11トライを獲得し、67―0の完封勝利で後半戦への扉をこじ開けた。

チームを支えた3年生が高校ラグビーを引退。正部員は1年生7、2年生9人とぎりぎりの16人で船出を切った。厳しい台所事情の中、本来、化学部の横山天(1年)、バレーボール部の佐藤耀(2年)が助っ人として加入。横山は初戦、CTBとして先発出場、佐藤も後半15分から途中出場し、チームの白星発進に大きく貢献した。

新チームとして始動後、小松傑監督はコンタクトの強化を徹底。FW、BK問わず、攻撃に参加し、体を張ったディフェンスで私学のトライ機を完全に封じた。小松監督は「自分たちでやろうとすることが見え、2カ月がかりでやってきた成果が見えた」と合格点を与えた。

最上級生となった2年生がチームの勝利に大きく貢献。指揮官も経験不足の1年生を支える頑張りを評価した。初戦でチームトップの3トライを奪い、公式戦で自身初のハットトリックを達成したFL鈴木崇敏(同)は「チームで上となったことで責任感が出て、周りやゲームの流れを見て、プレーできるようになった」と胸を張った。

昨年10月の台風19号で、練習グラウンドが甚大な被害を受けた。昨年末、照明の工事を残し、ようやくグラウンドの復旧工事が終了。4年ぶりの県頂点に向けて死角はない。 準決勝で対する安積も2回戦から登場。前後半5トライを奪い、日大東北に27―10で勝利した。現在、磐城は正主将が決まっておらず、初戦のチーム主将を務めたLO松ア宙大(同)は「縦の攻撃がいいという印象」と分析。「一対一での勝負で負けないようにしたい」と決勝進出に向けて、気合を入れ直した。

東北新人大会の予選を兼ねた同大会。優勝校のみが全国選抜につながるT部トーナメントに進める。磐城が東北の舞台で、本県勢初の全国切符を獲得したのは10年前の19回大会。以降、東北の強豪相手に一歩及ばず、全国舞台から遠ざかっている。

初戦を振り返り、松アは「出足やディフェンス面など修正点はまだある。反省を忘れず、次戦にのぞみたい」と言い切る。鈴木は「準決勝、決勝と勝ち切って、T部トーナメント進出を決め、全国選抜に出場できるよう頑張りたい」と気合十分。10年ぶりの全国への扉をこじ開けるため、県トーナメントで足踏みするつもりは毛頭ない。

写真は、初戦でチームトップの3トライを奪い、自身公式戦初のハットトリックを達成した磐城の鈴木崇(左から2人目)(クリックで拡大)