2019年12月20日(金)

■水害ごみの撤去 生活圏から無くす年内目標達成

市は20日、台風19号や続く大雨で生じた水害ごみについて、19日をもって、市内564カ所すべての臨時集積所(大規模集積所17カ所含む)から運び出しを終え、年内に生活圏から、水害ごみを撤去する目標を達成したと発表した。

清水市長が20日、臨時の市長記者会見で明らかにした。大規模臨時集積所として使われた公園に関しては、必要に応じて表土の入れ替えや遊具の交換を実施し、一日も早く憩いの場に戻していく。

水害ごみは、市環境保全センター、市建設業協同組合県産業資源循環協会、市環境整備公社、市一般廃棄物センターに加え、自衛隊や市消防団、市内外から参加したボランティアによって、生活圏からの撤去が進められてきた。

市は11月2〜4日の3連休を「水害ごみ撤去強化期間」と定め、集中的に片付けに当たったほか、同11日には年内に生活圏から水害ごみを無くす方針を示した。同15日には、大規模集積所の撤去見通しも公表し、2日からは臨時集積所の利用を停止し、戸別回収に移行する計画を打ち出した。

現在は小川市民運動場、北部運動場、四倉市民運動場、四倉町八日十日(やかとか)の最終処分場跡地、クリンピーの丘の5カ所を、仮置き場としている。来年からは被災家屋の公費解体に合わせ、廃材も持ち込まれるため、仮置き場の最終的な解消は令和3年3月までを目指している。

なお戸別回収は20日までだったが、それぞれの事情を踏まえ、市では引き続き、水害ごみの相談に応じる。問い合わせは、市ごみ減量推進課=電話(38)9005=まで。31日〜来年1月5日は除く。

写真は、平下平窪・下平窪第二公園の様子。上は10月17日、下は12月20日。撤去が完了し、奥まで視界が広がった(クリックで拡大)

■マルト 「フラシティいわき」の包装紙つくる

市内や茨城県で小売り事業を展開する「マルト」(本社・勿来町窪田十条)は、いわき市のブランドメッセージ「フラシティいわき」を活用し、オリジナルの包装紙を制作した。

包装紙にはマルトのロゴとともに、フラシティいわきから、市の花・ツツジや、地元に縁のあるウミガメ、メヒカリ、カモメ、カジキマグロ、カツオ、クロマツ、サンマ、国際姉妹都市の米国ハワイ州カウアイ郡の象徴的な花・モキハナがあしらわれている。

市とマルトが、地域活性化包括連携協定を締結している縁から、包装紙の制作が実現し、贈答品や、ふるさと納税の返礼品を贈る際に活用されている。マルトでは創業当初から金色・銀色2種類の包装紙を採用していたが、55年の歴史の中で、初めて新たな包装紙が生まれた。いわき市のマルトグループ(調剤薬局を除く)で使われているが、来店者の人気を呼んでいるという。

マルトの安島浩代表取締役社長が20日、市役所を訪れ、清水市長にオリジナル包装紙の完成を報告した。商品本部の安島大司取締役本部長、横田晋一商品開発室取締役が同席した。

報告の席上、安島社長が「オリジナルの包装紙を通じ、地元のスーパーとして、地域のお役に立ちたい」と語ると、清水市長は「互いのイメージアップにもつながる。お歳暮の時期でもあり、市外にも魅力が発信できる」と期待を寄せた。

〈こぼれ話〉マルトのロゴは、緑色の四角の中に、赤色に縁が白色の輪、トの字で構成されている。いずれも創業者が意味を込めており、緑色は大地、赤色は太陽、白色は透き通った水、トの字は人を表している。

安島本部長は、いわき市の魅力にも通じると指摘。包装紙の制作に当たっては、そこからフラシティのデザインには、緑色を選んだと明かした。

写真は、清水市長に包装紙制作を報告する安島社長ら=20日(クリックで拡大)

■台風19号 避難生活の男性亡くなる

市は19日夜、台風19号に伴い、内郷コミュニティセンターに避難していた小川町の40歳代男性が、仕事中に体調不良を訴え、その後死亡したと明らかにした。

市によると、男性は17日午後11時ごろ、仕事中に息苦しさを訴え、市内の医療機関に入院したが、自発呼吸が無くなり、19日午前10時52分に亡くなった。死因はうっ血性心不全だった。

男性は9日、巡回した保健師に対し、2日に胸の違和感を訴え、医療機関にかかった際、糖尿病のため教育的入院を勧められたが、断ったと話していた。この時は保健師から、受診するよう指導された。17日にも保健師の巡回を受けているが、特に変わった様子はなかったという。現時点で、災害関連死に該当するかは分からない。

清水市長は20日、臨時の市長記者会見で、「亡くなった方のご冥福をお祈りし、ご遺族にお悔やみ申し上げます」と述べた上で、避難所で生活する市民に対し、一日も早い生活再建に向け、個別的な支援を行っていくと強調した。

また避難所の健康管理に当たっては、ストーブの導入や温度管理、インフルエンザの予防接種などを実施していると説明した。

いわき市では、11月10日にも内郷コミュニティセンターに避難していた70歳代女性が、搬送先の病院で死亡している。市によると、10月12日〜12月9日の間、避難所から搬送された人は、けがも含めて12人。

■いわき市の避難所 内郷コミセンに一本化へ

清水市長は20日、台風19号や続く大雨に伴い、市内に設置した避難所について、内郷コミュニティセンターに一本化する考えを示した。同日の臨時の市長記者会見で明らかにした。

市によると、20日午前6時現在、いわき市には3カ所の避難所が設けられ、61世帯132人が身を寄せている。内訳は、内郷コミュニティセンターが41世帯92人、中央台公民館が12世帯28人、好間公民館が8世帯12人。

市は年内にも避難所を集約または解消する方針を立てていたが、人数が減少しているものの、年内の解消は断念した格好だ。また2カ所の公民館に関しては、一般の市民から使用を求める声が上がっているという。清水市長は避難する市民に向け、住宅の確保などに努めていくとしている。