2019年12月27日(金)

■いわき駅 市総合観光案内所が移転開所 広さ5倍で魅力発信

JRいわき駅の市総合観光案内所が27日、みどりの窓口隣に移転オープンした。同日には開所セレモニーが行われ、市や県いわき地方振興局、JR東日本水戸支社、いわき観光まちづくりビューロー、いわき商工会議所の代表らが出席し、官民一体となって、観光交流人口の拡大を図っていく思いを新たにした。

来年3月14日には常磐線が全線再開する見通しで、2020年東京五輪と合わせ、いわき市を訪問するビジネスパーソンや、インバウンド(訪日外国人)も案内所のターゲットとしていく。

これまでの案内所は平成19年に設けられ、改札脇で業務に当たっていたが、広さが8平方メートルと手狭な上、窓越しに係員が対応せざるを得なかった。びゅうプラザが昨年9月に閉店したため、場所を移すことを決めた。

新たな案内所は広さが5倍の40平方メートルとなり、来訪者は椅子に座って話が聞ける。いわき市が掲げるブランドメッセージ「フラシティいわき」の装いも施し、内部はハワイを思わせる大地や波・海、白い雲、山並みを模したデザインとした。

機能としては、タッチパネルで市内の名所・旧跡等が分かるほか、いわき産コシヒカリ「Iwaki Laiki(いわきライキ)」など物産品の展示・PR、公衆無線LAN(Wi―Fi)の提供もある。自動車の貸し出し「タイムズカーシェア」の無人入会機の設置も予定する。

市では係員と落ち着いて会話できることで、インターネットでは得られない観光情報が伝えられる上、多様なニーズに応えられると指摘。リピーターの確保につながると期待を寄せる。

また長距離切符を購入するため、みどりの窓口に立ち寄る際、気軽に案内所にも足を運べる利点から、幅広い客層が訪れやすいとの考えも示している。

開所時間は午前10時〜午後6時。休所日は1月1日。問い合わせは、市総合観光案内所=電話(23)0122=まで。なお29、30、31日、来年1月2、3日は午後5時に終了する。

写真は、きょうから開所した案内所。いわき市の魅力が詰まった場所に仕上げた=27日(クリックで拡大)

■廃炉工程表が改訂 デブリ取り出し2号機から 福島第一

政府の廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議(議長・菅義偉官房長官)が27日、首相官邸で開かれ、東電福島第一原発の廃炉工程表を改訂した。廃炉工程表の改訂は5度目。

炉心溶融(メルトダウン)を起こした1〜3号機のうち、令和3(2021)年に2号機から、溶け落ちた燃料(デブリ)を取り出すと初めて明記した。ただデブリの状態が不透明なため、2号機で取り出しが終わる時期や、1、3号機の開始時期は示さなかった。

一方で廃炉は30〜40年かかるとする考えは継続し、同23〜33年に完了するとの立場は崩さなかった。

1、2号機の使用済み核燃料貯蔵プールから、燃料を取り出す作業を始めるのは1〜5年遅らせ、同6〜10年度とした。作業中に放射性物質が飛散しないよう、新たな対策を講じるためだ。

1〜6号機には計4741体の使用済み核燃料が残っており、取り出しを終えるのは、同13年とすることを新たに掲げた。

汚染水に関する目標も改め、発生量を1日平均170トン(昨年度実績)から、同7年には4割減の同100トン以下に減らすとしている。

■来年3月の避難解除 双葉は4日・大熊は5日に

東電福島第一原発事故で全町避難が続く双葉町と国、県は26日、帰還困難区域のうち、JR常磐線の不通区間(富岡―浪江駅間)にある双葉駅と周辺の避難指示解除日について、来年3月4日とすることを合意した。

大熊町も、大野駅と周辺の避難指示解除日を同5日とすることを合意した。

富岡町は夜ノ森駅と周辺の解除日を同10日とすることで合意済みで、同14日のダイヤ改正に合わせて見込まれる常磐線全線再開に向け、来春の解除日程が出そろった。今後、国の原子力災害対策本部で正式決定する。

また、3駅周辺以外に、双葉町北東部の避難指示解除準備区域(約200ヘクタール)なども同4日に避難指示が解除される。同町は同区域内に企業の事務所や工場を集積する「中野地区復興産業拠点」を整備している。

伊沢史朗町長は避難指示の解除の合意に伴い、県内で来年3月26日にスタートする東京五輪の聖火リレーのルートに、同町を追加するよう組織委員会などに要望する方針を明らかにした。(読売新聞社配信)

■常磐共同ガスの車いす寄贈 かしま荘などに2台

常磐共同ガス(猪狩謙二代表取締役社長)は26日、社会福祉法人養生会が運営する特別養護老人ホーム「かしま荘」、かしま病院にそれぞれ車いす1台を寄贈した。

同社の地域社会貢献活動の一環で、平成23年から毎年、車いすを福祉施設などに贈っている。今回の購入資金は、「ふれあい感謝祭」などのイベントで販売した「ガスワン大判焼き」の益金を基にした。

贈呈式はかしま荘で開かれ、猪狩社長が「有効に活用してください」とあいさつしたあと、施設利用者代表の小畑英男、鈴木力太郎さんの2人が車いすに試乗した。

小畑さんは「立派な車いすをありがとうございます」、鈴木さんは「最高の乗り心地です」と感謝の言葉を述べた。同社の本年度寄贈は、今回を含め25施設になっている。

写真は、かしま荘で開かれた贈呈式=26日(クリックで拡大)