2020年1月9日(木)

■勿来発電所 煙突ライトアップ 正月イメージの配色始まる

勿来地区のシンボルとして、常磐共同火力勿来発電所(佐糠町、小沢啓一所長)構内の約200メートルの煙突をライトアップする「勿来ゆめライト」。年始を彩る点灯が8日から始まり、地域住民や通行人を喜ばせている。

同社では工場夜景を生かして本市の地域観光の魅力向上に繋(つな)げようと、一昨年12月より毎月色を変えて提供している。今月は勿来工業高の生徒たちがデザイン。正月をイメージして紅白と、縁起物の菊、梅の花の色を使い、海外の年明けも意識してカラフルに配色したという。点灯時間は午後5時から11時までとなり、色は数秒ほどで切り替わる。

また、「成人の日」の13日夜は福島高専の学生が考案した特別色を提供する予定だ。

写真は、正月を意識したという紅白(左)とカラフルな配色にした煙突ライトアップ=8日夜(クリックで拡大)

■ゴーン被告 いわきの話で日本愛語る レバノンで会見

会社法違反(特別背任)などで起訴され、保釈中に中東レバノンに逃亡した、日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)が8日(日本時間8日夜)、首都ベイルートで記者会見した。ゴーン被告が昨年12月末、日本から不法に出国した後、公の場に姿を現すのは初めて。

テレビ東京や米CNNの中継映像によると、ゴーン被告は「そもそも逮捕されるべきではなかった」と自らの潔白を主張し、日本の司法制度は非人道的だったと述べた。さらに「正義から逃げたのではなく、不正義と迫害から逃げた」と話し、不法な出国だったと認めながらも、検察はより罪が重いと批判した。一方で逃亡した手段は示さなかった。

日産経営陣によるクーデターによって、自分は失脚させられたとも訴え、西川(さいかわ)広人・前社長兼最高経営責任者(CEO)ら役員の名前を出し、事件の黒幕だと伝えた。

また「日本に対して愛がある」と語ったゴーン被告は、泉町下川の日産いわき工場でのエピソードも披露した。ゴーン被告は東日本大震災・東電福島第一原発事故に際し、いわき工場の継続を決断し、発生から約2カ月後の平成23年5月17日に来市している。

ゴーン被告は「日本が津波に襲われた後、私は真っ先にいわきに行った。福島第一原発の近くで、誰もいわきに行きたがらなかった」と振り返った上で、「私は一人でサプライヤー(仕入れ先)に電話し、共に工場を再建しようと話をした」と当時について明かした。

記者会見には世界から60社のメディアが参加したが、日本からは朝日新聞やテレビ東京、小学館のみ許された。

■森法相 異例の反論会見 「看過できない」と強く批判

森雅子法相(参院福島選挙区)=泉町黒須野=は9日未明、カルロス・ゴーン被告の記者会見を受け、法務省で緊急記者会見を行った。法相が個別の事件で会見するのは異例で、法務行政のトップとして、国際社会に日本の司法制度を正しく訴える狙いがある。

森氏の会見は午前0時40分から始まり、ゴーン被告について、「保釈されながら国外に逃亡し、それを正当化するために、国内外に向けて、わが国の法制度や運用について、誤った事実をことさらに喧伝(けんでん)することは、当然に看過することはできない」と強く批判した。

また、森氏は日本の司法制度は適正に運用されているとし、ゴーン被告は公正な刑事司法手続の中で、自らの主張を尽くすよう求めた。

法務省は合わせて、ホームページに森氏のコメントを、日本語と英語で掲載したほか、森氏も短文投稿サイト「ツイッター」を通じ、英語とフランス語で、ゴーン被告が日本で裁判を受ける必要性を説いた。東京地検もホームページで、斎藤隆博次席検事が、事実と異なる旨のコメントを、日本語と英語で発表した。

9日朝にも森氏は記者会見をし、「国外逃亡は何ら正当化されるものではない」と再び強調。会見全文も法務省のホームページや、森氏のツイッターに即座に載せた。

■いわきダルマ買い求める市民 小名浜鎮守諏訪神社

小名浜鎮守諏訪神社(小名川祐輝宮司)のダルマ市が9日、小名浜諏訪町の神社境内で開かれ、達磨大師の緋衣(ひえ)を連想させる深い赤、いわきの海を表現した顔の周りの群青色の縁取り、おなかに書かれた「福」の文字が特徴の伝統工芸品「いわきダルマ」を買い求める市民でにぎわいをみせた。

販売されたダルマは大正時代に創業し、市無形文化財「いわき絵のぼり」を手掛ける高橋工房(平正月町)が持ち寄ったもので、3代目の高橋謙一郎さん(73)と4代目聡一郎さん(40)が、いわき絵のぼりの制作・販売がひと段落した昨年6月中旬より準備を進めてきたという。

年始めより市内各地の寺社で販売を続け、元朝参りでは小さいサイズを求める参拝客が多かったというが、小名浜では例年、漁業関係者や事業所の経営者を中心に大きいサイズを求める傾向にあり、「景気が戻ってきたのかしら」と売り子に笑みがこぼれるほど、今年も45センチ前後の中型から大型が盛んに売れた。

また、店頭には名物の真っ白な「合格ダルマ」も並び、受験を間近に控えた家族のために買い求める客の姿も。同日は穏やかな天気で、開始時刻の午前9時から参拝を兼ねた地域住民が次々と訪れ、商売繁盛、家内安全などの祈願成就を期待し、質の高いダルマを買い求めていた。

同工房では10日の金刀比羅神社(常磐関船町)例大祭にも出店する。

写真は、小名浜鎮守諏訪神社で開かれた新春恒例ダルマ市=9日(クリックで拡大)