2019年12月16日(月)

■来年2月 久之浜に鮮魚店「はま水」オープン 漁業振興に新たな取り組み

漁師・加工業・消費者が一体となれる鮮魚店「おさかなひろば『はま水』」が来年2月、久之浜町の商業施設「浜風きらら」にオープンする。はま水をけん引するのは、鮮魚の販売と漁師の体験事業を手がける「合同会社はまから」。地元漁師と市内有志が中心となり、昨年12月に設立された組織だ。

東電福島第一原発に伴い、試験操業が続く県内漁業の復活と、子どもたちが水産物に触れる体験をと、いわき市の海に魅せられた若者たちの挑戦が始まろうとしている。

久之浜町は、いわき市有数の漁業の街として知られるが、原発事故を契機に環境は変化。9月に久之浜魚市場は再開したが、地元で魚を購入する機会はめっきり減った。

「震災前は当たり前だった、地元の人が地元の魚を手に入れることすら、今はできない」と、はまからの榊裕美さん(27)は指摘する。

榊さんは青森県八戸市出身。ボランティアをきっかけに、いわき市と縁を持ち、漁業をテーマに地域づくりに参画したことで、現在は久之浜町で生活している。

活動を通じ、榊さんは、久之浜町に住みながら、漁師に会ったことがない子どもがいるのを知った。はま水を立ち上げるに当たって、「子どもも来やすい魚屋にしよう」と思い立った。

タッグを組むのはいずれも久之浜町から、仲買のいちい水産、水産加工の福や。店内には魚の加工・直売スペースが用意され、水揚げの様子がモニターに映される中、子どもから大人まで、魚をさばく姿が大きな窓から見られ、新鮮で自慢の品々が求められる。

また、漁師食堂を兼ねたコミュニティースペースを完備する予定。朝の時間帯は魚料理を提供し、休日はイベントにも活用する計画を立てている。子どもたちが地域に溶け込める空間として、放課後などの勉強にも使えるようにする。

[クラウドファンディングで賛同求める]

はまからは現在、インターネットによる寄付「クラウドファンディング」を通じ、はま水の運営費を募っている。いわき市の漁業を再興させるためにも、県内外から広く取り組みに賛同を求めていく。

目標金額は300万円(達した場合にのみ受け取れる)。返礼品は金額に応じ、いわき市沖で取れた水産物「常磐もの」の詰め合わせや、釣り船の貸し切りなど。

来年1月31日まで。詳しくは、こちら

イメージ図は、はまからが考える「はま水」の取り組み(クリックで拡大)

■いわき中央署 逮捕術精鋭の女性警察官集う

警察官が事件現場などで攻撃や抵抗された際、適切に相手を制圧するための技術「逮捕術」。いわき中央署の女性警察官には、その技の精鋭が集っている。

5日に福島市の県警察学校で行われた大会では、素手のみを使う「徒手の部」で、留置管理課の後藤海巡査(21)が優勝を果たし、地域課中央台交番の太田朝子巡査(20)も3位に入った。

竹製の棒も用いる「警棒の部」では、同課十五町目交番の中島綾巡査長(34)が準優勝となった。

「期待をかけられていたので、優勝にほっとしている」。後藤巡査は笑顔で振り返る。昨年9月に県警から推薦を受け、東北管区警察局の逮捕術大会に参加し、全国大会に出場した実績を持つからだ。

特技は武道の一つ・拳正道で、小学生の時から研さんを積んできた。逮捕術に当たっては、相手の動きを見て、的確に打撃を打ち込むスタイル。温和な表情が持ち味だが、「女性だからと相手に侮られないよう、技術を磨いていきたい」と語った。

そうした先輩の背中を追いかけるのが、太田巡査だ。「初めての大会で無我夢中だった」と話すも、後藤巡査と練習を重ねて3位の結果を得た。

太田巡査の魅力は、何と言っても勢いを付ける声の大きさ。市民に寄り添う優しい雰囲気をまとうも、試合では相手に負けない力強さを見せた。逮捕術を通じ、「強い警察官を目指したい」と意気込みを示した。

逮捕術大会の入賞は若手だけとは限らない。中島巡査長は、中堅としての強みを発揮した。産休・育休を終え、大会には初出場となったが、冷静に状況を見極め、一瞬のスキを突いて、肩に一撃を与えていった。

肩、胴、小手が<一本>の場所となるが、肩を狙うと、体が空くことで守備が手薄になってしまいがちだが、中島巡査長は速さでカバーする。「この経験を生かし、女性の立場から市民を守っていく」と誓った。

写真は、左から後藤巡査、中島巡査長、太田巡査(クリックで拡大)

■南東北大学野球連盟 2019年度表彰式開かれる

南東北大学野球連盟(福迫昌之理事長)の2019年度表彰式が14日、平字一町目のいわきワシントンホテル椿山荘で開かれた。1部春季リーグを制した東日本国際大などが表彰されたほか、日本ハムにドラフト7位指名された同大の片岡奨人(4年・札幌日大)が特別栄誉賞に輝いた。

式には、同連盟傘下の大学生選手、関係者、来賓ら約140人が出席。

福迫理事長はスポーツ界も打撃を受けた台風19号などの自然災害に触れ、「さまざまな支えがあって野球ができることに感謝し、その思いに応えられる活動を目指していただきたい」とあいさつし、花沢興一県野球連盟会長らが来賓祝辞を述べた。

続いて、春季・秋季リーグ、春季新人戦優勝校、特別栄誉賞、特別功労賞の表彰を実施。

福迫理事長が1部春季リーグ優勝の東日本国際大の斎田海斗主将(3年・仙台育英)に賞状、小南天耀副主将(同・秋田商業)にトロフィーを贈呈した。特別栄誉賞の片岡にもトロフィーが贈られた。

懇親会の席上、個人賞、ベストナインの表彰も行われ、春季の最優秀選手賞を手にした片岡、春季優秀選手賞の佐々木大輔(3年・山村学園)、秋季同の蒔田達広(同・小高工業)らが表彰された。

[片岡 タイトル手にプロでの活躍誓う]

日本ハムに7位指名された功績をたたえ、東日本国際大の片岡奨人(4年・札幌日大)が特別栄誉賞を手にした。同賞は昨年の西武入りした粟津凱士(22)に続き、2年連続。

2019年は主将として挑んだ春季リーグで、初の最優秀選手賞を獲得。春、秋通じて、外野手のベストナインを受賞した。南東北のタイトルを引っさげ、プロの道へ挑む。

偉大な先輩に続き、特別栄誉賞を受け、「代表選手として呼ばれたようなものなので、表彰に見合うように頑張っていきたい」と片岡。「プロの世界で活躍して、南東北のリーグをもっと知ってもらえるように頑張りたい」と抱負を述べた。

■きのう 平字下の町で資材燃える 不審火か

15日午後6時10分ごろ、いわき市平字下の町6の5、第一千代田ビルの西側敷地から火を出し、置かれていた資材など約1・3平方メートルを焼き、20分後に消し止めた。けが人はなかった。

現場には火の気がないことから、不審火とみられ、いわき中央署と平消防署は、慎重に出火原因を調べている。