2019年12月22日(日)=休刊日

福島大災害ボランティアセンターは21日、いわき市を訪れ、台風19号に伴い、内郷コミュニティセンターに避難する市民に向け、足湯と傾聴の活動を行った。3人の学生が参加し、体育館の一角に足湯を設け、マッサージを施しながら、避難する人の話に耳を傾けた。

東日本大震災をきっかけに、災害ボランティアセンターは立ち上がったが、台風19号や続く大雨に当たっても、被災者支援活動を展開している。

10月16日の須賀川市に始まり、これまで本宮市や宮城県・丸森町などに赴き、泥だしや清掃活動、家財道具の片づけ、足湯といった取り組みを進めてきた。

平中塩の福田敏子さん(87)は学生から声をかけられ、足湯を体験した。普段は施設内のシャワーで済ませているとあって、久しぶりにお湯の温かさを感じた。

転居先は決まっているが、業者の手配に時間がかかり、内郷コミュニティセンターで年を越す見込みだが、「いろいろあるけれど、気持ちよかったです」と笑顔を見せていた。

学生を率いるのは、福島大行政政策学類長の鈴木典夫教授だ。地域福祉,地域援助技術(コミュニティワーク)を研究分野としており、ボランティアのあり方も専門としている。

発災から2カ月以上が過ぎた中で、「病は気からと言うが、こうした環境に居続けると、どうしても健康を害しがち。学生と話をすることで、時間にメリハリができるので、避難している人も安らげる」と話す。

鈴木氏は阪神・淡路大震災以降、全国の被災地で活動してきた実績もあり、「避難所から移った先での支援も大事」とも指摘する。新たな局面に入っていくため、行政や社会福祉協議会と連携しながら、人づくり・地域づくりを支える必要性を強調した。

写真は、福島大の学生による足湯と傾聴の活動=21日夕方