2019年12月19日(木)

■インフルエンザ感染広がる いわき253人 保健所注意呼びかける

インフルエンザが全国的に流行する時期に入り、いわき市でも感染が広がっている。県が18日に発表した「県感染症発生動向調査報告」によると、9〜15日の1週間で、いわき市では253人がインフルエンザと診断された。前週(2〜8日)と比較すると、92人の増加となっている。さらに11月18〜24日の23人と比べると、この3週間で患者数が10倍以上に広がっていることが分かる。

県内全体は1611人で、前週より548人増えた。中核市、保健福祉事務所別では、いわき市は会津の442人に次いで、県内9カ所中2番目に多い。郡山市の205人、福島市の196人と続く。

いわき市のインフルエンザには2〜8日の患者数をもって、昨季より約3週間早く「注意報レベル」となった。市保健所によると、ほとんどがA型インフルエンザという。主に高熱や頭痛、悪寒、関節痛などが特徴だ。

市保健所ではインフルエンザにかからないよう、「予防のための三原則」を訴えている。三原則は、▽感染経路の遮断▽抵抗力をつける▽ウイルスからの隔離――で、外出した後の手洗い・顔洗いの励行、バランスの取れた食事や十分な睡眠、罹患(りかん)した場合は外出しないこと等を求めている。

また予防接種もインフルエンザを防ぐ有効な手段としており、万が一かかった際にも、合併症や重症化を防げるとし、かかりつけ医に相談することを勧めている。

表は、県感染症発生動向調査報告より、インフルエンザの中核市、保健福祉事務所別の状況。1医療機関当たり10人から注意報、30人から警報(クリックで拡大)

■双葉町 来年3月上旬に避難指示一部解除へ 富岡、大熊町でも

東電福島第一原発事故に伴い、全町避難が続く双葉町で、国の避難指示が来年3月上旬に初めて一部解除されることが、地元関係者への取材で分かった。帰還困難区域としても解除は初めて。富岡、大熊町でも同区域で一部解除される。

県内の同区域を通過するJR常磐線の不通区間(富岡―浪江駅)の開通に合わせて実施される。避難指示解除は、双葉町では常磐線の双葉駅、富岡町では来年3月10日に夜ノ森駅、大熊町では大野駅とそれぞれの周辺が対象となる。

3駅は、政府が認定した「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)内にあり、これまで優先的に除染を実施。放射線量の低減も確認されたほか、住民への説明なども完了し、解除の条件が整った。富岡町では20日に、国と県、町が協議して解除日程を発表する。大熊町と双葉町は26日に同様に協議して日程が決まる見通し。

双葉町では同時に、町北東部に広がる避難指示解除準備区域(200ヘクタール)も解除される予定で、町は企業誘致を進めている。平成29年4月に帰還困難区域以外の避難指示が解除された富岡町では、解除地域と夜ノ森駅とを結ぶ県道や町道計約1・1キロの避難指示が解除されるが、居住は引き続き禁止される。大熊町では、駅前広場など計約4・2ヘクタールと、今春に避難指示が解除された大川原地区とを結ぶ県道や町道が解除される。

県内の帰還困難区域は、福島第一原発から南や北西方向に7市町村にまたがって設定されている。このうち6町村に設けられた復興拠点で優先的に除染を行い、令和4年春か5年春の避難指示解除を目指している。(読売新聞社配信)

写真は、帰還困難区域となっている双葉駅前。復興拠点として、駅の東西に新たな居住地が整備されるため、駅舎の改修工事が進められている=18日(いわき民報社撮影=クリックで拡大)

■南署管内で還付金詐欺 60歳代男性100万円だまし取られる

いわき南署は18日夕、いわき市内に住む60歳代の男性が、市役所職員を名乗る男からの電話を信じ、約100万円だまし取られたと発表した。同署ではなりすまし(還付金)詐欺事件とみて、捜査を進めている。

同署によると、電話がかかってきたのは同日午前10時ごろで、「健康保険でお金が戻ります。書類は届いていますか。近くのATM(現金自動預払機)コーナーに行ってください」などといった内容だった。男性は一人暮らしで、話を信じてすぐ市内のスーパーにあるATMコーナーに向かい、携帯電話で通話をしながら、指定する口座に100万円ほどを振り込んだ。

手続きを終え、その場でATMの利用明細書を確認したところ、他人名義の銀行口座に送金されていたことが分かり、男性はすぐに金融機関に連絡したが、すでに引き出されていたため通報。金融機関から同署に連絡が入り、だまされたことが発覚した。

同署では被害防止のため、市役所などの公共機関が還付金目的で同様の指示を行った際は詐欺を疑い、身近な家族や警察に相談する呼びかけている。

■マルト平窪店 本格再開 夏井川決壊乗り越えて

台風19号の被害を受けた、平下平窪のマルト平窪店(篠ア弘文店長)が18日、リフレッシュオープンし、開店を待ちかねた大勢の近隣住民らが訪れ、長い列をつくった。

マルト平窪店は夏井川が決壊したため、店舗内が約1・5メートルの浸水に見回れ、休店を余儀なくされた。10月29日からは、敷地内に仮店舗を設けて営業を続けてきた。それ以来全力で改装に取り組み、床や壁、商品陳列棚など内装を一新したほか、冷凍食品や弁当など来店客の利便性を考え、商品購入後すぎに食べられるようにと、電子レンジも増やした。

篠ア店長は「休店・改装中などは、お客さまにご不便をおかけいたしました。今後も従業員一同、地域のために努めてまいります」と話した。営業時間は午前9時〜午後9時。問い合わせは、マルト平窪店=電話(23)3838=まで。