2020年1月6日(月)

■きょう行政機関や多くの企業 仕事始め 清水市長「情熱と気概を持つ」と訓示

いわき市の行政機関や多くの民間企業などは6日、令和2年の仕事始めの日を迎えた。うち市役所では清水市長が、幹部職員150人を前に年頭所感に立った。東日本大震災・東電福島第一原発事故から10年目となる今年。昨年10月の台風19号と続く大雨被害も含め、それぞれが復旧・復興にまい進し、人口減少社会の中でも魅力あるまちづくりを進めることを誓った。

市役所の仕事始め式は、本庁舎の第8会議室で行われた。清水市長は昨年10月の台風19号と続く大雨被害を踏まえ、初めに「被災者の生活となりわいの再建、そして安全・安心の確保に、引き続き全力を傾注していく」と語った。

今年取り組む主な施策のうち、震災からの復興の総仕上げとして、震災メモリアル事業の中核拠点施設「いわき震災伝承みらい館」が5月、平薄磯で供用を開始するのに合わせ、震災の記憶と教訓を後世に伝えていくと強調した。

海洋放出が議論されている東電福島第一原発の処理水にも触れつつ、廃炉の取り組みや適正な損害賠償に対し、国・東電にしっかりと申し入れをしていくとし、風評払しょくに全力で取り組む姿勢を示した。また、いわき新時代への挑戦としては、昨年に続いて「スポーツ・健康・エネルギー」の3つのテーマを掲げていくと述べた。

分野ごとに、スポーツは東京五輪・パラリンピックが開催されることから、ホストタウン相手国・サモアの受け入れや、聖火リレーを通じ、いわき市が着実に復興している姿を発信するとした。

健康は自転車道路網「いわき七浜海道」の整備、長野県佐久市と27日に予定する健康増進に関する協定締結などについて説明。エネルギーは、次世代エネルギーの「創る・貯(た)める・使う」の3本の柱を軸に、新たな産業や雇用の創出を図る方針を述べた。

こうした点を基に、清水市長は「市民の皆さまが『住みやすい・住み続けたい』と思えるまちとなるよう、引き続き私自身が先頭に立ち、これまで以上に情熱と気概を持つ」と宣言。自らが標ぼうする「明るく元気ないわき市」の実現に向け、今年も職務に励んでほしいと呼びかけた。

写真は、幹部職員を前に訓示をする清水市長=6日朝(クリックで拡大)

■太夫の妙技次々と 新春恒例のはしご乗り

市消防団による新春恒例のはしご乗りが5日、平字三崎の平中央公園などで行われた。いわき市では現在、第1支団第1分団と第5支団第3分団が保存会を結成し、はしご乗りを継承しており、団員が仕事の合間を縫いながら練習を重ね、本番では成果を示した。

はしご乗りは一日をかけて、地域の無火災・無災害を祈って、市内各地を練り歩いた。平中央公園では、隣のいわき芸術文化交流館「アリオス」で開かれた消防出初め式に合わせ、両方の分団がそろい踏みとなり、高さ5・5メートルのはしご3基によって、手足を伸ばす「一本八艘(はっそう)」や、右足を固定して次々と技を繰り出す「膝留め」などが披露された。

集まった市民らを前に、はしごに登った太夫はあめをまいた上で、「エンヤ」と力強いかけ声とともに、妙技を続けていき、盛んに拍手と声援が送られていた。

第1支団第1分団によると、はしご乗りは江戸の町火消しに由来を持ち、その精神を引き継ぎ、いわき地方では大正時代からの伝統となっている。

写真は、技を披露する太夫=5日午後(クリックで拡大)

■いわき3署で年頭点検 今年も市民生活の安全守る

いわき中央、東、南のいわき3警察署は仕事始めの6日朝、各署で年頭点検を行い、署員の厳正な規律と旺盛な士気を養った。署員たちは凛(りん)とした表情で点検に臨み、市民の安全安心のため、心を一つにした。

[いわき中央署]

いわき中央署(佐治誠署長)の年頭点検は同署屋上で行われ、市民の体感治安の向上につながる精強な警察官を目指し、職務遂行への決意を新たにした。

指揮官の小松聖英常磐分庁舎所長の号令を合図に、3列に並んだ署員116人が携行品の点検を受けた。点検官の佐治署長をはじめ、幹部署員が警察手帳や警笛、警棒、けん銃などの<警察官の七つ道具>を確認した。

佐治署長は年末年始の警察活動をねぎらいながら、東京五輪の聖火リレーの警備などへの士気を高め、「昨年と同様、心を一つに活動してほしい」と訓示。署員たちは凜とした表情で点検に臨み、市民の安全安心を守る職務遂行のため、気持ちを新たにした。

[いわき東署]

いわき東署(増子一公署長)の年頭点検は同署駐車場で行われ、署員約70人が、管内の治安維持に向けて真剣に取り組んだ。

点検では服装の確認に続き、指揮官を務める藤田秀吉副署長の号令に従い、署員が手帳、警棒、手錠、警笛、拳銃をきびきびとした動きで提示。うち拳銃は増子署長、藤田副署長が一人ひとりを確認しながら、正しい装弾などを入念に点検した。

終了後は増子署長が「新春にふさわしい気合の入った年頭点検だった。今年も館内の治安維持に努めてほしい」と訓示。署員は今年1年の無事故、無災害を願いながら、気持ちを新たにした。

[いわき南署]

いわき南署(佐藤善則署長)は6日朝、同署屋上で年頭点検を実施し、規律を正すとともに地域住民の安心安全を守るため、誓いを新たにした。指揮官を務めた本多文彦副署長をはじめ、幹部と署員約50人が参加した。

本多副署長の鋭い号令の下、署員たちは3列に並び、きびきびとした動きで警察手帳や手錠、警棒、拳銃など、警察官の<七つ道具>とされる携行品を点検官の佐藤署長、補助を務めた各課の課長に次々と提示。佐藤署長と各課の課長は着衣の乱れはないか、警棒は正しく機能しているか、拳銃はしっかりと装弾されているかなど、入念に確認した。

このあと佐藤署長は初訓示を行い、「1年の節目。各々新たな目標を持ち、治安維持のために頑張ってほしい」と檄(げき)を飛ばした。

写真は、携行品の点検をする佐治署長(左)=6日朝(クリックで拡大)

■きょう「小寒」 山田町では今季最低の氷点下2・9度に

6日は二十四節気の一つ「小寒」。寒さが厳しくなる寒の入りとされ、いわき地方もけさは本格的に冷え込んだ。

福島地方気象台によると、けさの最低気温は山田町で氷点下2・9度(午前6時35分)を記録し、今季一番の寒さとなった。小名浜は2・2度(同7時16分)だった。

7日の県内は高気圧に覆われて晴れるが、気圧の谷や湿った空気の影響で、夜は雨や雪の降る所が多くなる見込みとしている。いわき市も天気は下り坂だ。

また、いわき市を含む浜通りでは、7日まで空気の乾燥した状態が続くため、火の取り扱いに注意するよう求めている。